HAVE A NICE SHAVE

クラシックシェービングと男性スキンケアのノート

カミソリの替刃が高い ~替刃の鎖に繋がれた男性達~ その脱出法とは?

2017-12-19 17:32:59 | 両刃カミソリを始める
T字カミソリの替刃が高い。ドラッグストアの特価品コーナーで本体が安く売ってたので購入、替刃が無くなったので買いに行ったら8個で2000円もした!!いくら何でも高すぎじゃないのか?!新製品が発売される度、さらに高額になっている。そのカートリッジ式を使うしかなくなった現代男性、その戦略に落ち、鎖で繋がれた状態の我々はどのようにコストを抑えれば良いのだろうか?

【ジレット効果で男性のシェービングテクニックは落ちた】

最新のカートリッジ式カミソリは様々なアイディアが凝縮され、どんな剃り方をしても安全に剃れるようになった。スムーサー、サスペンション、振動機構。高度化され手軽に剃れるようになっている。
いきなり逆反りから始めようがヒゲが十分に水分を含んでいなくても一定の剃り味が得られる。
簡単に言えばメチャクチャな剃り方をしても一定の仕上がりが期待できるのだ。
実際のところ、一枚刃である両刃カミソリでも最新のカートリッジ式のような仕上げは可能だし手慣れた人ならばそれ以上の深剃りも可能、肌への負担も変わらない仕上がりができる。両刃カミソリの替刃は20~50円程度だ。
だが、カートリッジ式に慣れた現代の男性には両刃カミソリを使えない。カートリッジと同じような剃り方をしていては肌を痛めてしまうからだ。
恐らく多くの男性は3パスシェービング(※1)を知らない。知らなくてもカートリッジ式なら剃れるからだ。
ヒゲを蒸らし、アフターシェーブを行うこともしない知人は私の周りでもかなり居る。
いつのまにか現代男性のシェービングテクニックは低下し、カートリッジブランドしか使えないようになってしまった。カートリッジブランドの鎖に繋がれた状態になってしまったのだ。言い値でも黙って買うしか無い状況だ。

(※1)3パスシェービング
Merkur Progress Adjustable Safety Razor 3-Pass Shave and Review

ヒゲの生える方向に対して順剃り→横剃り→逆剃りの順で剃っていくテクニック。この手順でひげ剃りを行うと肌への負担を最小限に抑え、最大限の効率でひげ剃りが行える。両刃カミソリユーザーの基本テクニック。Youtubeなどでは"3pass shaving"と検索すると実際に行っている動画が閲覧できる。英語で説明しているが、見ているだけでもだいたいのことは理解できるだろう。

【脱・5枚刃の為にテクニックを身につける】
結論から言えば簡単である。刃の枚数を少なくした分、テクニックを身につければ解決することなのである。いずれにしても、男性に生まれたからには一生シェービングはついて回る。けっして無駄な努力にはならない。昔は誰でもやっていたことだ、一定期間、練習するだけで一生分に換算すると莫大な金額を節約できるのだ。自転車に乗れるようになるのと同じような難易度だ。

例えばあなたが3パスシェービングを意識し、プレシェーブ、アフターシェーブを行うことがひげ剃りタイムのワンセットだと意識すれば、その時点で5枚刃カミソリは不要になるだろう。恐らく2枚刃で十分だと感じるようになるだろう。2枚刃なら、8個入りで1,000円程度で入手できる。この時点でかなりの節約が見込める。
加えて、一枚刃(両刃カミソリ)で十分かもしれないと感じるようになるかもしれない。そうなると恐らく、10分の1程度まで節約することも可能になってくる。
加えてウェットシェービングは奥が深い世界だ。興味があれば本ブログ、他のカテゴリーも参照いただきたい。


解説:”ジレット商法” 
写真:キング・キャンプ・ジレット(英: King Camp Gillette, 1855年1月5日 ? 1932年7月9日)は、アメリカ合衆国の実業家・発明家で、安全剃刀の発明者、剃刀メーカーザ・ジレット・カンパニーの創業者。

世界的大企業であるGillette。男性ならばまずこのブランド名を知らない人はいないだろう。言わずと知れたカートリッジカミソリの一大企業である。
初代創業者であるキング・ジレットは消耗品を永続的に販売し、消耗品の収入で自社の利益を安定的に手に入れる手法を考え出した。両刃カミソリが最初の製品である。本体(ホルダー)は安価なものから高級品まで様々なタイプのものが発売されたが替刃は同じ規格で販売され、その利益がジレットを大きくした。
やがて両刃カミソリの特許が切れ、誰でも両刃カミソリの替刃を生産できるようになるとジレットはカートリッジ剃刀を発売し、知名度を利用し、独自規格の本体および替刃を大量に生産し、世界中で販売した。
本体購入時は安価な製品で提供し、消耗品で利益を得る商法は同じだ。これをジレット商法と言う。
のちにコンピュータの周辺機器であるプリンターがこの商法を真似てインクで利益を回収する商売を行っている。
ビジネスモデルとしてはジレットが先に行った手法である。

