ウェネトさまの館

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「ルネ・ラリック」(東京都庭園美術館)

2020年02月17日 06時26分08秒 | 展覧会・美術関連

前回の日記の続きでございます。

この日の午前中は、東京都庭園美術館「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美」を観ましたのじゃ。
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/200201-0407_lalique.html
(この日は写真撮影可じゃったが、今後の混み具合によっては不可になる可能性もあるとの事)


 

大好きな庭園美術館で、大好きなラリックの展覧会とあらば、ツボらぬはずはありませぬ。

都内のラリックの展示はたいてい行っておるし、お供のEは箱根ラリック美術館にも何度か行っておりますが、本展は特別ですぞ。
何たって旧朝香宮邸、ラリックらが手がけたアール・デコの館じゃからの、作品と空間の相乗効果も素晴らしいのじゃ。

本展は、北澤美術館所蔵のラリック作品約220点の他、朝香宮家が旧蔵していたラリック作品なども展示。

構成は以下の通り。
平日で来館者が少ないのをよい事に、お写真たくさん撮ったゆえ、ちと長い日記になりまする。
撮影失敗して載せられぬ作品も多いがの。

★本館 第1章:ラリックが生み出した「アール・デコ」のガラス

【第一応接室・小客室:アール・デコのダイナミズム】
第一応接室には立像、この小客室には花瓶やデカンタが展示。


 

【大広間:エレクトリック・エイジ】

・テーブル・センターピース《三羽の孔雀》
ガラスのプレートの厚さは僅か2㎝なれど、この美しい孔雀の立体感。


 

・大型常夜灯《インコ》
「ティアラ型」は、常夜灯や香水瓶など色々ございます。インコ可愛い。


 

【大客室:アール・デコのダイナミズム】
天井のラリックのシャンデリアも素敵なのじゃ。


 

・花瓶《ベルクール》
まるっとスズメの集会かの。


 

・(左)花瓶《つむじ風》/(右)花瓶《ピエールフォン》


 

【大食堂・小食堂:テーブルウェア】
大食堂の天井の、パイナップルとザクロみっしりの照明もラリック。


 

グラス・セット《トウキョウ》などを用いたテーブルセッティング。


 

小食堂。テーブルの上には、マディラ酒用グラス・セット《ひな菊》が。


 

【喫煙室:コティとのコラボレーションと初期香水瓶】
コティ初期の香水瓶が色々あったのじゃが、撮影は失敗してしもうた(涙)

・香水テスターケース《コティの香水》コティ社 ルネ・ラリック製金属プレート付


 

ささ、お次はお2階へまいるぞよ。


 

【2階広間】


 

・花瓶《ナディカ》
ふたりの水の妖精の長い脚が、取っ手になっておるのじゃ。


 

【若宮寝室・合の間:オパルセントとカラー】
若宮寝室。美しいオパルセントガラスの展示。


 

・花瓶《バッカスの巫女》
この写真ではよう分からぬが、光によるオパルセントガラスの変化が美しい~。


 

若宮合の間。秘密基地めいたお気に入り空間。


 

・花瓶《コンゴウインコ》
3点並んだ3色の花瓶。赤は《魚》、黄色は《カメ》じゃった。


 

【若宮居間:知られざる1点制作品、シール・ペルデュ】
金型を使わない、蝋型による手作りの1点モノの展示。


 

・シール・ペルデュ花瓶《雀のフリーズ》


 

【書斎:書斎の名脇役】
めったに入れぬ書庫も入れるぞよ。


 

・電動置時計《昼と夜》
昼を表す男性像と、夜を表す女性像。


 

アンリ・ラパンが手がけた書斎は、いつもは廊下から見るだけじゃが、今回は書庫の扉からも廊下側からも、ずずずい~っと入れまする。


 

書斎の名脇役たち。円形印章、使ってみたいのぅ。


 

【殿下居間】
アンリ・ラパンが手がけた居間じゃ。


 

・(左)花瓶《牧神》カット装飾/(右)花瓶《四人のシレーヌ》カット装飾


 

【殿下寝室:デザイン画】
デザイン画色々。ラリックは、頭に浮かぶ草案を四六時中、紙に書き続けていたそうな。


 

【浴室:妃殿下寝室&居間:アクセサリーと化粧道具】
第一浴室には、円形蓋物《ドガ》が展示。


 

