HAVE A NICE SHAVE

クラシックシェービングと男性スキンケアのノート

VOSKHOD TEFLON COATED

2017-12-26 11:00:53 | 両刃カミソリ替刃
五時の影で119円(5枚入り) ebayで送料込み100枚1400円前後
生産国:ロシア



最近ロシア産替刃のレビューが続いているが、この理由は国内で唯一、
クラッシックシェービングマニアが利用しそうなネットショップ
五時の影で取扱がなされているからだ。入手が安易で妥当な価格故、
できればこのサイトで手に入る製品はレビューしたいと思っている。
五時の影へのリンクはブックマーク欄をご覧になって欲しい。

さてこのVOSKHOD TEFLON COATED、炭素鋼をテフロンでコーティングした
ブレードを持つ。パッケージはなんとなく時代を感じさせるデザイン。
ロシア産のブレードはこういったテイストを持つブレードが多いが
中身まで古臭いわけではない。一様に高品質な製品が多い。

今回のテストに使用したアイテム
両刃ホルダー メルクール33Cヘッド+Maggard Razors MR11ハンドル
ソープ Taylor of Old Bond Street シェービングクリーム サンダルウッド
ブラシ Razorock 合成繊維ブラシ

1日目
肌に受ける感覚は品質の良いマイルド系替刃に近いが切れ味はそれよりも上。
人によってはマイルドという人とシャープ系と言う人がいるかもしれない。
そんな境目の剃り味。刃当たりは滑らかで不快感とは無縁だった。
私の太い髭では多少効率の悪さを感じるが、ローションを塗った後に感じる
肌への刺激は非常に少ないので悪い印象は無い。

2日目
ほとんど初日に近い感覚だった。
例えばダイソーで入手できるドルコの替刃などは、切断し切れない髭は
強度に負けて刃が暴れる感覚があるのだが、こちらは整然とストロークした回数分
髭が剃れていく感覚だ。髭に対しての反応はコーティングで変わると思われるが、
テフロンコーティングは髭にたいして無駄に粘着しないのかもしれない。
非常に滑りが良い。
今回はあまり追い込まずスピード重視のシェービングだったが、夜になっても
髭は目立たず、深剃りには問題なかった。また、肌への負担も非常に軽く
使いやすい替刃だと言う印象だ。

3日目
前日と比較して劣化は緩やかな印象。
ASTRA Superior Plutinumと非常によく似た感覚で、割りと切れるマイルド系の
剃り味だった。但しこちらのほうが刃当たりが軟らかいのか、剃り跡の不快感は少ない。
あまりに刃当たりが軟らかい為、剃れていないのかと思えば普通に剃れている。
鋭過ぎない替刃を求めているならこの剃り味は最適値と感じた。


総評
クラッシックシェービング入門時は、ひたすらBBS(パーフェクトシェーブ)を
追求したくなるが、慣れてくると8割くらい剃れていれば実生活に問題ないし
スキンケアの面で見ても肌のためにはそのくらいでシェービングを切り上げた
ほうが良いと思う方も居るのではないか。同じく、スキンケアを重視するなら
いつまでも同じ替刃を使用すると雑菌等の繁殖が懸念されるので自分の場合は
普段は3回使用すれば替刃を交換している。寿命も3回とも快適に使えたので
問題は無いと考える。
そのような視点で替刃を選ぶ場合、VOSKHODは最適解と思われる。RAPIA Plutinum LUXも
同様な印象を持ったので、ホルダーによって使い分けるといいだろう

結論として、多少の追い込みをして剃っても不快感なく、3日間は安心感が
高い剃り味が体感でき、入手性も良いVOSKHODにはかなり満足している。
ASTRAを替刃に選択する際はぜひこちらとも比較してほしい。








剃れ味の落ちた替刃をアグレッシブホルダーで延命

2017-12-20 17:23:17 | ヒゲソリ雑記

両刃カミソリのホルダーにはマイルド系とアグレッシブ系と言われる分類がある。
これは同じ替刃を使用した場合、ホルダーの設計によって皮膚への刃の当たり方が違うことを意味する。
・マイルド系ホルダーはやや弱めの刃当たりで、幅広い種類の替刃に対応できる。
・アグレッシブ系ホルダーは刃当たりが強めで髭を刈り取る効率は高いが替刃を選ぶ。
ミューレR89やGillette Superspeed等はマイルド系、メルクール34Cはややアグレッシブ、
ミューレR41(上の写真)はアグレッシブな刃当たりが体験できる。初心者は一般的にマイルド系が勧められる。