【替刃は値下がりしない。】
上記の経緯から鑑みてジレットがこの先替刃の値段を下げることは難しいだろう。創業者が考え出したビジネスモデルを自らの手で捨て去るほど今のジレットが業績不振ではない。電気カミソリ派もいるがシェービング後の爽快さを好み専らウェットシェービングを支持するユーザーは世界的に見ればかなりの数が居る。心配せずともそのユーザーのヒゲは毎日伸び続けるのである。それでしか剃れないほどテクニックの低下したユーザーは、価格が高いと思いつつもドラッグストアのレジに並んで居ることだろう。
ジレットの社員も毎年昇給を望むだろう。経費や設備投資も必要だ。その為にジレットは次々と新しい製品を世に送り出し、以前よりも高額な替刃を販売していくことだろう。恐らく、世界シェアトップの座から滑落し、業績が不振になるまで替刃の価格を下げるなど夢にも思っていないに違いない。

準備7

2017-10-01 13:49:58 | 両刃カミソリを始める

シェービング

Tutorial: Learn How To Shave With a Safety Razor

実際のシェービングについては上の動画を参考にしていただきたい。英語で解説してるので言葉は解らなくても、一連の動作だけでも流れが掴めると思う。

両刃カミソリで髭を剃る時は順序として髭の方向に対して順反り→横剃り→逆剃りの順で行う。逆剃りを多用するとカミソリ負けになりやすくなるので、逆剃りは最後の仕上げと考えるといいと思う。剃り慣れてくると、自分がいつも剃り残す場所がわかってくるので、そこが仕上げを行う場所となる。

カミソリ刃が髭を切断できる角度はホルダーによって差がある。アグレッシブ(刃あたりが強め)なホルダーのほうが剃れる角度が広めだが刃が皮膚に強く当たるため皮膚への負担が大きい。マイルド系は剃れる角度が狭いが皮膚への負担は少なめ。アグレッシブホルダーの利点は刃の当たる強度が強いため、少ないストロークでヒゲを刈り取ることができる。マイルド系はアグレッシブと比較してストロークが多くなる。また、替刃自体にも鋭い系統とマイルドな系統があり、ホルダーとの組み合わせによって自分に合った組み合わせを模索することができる。

剃るときの力加減だが、ホルダーの重量で髭を刈り取るような感覚で剃る。
押し付けるのではなく、表面を滑らせるようにして剃る。
また、顔の表面は曲面になっているのに対し、カミソリの刃先はは直線なので、ヘッドを僅かに回転させるたり、指で皮膚を伸ばしながら剃ると上手く剃れる。

熟練するほど様々なテクニックを盛り込めるのが両刃カミソリの醍醐味だろう、ぜひ手先の延長と感じるまで使い込んで頂きたい。世界の名機たちは貴方の成長に応えて真価を発揮してくれることだろう。


準備6

2017-10-01 09:30:41 | 両刃カミソリを始める

その他のアイテムについて

シェービングボウル

ソープの泡を作るためのアイテム。
海外のサイトを見ると専用品を売っているが何を使ってもいい。特にどれを使わなければいけないという決まりはなく、みんな思い思いの品を使っている。私はステンレス製のかき氷カップを使ってる。断熱構造なので泡のを温度低下を防げる気がしてるからだ。(たぶん、気持ち程度だろうが)
Amazonを閲覧すると陶器でできた四角い二層構造のシェービングカップが売られているが、あれは粉石鹸用の容器でここで紹介してるソープ類で泡を立てる場合は使い難いのでご注意を。


アフターシェーブ

ひげ剃り後は皮膚が多少なりとも損傷している。アフターシェーブの処理は止血と肌の再生助けるために行う。

アラムブロック


アラムブロックはミョウバンの結晶で止血、殺菌、肌の収れん作用がある。肌に直接塗り込んで使用するが強烈に染みる。
クラックシェービングユーザーの間では昔からよく使われる一般的なアイテムだが、私個人の意見としてはスキンケアの手段としてはいささか時代遅れではないかと感じてる。スキンケア専門のサイトを参考にすると、肌の殺菌や収れん作用は無意味とされている。殺菌については皮膚の表面上には有用な細菌も存在するので水洗顔で汚れを落とす程度で充分であり、そもそも毛穴の奥から菌は復元するので意味がない。収れん作用はについても5分も経てば元に戻るし収れん作用自体が肌に良くない。止血や抗炎症はオロナイン軟膏、メンソレータムなどの皮膚薬の方が染みないし肌の復元を助ける成分も入っている。
以上の理由で私は使用していない。


