お好み夜話-Ver2

悪夢の現場

むかしお台場の船の科学館で「外洋クルーズシアター」みたいな名前だったと思うけど、そのシアターの椅子や音響の仕事をしたことがある。

小僧がまだ小さい頃だったから、お客さんとして入館してオヤジの仕事の成果を見せたこともあった。

今その船の科学館は休館しているので中には入れない、ゆりかもめから外観を眺めて郷愁にかられるだけだ。





当時の担当者だからと電話で呼び出されたのは真夜中、もう20年以上も前のことだし、シアターのシステムやら何やらももう忘れているし、今じゃただのお好み屋のオヤジだからと断ったのだが、どうしてもとたのまれ仕方なく現場に向かったのだ。

だが所詮口八丁の営業に過ぎなかったから自分では専門的な工事などできるわけもなく、真夜中にもかかわらず「コジコジ師匠」を頭とする昔の仲間を拝み倒して同行してもらった。

ひと気のない船の科学館は不気味で、ドライバーを落としただけで飛び上がるほどの音が響き渡り、今さらナゼこんなところを直そうとするのかまるで腑に落ちない。

だが「コジコジ師匠」以下数人の仲間は勝手知ったる現場のごとくキビキビと動きまわり、つられてこのオヤジも鉄骨を担いだりカッターナイフでダンボールを切ったりしていた。

しばらくして入り口がざわめきだしたので振り返ると、なぜか高校の同級生が手を振りシアター内に入ってくるではないか😳その数数十人⁉ なに❓同窓会❓ここで❓真夜中に❓❓

だが連中がニコニコして椅子に腰を下ろしてこちらの作業を見ていると、違和感がなくなり 、まあとっとと仕事を終わらして参加するかなどと思ってしまう。


作業は大詰めにきて、鉄骨を切断したり溶接したりするため仲間は外に出て行った。

するとそれと入れ違いにシアターに入って来たのは、なんと「小池百合子」東京都知事😳😳😳

みんな拍手で迎え、唖然とするオヤジに黙礼して都知事は椅子に座った。

誰かがスクリーン前のステージに上がりマイクを手に何事かを言うと、都知事が立ち上がりにこやかに挨拶をした。

そしてその手のマイクを次々に手渡し、一人づつ立ち上がって挨拶をしていき、最後にステージ上のオヤジにマイクが回ってきた。


いったいこの状況で作業着を着ているオヤジが何を言えばいいのか、と思ったら口が勝手に開き挨拶をして、来年モグランポも20年を迎えるなどとトンチンカンなことを口走っていた。

何となく場が和んで歓談に花が咲いていると、表から鉄骨を切断する甲高い音が響き渡り、火花が飛び散るのが見えた。

こりゃ真夜中に派手にやり過ぎだと慌てて表に出ると、まさにサイレンを鳴らしパトランプを煌めかせた警察車両が数台やって来た。

ああヤバイことになっちゃうなぁ・・・、思いながら刃を出したカッターナイフに気づいてポケットにしまい、車からおりた制服警官を迎えた。

警察官はパラパラっと散会し建物を包囲すると、その中で一番偉そうな制服がオヤジの背中を押し耳打ちした。

「ちょっと伺いたいことがありますのでこちらへ」

と、建物の裏手の人目に触れない場所に連れ込まれた。

女性警官も含めた5、6人の警官に囲まれ、これまでの経緯を聞かれ、シアター内に「小池百合子」都知事がいるかどうかを詰問された。

なんだ、なんだ、なんだ😠ワシが何をしたというのだ‼都知事を嵌めろとでもいうのか⁉

けたたましい笑い声が頭上からおこり、一同振り仰ぐと窓から乗り出すようにして都知事が哄笑しているではないか。

だが、その顔を見てさらに絶句した‼‼😳

「小池百合子」都知事と思われたのは、な、なんと蟒蛇の女王様「チエさん」ではないか😳⁉😳⁉😳⁉


悪夢じゃ~






飛び起きたものの目は腫れて気分がもの凄く悪い。

「チエさん」のせいでは全くないし、ましてや「小池百合子」都知事のせいでもありえない。

お台場と豊洲が近いというだけで、なぜ船の科学館なのか、「笹川良一」の怨念か、はたまたフロイト博士の言うところのすべては性的妄想なのか❓❓❓

それにしても色付きの夢だし、細部まで明確に覚えてるってことは心は休めていないんだよなぁ。

ヤダなぁ、みんなに会って挨拶なんかしちゃって、あの世へ行っちまうみたいじゃないか。

スッキリしないなぁ・・・

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