私もホルダーの特性に則って、マイルド系ホルダーにはシャープ系の替刃を、アグレッシブ系ホルダーにはマイルド系替刃を使用していた。アグレッシブホルダーはマイルド系替刃と組み合わせて使うものだと勝手に結論づけていた。


私は色々な替刃を折りを見て試用し、自分に合った替刃がないかと探すことを楽しみにしている。
その時に、「切れ味の落ちてきたシャープ系替刃を、アグレッシブホルダーで使用するとどうなるか?」
そんな疑問を持った。
上手くしたら替刃の寿命を延命させることができるかもしれない。

早速試してみることにした。
試してみたのは4日目で剃り味が落ちてきたGillette 7'oclock(green)。
全く剃れないわけではないが、下ろしたてのシャープさは失われている。
これをアグレッシ系ホルダーのParkerValiant(下の写真)に取り替え、剃ってみた。
ParkerValiantは刃角調整が可能なホルダーで最小目盛からアグレッシブな傾向が強いホルダーだ。
まずは目盛1~5のうち1にして剃ってみることにした。

その結果、替刃によっては切れ味が回復し、寿命を伸ばすことができるようになった。
この替刃の場合、剃り跡も痛みも皆無で良好な反り上がりだった。
ただし、替刃によっては引っ掻いたようなヒリヒリ感が残る替刃もあったし、むしろ滑らかさが増して更に快適に剃れる場合もあった。これは替刃の特性によって違うと思われる。
私が試した限りでは、RAPIRA Plutinum Luxなども好感触だった。

私はクラッシックシェービングが趣味なので複数本のホルダーを入手したが、
本来ならば定番のホルダーが1本あれば実際は困らないという認識だった。
だが、アグレッシブホルダーで替刃の延命ができるのなら、2本目を持つことにも意味を見い出せる。
アグレッシブホルダーだけというのは、替刃を選びすぎて扱いづらいだろう。
アグレッシブ系ホルダーにアグレッシブ系の替刃をいきなり使うというのは肌を痛めそうだ。
ヘッドを皮膚へ押し付ける癖が抜けないうちにアグレッシブホルダーだけを使うのもオススメできない。

今回、替刃の延命が望めるアグレッシブホルダーの活用法に気付き、存在意義が高まったと感じた。


カミソリの替刃が高い ~替刃の鎖に繋がれた男性達~ その脱出法とは?

2017-12-19 17:32:59 | 両刃カミソリを始める
T字カミソリの替刃が高い。ドラッグストアの特価品コーナーで本体が安く売ってたので購入、替刃が無くなったので買いに行ったら8個で2000円もした!!いくら何でも高すぎじゃないのか?!新製品が発売される度、さらに高額になっている。そのカートリッジ式を使うしかなくなった現代男性、その戦略に落ち、鎖で繋がれた状態の我々はどのようにコストを抑えれば良いのだろうか?

【ジレット効果で男性のシェービングテクニックは落ちた】

最新のカートリッジ式カミソリは様々なアイディアが凝縮され、どんな剃り方をしても安全に剃れるようになった。スムーサー、サスペンション、振動機構。高度化され手軽に剃れるようになっている。
いきなり逆反りから始めようがヒゲが十分に水分を含んでいなくても一定の剃り味が得られる。
簡単に言えばメチャクチャな剃り方をしても一定の仕上がりが期待できるのだ。
実際のところ、一枚刃である両刃カミソリでも最新のカートリッジ式のような仕上げは可能だし手慣れた人ならばそれ以上の深剃りも可能、肌への負担も変わらない仕上がりができる。両刃カミソリの替刃は20~50円程度だ。
だが、カートリッジ式に慣れた現代の男性には両刃カミソリを使えない。カートリッジと同じような剃り方をしていては肌を痛めてしまうからだ。
恐らく多くの男性は3パスシェービング(※1)を知らない。知らなくてもカートリッジ式なら剃れるからだ。
ヒゲを蒸らし、アフターシェーブを行うこともしない知人は私の周りでもかなり居る。
いつのまにか現代男性のシェービングテクニックは低下し、カートリッジブランドしか使えないようになってしまった。カートリッジブランドの鎖に繋がれた状態になってしまったのだ。言い値でも黙って買うしか無い状況だ。

(※1)3パスシェービング
Merkur Progress Adjustable Safety Razor 3-Pass Shave and Review

ヒゲの生える方向に対して順剃り→横剃り→逆剃りの順で剃っていくテクニック。この手順でひげ剃りを行うと肌への負担を最小限に抑え、最大限の効率でひげ剃りが行える。両刃カミソリユーザーの基本テクニック。Youtubeなどでは"3pass shaving"と検索すると実際に行っている動画が閲覧できる。英語で説明しているが、見ているだけでもだいたいのことは理解できるだろう。