アフターシェーブローション&ミルク、クリーム

スキンケアサイトによると肌の再生に必要なのは兎にも角にも保湿とのこと。ここで気をつけたいのは日本の夏場は湿度が80%前後にもなるということ。そんな時期はサッパリ系(アルコール入り)のローションですっきり仕上げても影響ない。
しかし、冬場の低湿度環境では保湿に神経を使ったほうが良い。保湿を怠ると肌の再生が遅れ、翌日のシェービングに影響する。
保湿機能があればシェービング用品メーカーの化粧品でもかまわないし、普通の化粧品メーカーが販売してる基礎化粧品でも構わない。
私は夏場はアルコールフリーの国内メーカー化粧水、冬は同じく国内メーカーのオールインワンジェルを利用している。保湿と肌再生に有用な成分が含まれているので高機能だからだ。


準備5

2017-09-30 17:01:34 | 両刃カミソリを始める

【シェービングブラシ】

豚毛、アナグマ毛、合成繊維の3種類が一般的だが、国産では鹿やその他の毛が混在した物もある。理髪店ではそういった混合毛も使われている様子。クラッシックシェービングのユーザー間では豚毛、若しくはアナグマ毛、合成繊維のブラシを使う例がほとんど。購入直後はブラシから獣の匂いがするのでブレークイン(使用前の準備作業)を行うのが一般的。合成繊維ブラシはブレークイン不要、そのまま使用を開始できる。また、天然毛ブラシは乾燥を必要とするので毎日使用すると水分が抜けきれないためブラシへのダメージが増すため一日置きに使用するほうがよい。そのような理由から複数本用意したほうが寿命が伸びる。ブラシを一本だけで利用する場合は合成繊維ブラシが乾燥が早い。合成繊維だからといって使用感に劣るわけではない。むしろ入門者には積極的に使ってほしい。

※余談:ダイソーに100円で買える豚毛ブラシがあります。使えるか?と聞かれれば使えないことは無いです。ですがあれが豚毛ブラシなんだと思わないで欲しいとくれぐれも申し上げたい。小さすぎて本来の豚毛の良さが出ていない割に育てるのには相応の時間がかかるため誠にもったいないです。ぜひSemogueやOMEGAあたりの豚毛で一番安いので良いから試してほしいです。1200円くらいからありますので。それでも高いなら合成繊維ブラシ800円からあります。それでも雲泥の差。

 

アナグマ毛ブラシ(写真はSemogue2015silvertip)


日本国内では人気の高いアナグマ毛ブラシ。グレードがあり上位からシルバーチップ、ベストバジャー、ピュアバジャーとなっている。シルバーチップはアナグマの首の周りから採取できる毛とされ、先端がカットされておらず、肌触りが柔らかい。ソーブを豊富に含み、塗るときの感触がサラサラな為人気が高い。希少動物なので現在は中国や一部の地域でしか採取されないため欧州産のブラシであっても毛の原産は中国製がほとんど。購入直後は独特な獣臭がするためブレークイン作業は必須。
フェイスラザリング(顔で直接泡を作る方法)向き。

 

豚毛ブラシ(写真はSemogue830)


育てるブラシと言われ、本来の性能を発揮するまで2ヶ月ほどかかる。最初は毛が硬く感じるが、使っているうちに毛の先端が枝毛となり細くなっていく。ここまでくればシルバーチップ並の感触となり本来豚毛特有のコシの強さと相まって石鹸をローディング(すくい取ること)も容易になり極上の使用感となる。アナグマ毛と比較して安価なため海外ではファンが多い。乾燥が遅いため中一日は乾燥させる必要がある。

 

合成繊維ブラシ(写真はOmega S10065 Red Synthetic Fibre Shaving Brush)


人工的に天然毛ブラシに似せて作られたブラシ。1000円程度の安価なものから高級ブランド品はシルバーチップより高価なものもある。安価なものでも性能的には使用に全く差し支えない。特にOMEGAの合成繊維ブラシは安価で性能が良く初心者にはオススメ。乾燥も早く使いやすい。シェービングブラシの最初の一本に合成繊維ブラシを選ぶのは合理的。

 

 

