HAVE A NICE SHAVE

クラシックシェービングと男性スキンケアのノート

Gillette Tech English

2018-01-04 20:50:34 | 両刃カミソリホルダー
生産国:英国 材質:アルミ合金



私のコレクションの中で最も安く入手した製品。
国内のヤフオクで入手し、送料込みでも1500円以下だったと記憶している。

Gilletteは世界にその拠点を持つが、これは英国で生産された品。
米国製と違いヘッド裏に製造年の刻印が無いが、このタイプは
1970年代に生産されていた。詳しい年については不明。
材質はアルミ。クロームメッキより若干黄色がかって見える。
ハンドルは細く小ぶりに見えるが、メルクール33Cより若干重量がある。
ヘッド部に旧Gillette社のロゴが入りヘッドは薄い。

このモデルは現在ebayなどで探しても2000円前後で程度の良いものが
発売されており入手は難しくない。
刃当たりもメルクール33Cに近い刃当たりで使いやすいバランスだ。
小振りなハンドルと軽量ヘッドを備え、タッチアップに重宝するし
ハンドルはそれなりに重みがあるので旅行用に小さいホルダーを選びたい場合、
ベストチョイスだ。
私の場合はタッチアップに使用している。逆反りは極力やらないように
しているが、特定の部分に髭がどうしても残る。剃り残した箇所に
極々軽く逆反りの向きで刃を当てる時、このモデルはストロークが
軽量なので力を抜きやすい。

また、外泊用としても重宝だ。
総重量が軽量なので荷物の負担を減らせる。
ディスポーザブルカミソリでは物足りなく感じているのでホルダー、
旅行用の小型ブラシ、詰替え缶に入れたシェービングクリームは
持っていくようにしている。
シンプルだが手抜きのない設計のこのモデルはとても使いやすい。


Edwin Jagger DE89

2017-12-10 20:00:38 | 両刃カミソリホルダー
イギリス製 クロームメッキ Maggard Razorsで37$
ハンドルの長さ:85mm 重さ:75g



エドウィンジャガー社とミューレ社との共同開発による3ピースホルダー
ミューレ版の型番はR89。ヘッド部は全く同じ形状で剃り味も同じ。
メルクール34Cと並び、初心者に最適なホルダーとされている。
DE89シリーズとして、ハンドル部のデザインに刻みの無いタイプや数種類の刻みがあるタイプなど
バリエーションが数種類ある。

日本国内に販売店がある為か、国内のブロガー諸氏はミューレ社が販売しているR89を所持しておられる傾向が多いが、Maggard Razorsの通販サイト比較でDE89は37$~、R89は59$~と価格に開きがある。R89版は施された刻みなどが豪奢なためその分が価格に上乗せされているのかもしれない。単純にこのホルダーを求めるのであればエドウィンジャガーのほうが価格的にお得である。加工精度自体に差異があるわけではない。

私の主観であるが、DE89はザ・マイルド・オブマイルド、偉大なるマイルドホルダーという印象がある。
両刃カミソリの攻撃的な側面を包み込み、滑らかで上品な感触を醸し出す。英国紳士が味付けした両刃ホルダーだなと感じる。
DE89を購入するとフェザー・ハイステンレス替刃が同梱されている。(ミューレ版には自社の替刃が付属されてる)恐らくシャープ系替刃に対してセッティングされているのだろう、滑らかでしっかりした髭の刈り取りが味わえる。

私がこのホルダーを好む理由は髭を剃る時の音にある。
シャープ系の替刃、降ろしたての替刃を使用すると、独特な切断音がする。他社のホルダーがゾリゾリという音とすれば、このホルダーはキンキンと高音に寄った音を奏でる。相性が最も良いと思われるフェザーの替刃や7o'click黄色などはその高音が更に増す。この音がたまらなく心地良い。
マイルド系ホルダーは総じて最適なホルダーを傾ける角度、有効傾斜角が狭い傾向にある。このホルダーに於いても決して広いわけではないが、DE89に関しては音が明らかに変わるので有効角を見つけることはさほど難しくない。これが意図して造られたかどうかは残念ながら確認できなかったがなんとも素敵な仕様だと毎回感心する。

デザインに関して、ヘッドはミューレR89と同一でベースプレートの会社ロゴ以外は同じ形状、デザインであるが、ハンドル部は両者で特色を持たせている。総じてミューレ社のモデルのほうが装飾が細かいが、エドウィンジャガーがそれに劣っているわけではない。シンプルな飾り付けで金属の素材を美しく見せるようなデザインでエレガントさも感じる。どちらを好むかは持つ人次第ではないかというレベルだ。もしミューレもエドウィンジャガーもお持ちでない場合は、忘れずにこのモデルも比較検討していただきたい。







Parker Valiant

2017-12-08 20:39:18 | 両刃カミソリホルダー
インド製 サテンクロムメッキのオールブラスハンドル 亜鉛合金ヘッド
剃刀の重さ:111g ハンドルの長さ:90mm Maggard Razorsで$57.00



見た目はオシャレだが精度が今一歩だという評価が定着していたパーカー製ホルダー。
最近まで選択肢に入れたことがなかったブランドだった。
だが最近発売されたこのモデルだけはやたらと評判が良い。
Valiantの製品名が示すとおり、この製品はクローズドバーとヘッドの間隔をハンドル底部のノブを回すことにより変化させ、剃れ味を調整できる構造になっているホルダーである。
調整式ホルダーはGillette slim ajustableおよびfatboyを筆頭に、現在でもメルクールなどで発売されている。デザイン的にも好みであり、海外サイトの評判も上々なので初のParker製ホルダーがどんなものか、購入してみることとした。

