おそらく25、6年前に発砲スチロールと粘土で作った高さ25、6センチほどの人形と、奥行き10㎝の店の窓にディスプレーしていた冬のジオラマ。
すっかり汚れてしまったのでリフォームして直そうと思ったのだが、てめえの体を先ずリフォームしなきゃならなくなっちまって、ビニール袋に入れて棚の上に置いたままずいぶん経ってしまった。
それなのにそのあいだ怪獣やウルトラマンのジオラマなんぞを作ってお茶を濁していて、我が子ともいっていいモグランポのことは後回しにしていたのだ。
平成9年生まれだからもう27歳になるというのに、目玉は一つ取れたまま、ヒゲは全部外され、ずっとバンダナを被せていた頭だけあんまり汚れていない。
新たに作ろうと卵型の発泡スチロールは用意したものの、まったく取りかかれずにもう何年放置していたのだ・・・。
嗚呼、と気づいて袋から出したのが5月9日。
そして本日、5月10日。
今年も何もできずに、この日が過ぎてしまう。
コロナ禍からもう3年も店を再開できずにいる。
体はなんとか動けるようになり、解体も終わり、内装の打ち合わせも進んではいるものの、肝心なことが何ひとつ解決せずに棚上げになっている現状。
弟の死や体の不安でガラでもない厭世観に苛まれ、両腕の青アザはちっとも消えずに血を流しているわ、シャントを閉鎖した左手が陽気が冷えたせいか攣りまくってスマホを落とすわ、すぐに息が上がってちっとも走れないわで、まあ精神状態は最悪だよなぁ。
こういうときはガラにもなく甘いものが食べたくなったりして、ヒョイとみたらし団子を買ってしまった。
で、お茶がわりにビールだ。
なんだよなぁ、だんご食いながらビールって・・・??
デジャビュのようにふと思い出したのは「男はつらいよ 第37話 幸福の青い鳥」で、
恋人を探す「長渕剛」‼️が柴又の「とらや」に所在無げに入ってきてだんごとビールを注文するシーン。
このときたまたま店番をしていた「寅さん」が様子がおかしいことに気づき、「失恋したのか?」なんて図星のことを言い当てビールを注いでやる。
虚をつかれた「長渕」に「寅さん」、
「幸せな男が、だんごとビール一緒に食うかい」
なんて秀抜なセリフを宣うのだ。
嗚呼、哲学、お見通しだね「寅さん」m(__)m
今どきのスイーツ男子はいざ知らず、昭和の痛めつけられたポンコツオヤジにはグッときちゃうセリフなのだ。
無意識に「長渕」と同じことをやってしまった。
まあでも誰かに振られたわけじゃなし(なんと長渕の恋人役が現夫人・志保美悦子‼️)、不幸だなんてちっとも思っていないが・・・。
とっとと連休が終わって、泣きそうになりながら見積金額を見直しため息をつき、次回の内装打ち合わせも決まった。
だんごとビールじゃちっともしまらず、焼酎かウイスキーを飲み直してしまうかもしれん。
そうしてモグランポ開店27年目が過ぎてゆく。
追伸 ありがとね「投げちゃん」( ; _ ; )/~~~