ブラシのサイズについて
海外の専門サイトで商品欄にはブラシのサイズに付いて記載がある。内容は下記の通り

Loft(ロフト) ブラシの高さ高い程泡の含有量が増えるがコシが弱くなり石鹸のローディングの際時間がかかるが肌触りが柔らかくなる。
Not(ノット) 太いほど泡の含有量が増える。ブラシ先端の面積が増える。


ブラシの形状について
ファン型(扇型)とチューブ型(電球型)の二種類がある。
ファン型のほうが肌当たりが良い。反面、泡立ちはチューブ型のほうが良い。チューブ型は肌当たりはファン型に対して硬いがソープのローディングが早い。どちらが良いというものでもないので選ぶ際は好みに優先される。

 

最初に揃えるべきシェービングブラシ(上記の各種モデルはそれぞれのオススメです)

まず1本、とりあえず揃えるなら合成繊維。
乾燥に気を使う必要が無いので毎日使える。価格も安価なものが多いので財布にも優しい。
複数本持つ余裕があるなら上に加えてベストバジャーもしくは豚毛となる。
豚毛は本領発揮に時間がかかるがシルバーチップ並に成長するし、ベストバジャーの毛なら実際に使用に不都合は無い。
クラッシックシェービングの虜となり、極上のシェービングを手に入れたい方はお金に糸目をつけず、シルバーチップを採用されるといいです。ハンドルから感触まで多種多様に揃っています。


準備4

2017-09-30 16:08:19 | 両刃カミソリを始める

【ソープ、クリーム】
ドラッグストアで入手できるジェルやフォームは本来カートリッジ式なので両刃カミソリ向きではないが、人によって敢えてそれを使用している人がいるので使用できないと言うわけではない。ここではそれを除外して両刃カミソリ専用として販売されている商品で、まず最初に入手しておきたいアイテムを紹介したい。
ソープ、クリーム類は様々な香りや効能があるため販売数が多いと思われる商品を元に紹介したい。ソープとクリームの違いは一般的にはクリームのほうが泡立てが簡単でアナグマ毛、豚毛両方のブラシとの相性が良い。また、旅行用として小さな容器に詰めやすいのでとかく応用が効く。入門者はまずクリームから入ったほうが面倒が無くて親しみやすいと思う。(もちろん、ソープを買っても全くかまわない)
一方、ソープは固形石鹸と同じ形状をしていてブラシで石鹸を擦り取って使用するので、どちらかと言うと豚毛ブラシと相性が良い。機能的には全く差はないので好きな香りがあるかどうかで選択するかが決まる。

入門者向けのクリーム


Taylor of Old Bond Street natural shaving cream (略称TOBS)
AmazonUSAで一番人気のシェービングクリーム。人気の香りはサンダルウッドだが白檀の香りなので日本人にはアーモンドやアロエベラ系がいいかもしれない。泡立てやすく150ml入りで9£と手頃な価格で使いやすい。まず最初にこれを買って失敗はないと思う。



PRORASOSHAVING CREAM TUBE EUCALYPTUS & MENTHOL 150ML 5.4£
香りは昔の理髪店のような香りだが機能性に優れている。価格も手頃。カミソリ刃の潤滑性が良く、抗炎症成分が入っているのでカミソリ負けに強い。カップに入ったジャータイプとチューブ入りがあるがチューブ入りの泡立ちが断然いいのでそちらがオススメ。

 

上記以外にも星の数ほどソープ&クリームは発売されているが、色々紹介しても混乱するのでまず上の二種を決め打ちで用意してその他は香りや形状など、好みに合わせて選んでいくと効率がいいと思う。

何しろソープは一つ購入すると3ヶ月分はあるので、MAGGARD RAZORZやConnaught Shavingなどのサイトではお試し用に少量販売もあるので、手を広げたい場合はそれらで試すのも良いと思う。

 

雑記:Amazonを見てると、国産の粉状の石鹸が売られています。これはどうなのか?
まず泡立ちですが理髪店で体験する水分の多い緩い泡ができます。上に挙げたソープ関連はもっと密度の濃い刃の潤滑性が高い泡ができますのでかなり性質が違います。どちらが良いかは刃の調子次第です。切れ味の鋭い刃の場合、密度の濃い泡が適していますし、マイルド気味の刃ならば水分が多めのほうが剃りやすいと思います。
外国産ソープの場合は泡立てるときの水分量でそれを調整できますが、粉石けんの場合はその調整はできません。そこは念頭において使用するべきでしょう。また、粉石けんは界面活性剤が入っていますので、皮脂を分解してしまいます。その点は注意が必要でしょう。むしろカートリッジ式用のシェービングジェルやフォームのほうが有用です。
外国産は高価な分、天然油脂を使用した成分で作られている物が多いです。