平成最後の日記は、書くのが後回しになっておった展覧会でございます。
先週の4月24日、東京都美術館「クリムト展 ウィーンと日本 1900」を観ましたのじゃ。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_klimt.html
クリムトは大好きでして、お供のEは2013年「生誕150年記念 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」を見る為に、宇都宮美術館まで行ったものじゃ。
本展は没後100年記念展で、東京でのクリムト展としては何と約30年ぶりですと。
30年前・・・お供のEもまだ生まれてないぞよ。(ちょっとウソ、ていうか大ウソです)
クリムト作品の他、同時代のウィーンで活動した画家たちの作品や、クリムトが影響を受けた日本の美術品なども合わせ、全部で120点の展示。
クリムトの油彩は27点も展示されておるが、日本では過去最多だそうな。
(本当はもう1点展示予定じゃったが、所蔵館の都合により展示されず)
もちろん油彩以外にも色々ございます。
構成は以下の8章。お気に入りや気になった作品の一部もリスト順に。
(名前の書いてないものは、グスタフ・クリムトの作品)
【Chapter 1. クリムトとその家族】
・《ヘレーネ・クリムトの肖像》1898年 油彩、厚紙
弟エルンストの6歳の娘がモデルで、白いドレスにおかっぱ頭の横顔がたいそう可愛い。
【Chapter 2. 修業時代と劇場装飾】
・フランツ・マッチュ《ソフォクレス『アンティゴネ』上演中のアテネのディオニュソス劇場(ブルク劇場天井画のための下絵)》1886年 油彩、カンヴァス
植物の彫刻めいたゴージャス金色額縁の印象が強すぎて、どんな作品だったか記憶にないという・・・(ごめんなさい~・逃)
・フランツ・マッチュ《女神(ミューズ)とチェスをするレオナルド・ ダ・ヴィンチ》1889年 油彩、カンヴァス
宝石の埋め込まれたチェス台やら凝ったチェスの駒やら動物頭の彫刻が施された椅子やらドレスや装身具やら鳥の文様の背景やらがツボ。
・《フランチェスカ・ダ・リミニとパオロ》1890年頃 油彩、カンヴァス
寄り添う男女が美しいのぅ。金色っぽい空に樹や花、2人の天使。
【Chapter 3. 私生活】
・《ウィーン・フォアアールベルク・クラブの舞踏会の記念品》1895年頃
舞踏会のちっちゃな手帖。カドリーユの曲目に、クリムト自身が書いた名前。
【Chapter 4. ウィーンと日本 1900】
クリムトが目にしたであろう日本の磁器や漆器、クリムトが所蔵していた本と同一の書籍なども展示。
・《17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像》1891年 パステル、厚紙
美しい瞳の凜とした女性。金色の額縁は、梅花の枝などの植物が余白を持って配され、たいそう日本的。
・小原古邨《二匹の金魚》1912年以降 多色摺木版
クリムトは日本美術をコレクションしておったのじゃが、その殆どが失われてしもうたのじゃ。
これは現存する数少ない収集品のひとつで、同じくクリムトが所有していた江戸時代の《鐙》も展示されておりました。
【Chapter 5. ウィーン分離派】
キタキタキター!と思わず叫ぶ、ウィーン分離派コーナー。
この展示室に入ってすぐ、次の2点の油彩が90度で向かい合ってお出迎え。
・《ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)》1899年 油彩、カンヴァス
縦が2.5mほどあるひょろ長い作品。
女性の右手には真実を映す鏡、足元にはヘビが絡みつき、金色の上部には詩人シラーの言葉。
・《ユディト I 》1901年 油彩、カンヴァス
クリムトが油彩で初めて金箔を用いた作品だそうで、金色の装飾が美しく、生首持ったユディトの表情とオーラがハンパない。
・《赤いスケッチブック》1898年
1898年4月から11月にかけて用いられた赤い表紙のスケッチブックで、ちっちゃくてびっくり。
開かれたページにはユディトのスケッチが。
・《ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)》1984年(オリジナルは1901-02年)
ベートーヴェンの交響曲第9番をイメージして描かれた、横幅が約34mもある壁画の原寸大複製。
この複製の為だけに仕切られた空間の3面に展示され、雰囲気もようわかりまする。
複製と言うても、鉛筆、サンギーヌ、パステル、カゼイン絵具、金、銀、漆喰、モルタルなどできっちり作られておるのじゃ。
【Chapter 6. 風景画】
クリムトが風景画を手がけたのは30代半ばからで、ウィーンでは決して描かなかったというのも興味深いのぅ。
・《アッター湖畔のカンマー城III》1909/10年 油彩、カンヴァス
望遠鏡を用いて描かれたそうな。木々の点描もなにやら装飾的。
・《丘の見える庭の風景》1916年頃 油彩、カンヴァス
正方形の画面、手前に花みっしり、奥には緑の木々。
【Chapter 7. 肖像画】
・《オイゲニア・プリマフェージの肖像》1913/14年 油彩、カンヴァス
リアルなお顔と手に、装飾的で華やかな色彩の衣装と背景。
右上の切れ長な目の鳳凰も可愛い。
【Chapter 8. 生命の円環】
・《亡き息子オットー・ツィンマーマンの肖像》1902年 チョーク、紙
生後81日で急死した息子の亡骸をチョークで描いた作品。
愛らしいお顔に胸が締め付けられまする。
・《女の三世代》1905年 油彩、カンヴァス
眠る幼子と幼子を抱く若い母親と後ろでうなだれる老女、三世代の生命の円環。
クリムトと聞いてすぐ思い浮かぶ絵のひとつじゃが、今回が初来日ですと。
連休前の平日で会場は空いておったが、特設ショップは盛況で、美しいグッズ揃いじゃった。
そんな中で目を引いたのが、猫を抱くクリムトのソフビ人形。
手に取ろうとして、お顔のあまりのリアルさに手を引っ込めたという・・・(ごめんよクリムト~)
金のフォトスポットは、職人が金箔を手仕事で貼っており、美しい仕上がりでございます。
会期は7月10日まで。
この翌日には、国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」を観ましたのじゃ。
ブログはまた後日書きまするが、両方観るのがお勧めでございます。
★おまけ画像
今年もカゴメのトマト「凜々子」の苗が当たったぞよ~!
お供のEと母上の名前で1箱ずつ、合わせて8株。
毎年大量に収穫しておるゆえ、今年も楽しみじゃ♪
★おまけ画像:其の弐
さようなら平成~!(平成最後の日ゆえ、正装したぞよ♪)