Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

うつを文学的に解きほぐす 三浦朱門 (青萠堂)

2017-11-07 09:05:42 | 日記
著者が交友があったと言う北杜夫や遠藤周作がうつ病であった事はよく知られています。著者のパートナーである曽野綾子も鬱に陥った事があり医者でもないのにこの本を書こうと思ったと言っています。環境との摩擦があっても他人やその環境に誠実に生きようと考える種類の人が陥る袋小路が”うつ”と言う。ですから様々な挫折や不満があっても悪いのは自分じゃないと思える人はうつにはならないそうです。私も退院し日常生活に戻った時、神経が研ぎ澄まされ他人の考えている事や行動の裏側が見えて嫌になり”欝”になった。しかし著者はうつは”知性の影”だと…何故なら自己と向かい合って現実を分析して因果関係を考える、易しく言えばどうしてしてこうなったのか原因を追究してしまう。そんな事をしないで”成るようになるさ”と軽く受け流す技があれば…と言うことになるのでしょう。外界の愚かしさと自分の”賢明さ”を対比させる事で己のうつを開放する事もできる…と。ですから”誠実な人ほどうつになりやすい”とも三浦朱門は言っていますぞォ。こだわりを捨ててちゃらんぽらんと生きていけたらなあ。曽野綾子のうつは海外旅行へ行って環境を変えた事で治ったそうです。ふん、ふん、なるほど、解る。