【脱・5枚刃の為にテクニックを身につける】
結論から言えば簡単である。刃の枚数を少なくした分、テクニックを身につければ解決することなのである。いずれにしても、男性に生まれたからには一生シェービングはついて回る。けっして無駄な努力にはならない。昔は誰でもやっていたことだ、一定期間、練習するだけで一生分に換算すると莫大な金額を節約できるのだ。自転車に乗れるようになるのと同じような難易度だ。

例えばあなたが3パスシェービングを意識し、プレシェーブ、アフターシェーブを行うことがひげ剃りタイムのワンセットだと意識すれば、その時点で5枚刃カミソリは不要になるだろう。恐らく2枚刃で十分だと感じるようになるだろう。2枚刃なら、8個入りで1,000円程度で入手できる。この時点でかなりの節約が見込める。
加えて、一枚刃(両刃カミソリ)で十分かもしれないと感じるようになるかもしれない。そうなると恐らく、10分の1程度まで節約することも可能になってくる。
加えてウェットシェービングは奥が深い世界だ。興味があれば本ブログ、他のカテゴリーも参照いただきたい。


解説:”ジレット商法” 
写真:キング・キャンプ・ジレット(英: King Camp Gillette, 1855年1月5日 ? 1932年7月9日)は、アメリカ合衆国の実業家・発明家で、安全剃刀の発明者、剃刀メーカーザ・ジレット・カンパニーの創業者。

世界的大企業であるGillette。男性ならばまずこのブランド名を知らない人はいないだろう。言わずと知れたカートリッジカミソリの一大企業である。
初代創業者であるキング・ジレットは消耗品を永続的に販売し、消耗品の収入で自社の利益を安定的に手に入れる手法を考え出した。両刃カミソリが最初の製品である。本体(ホルダー)は安価なものから高級品まで様々なタイプのものが発売されたが替刃は同じ規格で販売され、その利益がジレットを大きくした。
やがて両刃カミソリの特許が切れ、誰でも両刃カミソリの替刃を生産できるようになるとジレットはカートリッジ剃刀を発売し、知名度を利用し、独自規格の本体および替刃を大量に生産し、世界中で販売した。
本体購入時は安価な製品で提供し、消耗品で利益を得る商法は同じだ。これをジレット商法と言う。
のちにコンピュータの周辺機器であるプリンターがこの商法を真似てインクで利益を回収する商売を行っている。
ビジネスモデルとしてはジレットが先に行った手法である。

【替刃は値下がりしない。】
上記の経緯から鑑みてジレットがこの先替刃の値段を下げることは難しいだろう。創業者が考え出したビジネスモデルを自らの手で捨て去るほど今のジレットが業績不振ではない。電気カミソリ派もいるがシェービング後の爽快さを好み専らウェットシェービングを支持するユーザーは世界的に見ればかなりの数が居る。心配せずともそのユーザーのヒゲは毎日伸び続けるのである。それでしか剃れないほどテクニックの低下したユーザーは、価格が高いと思いつつもドラッグストアのレジに並んで居ることだろう。
ジレットの社員も毎年昇給を望むだろう。経費や設備投資も必要だ。その為にジレットは次々と新しい製品を世に送り出し、以前よりも高額な替刃を販売していくことだろう。恐らく、世界シェアトップの座から滑落し、業績が不振になるまで替刃の価格を下げるなど夢にも思っていないに違いない。

Gillette 7 O’Clock Super Stainless(Green) Dec.24 2017(更新)

2017-12-19 10:42:05 | 両刃カミソリ替刃
五時の影で5枚入り162円
生産国:ロシア


Gillette 7 O’Clock Super Stainless(Green)

国内のブログを巡回してもGillette 7o'clickシリーズの黄箱は良く話題に登るが緑箱は記事が少ないためどのような切れ味がするか興

味があった。
他に黒箱もあるのだが生産国が英国なのでまた剃り味が違うものと想像できる。これもいずれ試してみたいと思っている。
今回は黄箱とどのような差を感じられるかを比較しながら試してみた。
テスト用のホルダーはメルクール33C+RazzarockMr11ハンドル。手持ちに34Cが無いのでハンドルを交換して34Cに近づけてみた。
ヘッド部は同じ設計のヘッドなので、34Cに感覚が近くなっているのではないかと思う。
ソープはMITCHELL'S WOOL FAT ブラシはRazzorock合成ブラシ。これで数日間に渡って試用してみることにした。

