お好み夜話-Ver2

一生お酒が飲めなくなるということ

お盆時期には、久しぶりの方々が来てくださることがよくある。

昨夜は1年ぶりに、「マヤさん」親子がいらっしゃった。

いつも豪快で元気な「マヤさん」が痩せてやつれていたので驚いたが、1年前に入院して、それからずっと治療を続けていたのだと笑いながら教えてくれた。

肝硬変でとつぜん顔や身体がむくみだし、パンパンになって立っていられないほどで救急車のお世話になり、そのまま入院したのだそうな。

入院してからも身体は腹水で膨張し続け、目も開けられないほどで、死を覚悟したという。

アルコール性の肝臓障害・・・・  とてもヒトゴトとは思えない。


全盛期の「マヤさん」はスリムなのに腹筋が6パックに割れ、溌剌としてそりゃぁもういい女だった。

飲んでも飲んでもちっとも酔っ払わず、そんじょそこらの男など太刀打ち出来ない女丈夫だった。

ある時「マヤさん」に聞いてみた。

ビール好きな彼女が、いったいどれほどビールを飲むのかと。

すると、大瓶1ケース、樽なら1樽空けてしまうということなので、さすがにオヤジも尻尾をまかざるを得ない。

「マヤさん」曰く、ビール好きを自称するなら、1杯目は一息に、2杯目は2口で、3杯目からは3口でジョッキを空にしなければダメだとのこと。

そのへんはどうだろう、ね、師匠、「ホリちゃん」、「シゲちゃん」よ。

女子ではかつての龍柄の蟒蛇、日本前出る党の「Cちゃん」ぐらいしかビールの後もビールという女性を知らない。

しかし「Cちゃん」はベロベロな姿を何度も目撃しているから、真のビール飲みではないかもしれない。


そんな「マヤさん」が、お酒を1滴も飲まなくなって1年。

手足は痛々しいほど細く、食も細くなったという。

マンションをいくつも買えるほどの金を使い、もう一生分の酒は飲んだから悔いはないという。

死なずに生きられたのはなにか意味があるのではと、自問自答しているそうだ。


オヤジはショックだった。

5年前に自分が死にそうになったのに、体重を落として走るようになってから体調はよくなり、最近また酒量が増えてきている。

そろそろひかえなくてはと、考えていた矢先の「マヤさん」の話だ。

死に急ぐことはないし、一生お酒と付き合っていくためには、上手な飲み方を学ばなければならない。

「マヤさん」の話は教訓だ。

調子コキそうになったときの戒めだ。

最後に「マヤさん」が言った。

「もうこれでいい、と思ったときには飲む」

と。

そう覚悟したときには、僭越ながらオヤジもお付き合いさせていただきたいと思う。

だがそれは、まだずっと先であることを願う。

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