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京極夏彦著「死ねばいいのに」

2022-09-18 02:15:53 | 本と雑誌



死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美(かしまあさみ)。突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。私は彼女の何を知っていたというのだろう。交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心の昏(くら)がり。極上のベストセラー。〈解説・辻村深月〉


島田荘司著「御手洗パロディ・サイト事件」

2022-06-04 01:19:09 | 本と雑誌

島田荘司著「御手洗パロディ・サイト事件」上下巻読了。2015年5月27日より前に既読してた。


上巻 
司法試験に失敗した女子大生小幡が謎の失踪を遂げる。小幡の友人犬坊里美は石岡に助けを求める。小幡の部屋のフロッピーディスクから、インターネットで展開された御手洗潔の22編のパスティーシュ・ノベルが見つかった。小幡の失踪の背景にパスティーシュ・ノベルがあると判断した石岡は、里美と共に懸命にパスティーシュ・ノベルの解読にあたる。「レオナがエジプトで拾った青い指輪」「校長室の絵から抜け出した少女」「鉄壁のアリバイを持つ不倫殺人」etc.のピースが絡み合い、謎はますます謎を呼んで。1行1字たりとも気を抜けない新感覚ミステリー。
ISBN4-523-26356-6 C0093 \880E

下巻 
依然として行方のつかめない女子大生・小幡の消息。電脳空間に繰り広げられる事件に翻弄される石岡と里美。「甲府の鍵屋社長が開発した新製品が巻き起こす事件」「イングランドの遺跡で服を紫色のペンキで塗られた老人の遺体が発見される」etc.22編の事件は、いったい失踪にかかわっているのか。インターネットを舞台にしつつも、今日的な銀行の貸し渋り、介護福祉といった問題に触れたラストは、熱い涙もいざなう超感覚ミステリー。
ISBN4-523-26357-4 C0093 \880E

印象的フレーズ
「両手が自由になった里美が、口のタオルを自分ではずして、ぎゅっと私に抱きついてきた。私も抱きしめた。時間がないからそのまま離そうとすると、里美がもう一度私にしがみついてきて、唇を、私の唇に強く押しあてた。舌が少し入ってきて、その思いがけないほどに柔らかで、濡れた印象がやってきた。それはすっかり成熟した女性のもので、普段の彼女の様子との落差に、私はびっくりした。唇が離れた時、見ると、里美が泣いていたのが解った。頑張ってはいたが、やはり内心は恐かったのだろう。」