調整式ホルダーではGillette slim ajustableを既に所持しているので、有名なホルダーと言うこともあり、Valiantと比較してみた。
本体重量はGillette slim ajustableの71gであるのに対して111gかなり重量のある本体だ。持っていてずっしり来る。ヘッドの厚みはGillette slim ajustableが10~11mmに対して12~13mmとかなり厚めのヘッドだ。
ハンドルのグリップはひし形のローレットが刻み込まれ指が滑ってしまう心配はまず無い。
肝心の剃り心地だが間違いなく強アグレッシブへ振られている。ダイヤル1の時点で既にメルクール34cよりアグレッシブな状態だ。最高値は5なのだがそこまで行くと殆ど刃がむき出しになっているような感覚。
Gillette slim ajustableはマイルド~弱アグレッシブの味付けがされているようで、明らかに性格が違う。
おまけにヘビーウェイトなのでヘッドを皮膚に載せただけでブルドーザーのように剃れていく。
ここまで書くととんでもない暴れ馬のような印象を受けるかもしれないが、正直なところ私はこのホルダーが気に入っている。その理由としてホルダーの有効傾斜角が異様に広いのでとても扱いやすからだ。そして私の気に入っているアストラスーペリア替刃ととても相性が良い。このホルダーでフェザーステンレスを使う勇気は私には無いが、マイルド替刃なら上々な効率でシェービングが可能だ。
あまり乱暴に扱うと肌を切ってしまう恐れがあるが、慣れてくるとかなり短時間に髭を剃り上げることができる。太い髭だろうと伸びすぎの髭だろうとこのホルダーはその重量でどんどん刈り取りヘッドの通った後はまっさらな平地に変えていくだろう。いやはや、豪快なホルダーだ。

入門用にメルクール33cはいかが?

2017-12-05 17:14:18 | 両刃カミソリホルダー
多くの両刃カミソリユーザーが勧める両刃カミソリはメルクール34cかミューレR89だ。
これには全く異存はない。異存はないが同じことをこのブログで書いても今更だと思う。
なのでその応用例としてメルクール33cを紹介したい。

↓メルクール33c


メルクール33cは3ピース構造。34cは2ピース構造になっているがヘッドのそれ味は同じである。
ではなぜ34cの方が人気があるのかと言うと34cは本体重量が118g、33cは51gと結構な開きがある。
両刃カミソリはホルダーの重みで髭を切る感覚で剃るため、ヘッドに掛ける圧力を意識せずともこの34cなら勝手に髭が剃れていく。そして評判のメルクール3シリーズヘッドの効果もあり実に扱い安い製品となっている。33cは重量が半分であるためユーザー自らがヘッドの圧力を調整する必要がある。
重量が軽いため34cと比較して逆反りやタッチアップなど、細かくストロークする動作の場合は33cの方が扱いやすいが初心者オススメは結局のところ34cに軍配が上がる感覚である。

では、仮に33cが34cとほぼ同じ重量だった場合はどうだろう?
実はMaggard Razorsよりこんなものが発売されている。


これは3ピース構造の両刃カミソリホルダー向けに販売されているグリップである。
3ピース構造のグリップ部のネジのサイズは替刃の穴の位置が決められいる理由からか、殆ど共通のネジサイズになっている。私は50年前のビンテージホルダー所有しているが、そのグリップでさえ同じネジサイズである。
話が逸れたが、Maggard Razorsからはロングサイズやヘビーウエイトなど、数種類のグリップが発売されている。その中でMR11というグリップを装着すると34cと同じ重量のホルダが出来上がる。
ヘッド部は33cも34cも同一形状であるため、3ピースな34cが出来上がると言う寸法だ。

両刃カミソリホルダーの形状について、2ピースにするか、3ピースにするか好みの問題もあるだろうが、3ピースの場合グリップのみ、またはヘッドのみ交換ができるという点が魅力だ。
ミューレのR89やR41等は海外の通販サイトでヘッドのみ販売されていたりする。
そして33cに最初から付いていたグリップは軽量であるため、ひげ剃り仕上げ時の部分的なタッチアップにとても便利なのでこれはこれで重宝している。なので入門時に33cを買って却って良かったと思っている。

Gillette Superspeed Flaretip

2017-10-02 06:47:04 | 両刃カミソリホルダー



最初のレビュー記事がいきなりビンテージ物と言うのも私なりの先人の方々に向けてのリスペクトと思っていただきたい。

1954から1966年まで生産されたこのシリーズ、カートリッジ式ホルダー誕生前の一般的にひげ剃りと言えば両刃カミソリを指す時代のスタンダードモデル。5ドル程度で販売されてたと読んだ気がする。
生産終了から50年を経た今でもこの本製品のコピーと思しき製品を見る事ができる。オークションサイトで安く入手出来るのでビンテージ物とはどんなものか?と軽い気持ちで入手したのだがその洗練された使い心地に正直驚いた。この時代は両刃カミソリ真っ盛りでクラッシックシェービングファンでなくともこれで髭を剃るしかない時代、少しでも手早く剃り終えたいと考える人も少なくなかったはず。
完璧なシェービングでなくとも一日大丈夫な位には髭が剃れて手早く剃ることができる。これがSupetspeedの売りで全体的に軽量、ショート気味のハンドル、ヘッドにもハンドルにもウェイトが偏っていなく軽快な取り回しができる。マイルド系の剃れ味なので、ある程度スピードを上げてストロークしても皮膚へのダメージが少ない。また、ヘッドは観音開きで刃を交換するTTO式なので清掃も素早くできる。
正に忙しい朝に使うのに持って来いの構造。既にこの時代に両刃カミソリは完成形に至っていたのかと驚くばかりである。

両刃カミソリのビンテージは大量生産されたアイテムのため、今でも安価で入手可能だ。現行品に多大な影響を与えたこのモデル、持っていて後悔はしないはず。