今の日本は、国会議員をはじめ、都道府県議会議員、都道府県知事、市町村長、市町村議会議員はすべて、国民の選挙によって撰ばれることになっています。つまり、選挙は国民が政治に参加するたいせつな機会なのです。ここでは、衆議院議院選挙の投票所のようすを見ながら、たいせつな選挙がどのようにおこなわれるかを考えてみましょう。
まず、投票日は一日だけで、投票時間は午前七時から午後八時までときめられています。(投票日にどうしてもつごうのわるい人は、前もって投票できるようになっています。これを「不在者投票」といいます。)そして、投票所としては、小学校の体育館など、公共の施設が使われます。
さて、投票日です。この日は午前七時に投票所があけられ、係の人の合図とともに投票する人々が入ってきます。この人々は、つぎのような順序で投票します。
・まず、それぞれの人のところへ届けられた「入場整理券」のはがきを持って、上の絵の①のところへ行きます。ここでは、「名簿対照係」の人が、「選挙人名簿」でその人の名前をさがし、本人であることをたしかめます。「選挙人名簿」というのは、満二〇才以上で、その地域に一定期間住んでいる人を書き出したものです。この名簿に名前がのっていなければ投票できません。
・「選挙人名簿」と対照して、まちがいのないことがわかると、つぎに上の②の人のところで、衆議院議員の投票用紙と最高裁判所裁判官の国民審査の用紙をもらいます。(最高裁判所の裁判官は、その人が裁判官になってからのはじめての衆議院議院選挙のときと、その後も一〇年ごとに、国民から、信任できるかどうかの審査をうけることになっています。)
・つぎに、もらった投票用紙を持って③のところへ行き、衆議院議員に選挙したい人の名前を書き、最高裁判所の裁判官として信任できない人に「×」をつけます。ここは「記載台」とよばれ、前には、立候補者の名前を書いた紙がはられています。そして、投票する人は、だれの名前を書いたかわからないようになっています。
・最後に、④の投票箱のところへ行って、書き終えた用紙を入れます。投票箱には、げんじゅうにかぎがかけられています。
このように投票所のようすを見ても、選挙というのは、まちがいのないように、投票の秘密がきちんと守られるように、念には念を入れて進められていることがよくわかります。
選挙というのは、それほどたいせつなことなのです。
(光文書院)
2013/11/17(日) 午後 4:08