1日目
黄箱にとても似て非常にシャープ。感覚的な誤差かも知れないが、幾分剃り跡のヒリヒリ感は黄色より弱い気がする。
替刃によってはひっかき跡のようなヒリヒリが残る替刃があるが、緑箱はそういう感じではなく、メンソール系化粧品を付けた後のよう

な感覚。
黄箱も同じような感触である。剃れ具合としては黄色より若干キレ具合が弱い気もするが、誤差の範囲かも知れない。
概ね黄箱と同じと言える。

2日目
切れ味はRAPIA PLATINUM LAXの下ろしたてのような感じだった。よく切れるのにヒリヒリが鳴りを潜め、非常に快適な感覚。
私は太い髭なので、ついつい追い込んで剃ってしまうクセがあるのだが、ヒリヒリが出なかった。黄箱よりマイルドな分、剃り跡が気持

ちいい。
ホルダーとの相性も良いのか、切れ味の衰えも僅かで非常に使いやすかった。

3日目
前日より切れ味が若干下がったが非常に緩やかなのでシェービング自体に影響するほどではない。
刃当たりは前日と同じ感覚で、シャープかつ滑らか。ASTRAのような滑らかさがあるのに切れ味は上。非常に使いやすかった。
黄箱は4日目まで気持ちよく剃れたので4日目も恐らく大丈夫だろう。後日追記しよう。
また、この段階で強アグレッシブホルダに切り替えても面白いかもしれない。同じく試してみることにする。

4日目
刃当たりに痛みは無いがASTRAより少し切れるかなと言うくらいまで剃り味が落ちてきた。
それならばとシェービングの途中ではあるがホルダーをParkerValiantに変更してみることにした。
ParkerValiantは私の所有するホルダの中で最もアグレッシブなホルダーだ。調整目盛を最大の”6”にすれば、ミューレR41よりもアグ

レッシブになる。
調整目盛を最もマイルド寄りな”1”にして試してみた。この数値でも34Cよりアグレッシブな切れ味だ。
なんと剃り味が復活。初日程ではないが、2日目よりも切れるようになった印象だ。
刃当たりも変わらず、剃り跡のヒリヒリ感は無い。ひょっとしたら今までで最も剃り跡が良い状態かもしれない。
ほんの思いつきだったが、アグレッシブなホルダーにアグレッシブな替刃をセットしようとは今まで考えなかったが、品質の良い替刃な

ら剃り味が落ちた段階で取り替えてみても良いのかもしれない。

5日目
昨日と同じくParker Valiantでシェービング。調整目盛は1(最小)のまま使用。
昨日まで感じていた高品質感は失われ、シャリシャリと盛大に音はするが
あまり効率良く切れていない様子で、ストローク数は増えた。
ただしシェービング後の肌を確認すると髭はきちんと剃れている。マイルド刃という
感じだろうか。ローションを塗るとヒリヒリとまでは行かないが多少違和感がある。
カートリッジ式カミソリを使っていた頃は替刃の価格がもったいないので、この状態よりも
切れない状態で頑張って使っていたのを思い出す。贅沢なったものだ。

6日目
2,3日目の剃り味がとても快適だったのでそろそろ寿命かと思ったが、
他の替刃と比較するときちんと剃れているし、剃り跡の違和感も30分程度で消えていた。
問題なしとしても良かったのかもしれない。今回はどうだろう?

目標であった6日目
切れ味の感覚としてはASTRAの二日目以降の感覚。マイルド刃だと思えば違和感無い切れ味。
シェービング後も特別酷い状況になるわけでもなく、ヒリヒリ感も無い。
ParkerValiantの調整値は順剃りで2,逆剃りを1で使用。
私の場合、替刃の寿命は一般的に言われている半分で消耗してしまうのだが、それを
考慮すると異様に長持ちする替刃だ。海外のフォーラムなどで寿命2週間と書いてあるのを
見たことがあるが、確かに非常に劣化がゆるやかな替刃だ。
目標であった1箱で1ヶ月が達成できたのでここで終了とするが、まだ余力を残している感じだ。
素晴らしい替刃だと賞賛したい。


総評

私は黄箱が若干切れすぎると感じていたので緑箱が丁度いい。特に2~4日目の剃り味は自分にとって理想的だった。
RAPIA PLUTINUM LUXの初日の切れ味がとても好きだったがあちらは寿命が短いのが残念。こちらは似た感覚で数日剃れる。
今回、私の常用替刃ローテーションを変更することにした。黄箱に変わって緑箱に変更しよう。
黄箱より安く寿命も同様であるため、文句なしのスタメン入で私は満足している。
緑箱を使い込んでみて何か気がついた点があれば後日追記することにしようと思う。