お好み夜話-Ver2

ビオゴジがやって来た


ワタシがウルトラなオヤジになったのは、「コジコジ師匠」のせいである。

お勤め人時代に、すでに彼は立派なコレクターで、それまでワタシの内にくすぶっていたオタク心に、パッと火を付け燃え上がらせたのだ。
「コジコジ師匠」とともに営業に出かければ、寸暇を惜しんでホビーショップや映画館を周り、コレクションと情報の収集に勤め、一年も経たずしてワタシの頭の中は、怪獣とウルトラなフィギュアと、映画のチラシやポスターで占拠されてしまった。
しかしワタシは、それらを箱や袋にに入れたまま値が上がるのを楽しむ趣味にはなれず、寝る間も惜しんでバリを取り、ヤスリをかけ、下地を作って塗装をするという作業に明け暮れた。

そのおかげで狭い我が家には、尻尾やトゲやハサミのある怪しげな連中が所狭しと立ち並び、夜な夜な声無き雄叫びをあげることとなったのである。

その有様にかあちゃんは愛想を尽かし、ほとんどビョーキと放置された。

ド老眼になるまでその状態は続き、最近やっとその呪縛からのがれたと思っていた矢先に、なんとプレミア付きの「ビオゴジ」だ。

まったく罪作りな「コジコジ師匠」だ。
ご存知ない方のために申し上げると、「ビオゴジ」というのは、対「ビオランテ」戦に登場した「ゴジラ」スーツのことである。
ゴジラの着ぐるみは、それぞれ映画によって外見が異なっているのだが、平成ゴジラシリーズの中でもとりわけファンの多いのが、この「ビオゴジ」。

その秀抜な造形を、高さ1メートル、尻尾の先まで入れると2メートルにもなろうという超ビッグなモデルにした、原型師「酒井裕二」の職人技に感動モノだ。
こんなすごいものを手放すなんて、「コジコジ師匠」よほど美人の奥さんに怒られたのだろう
オヤジにしたって、かあちゃんに怒られること必至である。
さてどうしよう「ビオゴジ」… 尻尾だけでもとりあえず飾っておくか…


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