妃殿下寝室には、化粧道具や香水瓶やアクセサリーが。


 

化粧道具いろいろ。


 

ベランダの椅子に座ってひと休み。


 

妃殿下居間。


 

・(左)香水瓶《青春》/(右)香水瓶《サチュロス》
嗅ぎ棒付の香水瓶。右の《サチュロス》は、嗅ぎ棒のサチュロスの長いあごひげで、女性のうなじを撫でるというデザイン。


 

・常夜灯電気式パフューム・バーナー《バラ》
常夜灯を兼ねた電気式香炉。電灯の熱で香りが広がるのでございます。


 

・香水瓶《真夜中》ウォルト社(中)(小)(大)
天球儀型の青いボトルに散らばる星の部分は透明なので、香水がたっぷり入っている時は星は金色に輝き、減ってくると銀色に変化するのじゃ。


 

【北の間:カーマスコット】
北側ベランダには、カーマスコット(当時の車のボンネット先端にあったラジエーターの装飾キャップ)がずらり。


 

・カーマスコット(左)《鷲の頭》/(中央)《大トンボ》/(右)《ハイタカの頭》
左の《鷲の頭》は、特製の金具に電気照明装置を仕込み、フィルターを交換して様々な色に輝かせる事ができるんじゃと。見てみたいものよのぅ。


 

【姫宮寝室】


 

・壁面装飾パネル《鳥と渦巻き》


 

・装飾パネル《魚の噴水》


 

【姫宮居間】


 

・花瓶《バリ》
躍動感あるスズメたち。そういえばバリ島の田園では、スズメと同様に文鳥も群れをなしておった。


 

お次は新館。まずはホワイトキューブのギャラリー1じゃ。

★新館 第2章:特集―パリの香りを運んだラリック
アール・デコと同時代の日本に、パリから渡ってきた作品の紹介。


 

【1925年パリ「アール・デコ博覧会」】

・立像《噴水の女神、メリト》
「アール・デコ博覧会」のメイン会場に建てられた、高さ15メートルもの野外噴水《フランスの水源》の為に制作された女神像。
ポーズと衣装が各段で異なる合計128体のガラス製女神像が飾られたそうで、この「メリト」は、ギリシャ神話の川や泉の妖精だそうな。


 

当時の噴水写真。さぞかし素晴らしい噴水だったじゃろうて。


 

【アール・デコの館 朝香宮邸】
旧朝香宮邸の本館が誕生したのは、朝香宮ご夫妻がパリで「アール・デコ博覧会」をご覧になって感銘を受け、アンリ・ラパンに主要な部屋の内覧設計を任せたからなのじゃ。

・デザイン画《朝香宮邸正面玄関扉》
この本館の正面玄関ガラスレリーフのデザイン画。
4種の図案から右端の裸婦像を選ぶも、東京から「裸婦は避けてたもれ」との申し出あり(宮邸の玄関ゆえ当然よのぅ)、但し書きが添えられておるぞよ。


 

こちらがお馴染み正面玄関の実物。ご要望通り着衣の天使なのじゃ。


 

【皇太子裕仁 親王(昭和天皇)のパリ土産、1921(大正10)年】
昭和天皇が皇太子時代に、パリから持ち帰った花瓶《インコ》一対もあり。

【クルマへの情熱】
朝香宮第一王女の夫君は大のクルマ好きで、ラリックのカーマスコットを愛用し、壊れた時の為のスペアも用意されていたそうな。
カーマスコットは、《勝利の女神》と《大トンボ》が展示。

【デルスニス展】
デルスニスは、1922~1931年にかけ、東京・大阪を中心にフランス美術を紹介する展示即売会を開催し、ラリックのガラス作品が本格的に輸入されたのじゃ。
モーリス・マリノとドームのガラスも1点ずつ展示あり。

ギャラリー2では、約13分の映像「ルネ・ラリック~アール・デコの新時代を切り開いた男」が流れておりました。

ショップでは、ラリックのガラスのアクセサリーや食器や香水瓶やオブジェの他、フレグランスも色々あったぞよ。

会期は4月7日まで。お勧めでござります。
今後の混み具合によっては、写真撮影が不可になるやもとの事ゆえ、お写真も撮りたい方はお早めにの。