仙台のお坊ちゃま
の話しを書いたら、思ったとおりあの調子コキな男はニヤニヤしながら見てくれて、その晩店に電話をくれた。
受話器を2メートルほど耳から離しても聞こえるほどの大声で、相変わらずのハイテンション。
どうやら本業も忙しいらしく、仙台の街はだいぶ元の活況を取り戻しつつあるようだ。
しかし、海沿いは未だに惨状に手をつけることもままならず、復旧にはほど遠いということだ。
調子コキなハイテンションを装ってはいるけれど、目の前が真っ暗になるような体験をした者のツラさが読み取れる。
オヤジにできることといえば、あのチョキチョキの男が手こずるほど長く髪の毛を伸ばすことと、ささやかな消費活動ぐらいだ。
「アナタの“いっぱい”が東北を元気にする」キャンペーンを、4月いっぱいでとりあえず一段落しようと思っていた。
なぜかというと、知名度の高い大きな酒蔵のお酒は手に入るが、小さな蔵のお酒はほんとうに手に入り難くなってしまったからだ。
それに、お酒の一大消費地である東京で、多くの人が同じように行動したために、酒屋さんのお酒が品薄になってしまい、さらに悪いことに、東北以外のお酒が売れなくなってしまうという、三次被害、四次被害が起こりだしたということもある。
岩手の「南部美人」と福島の「奥の松」は問題なく入荷できるので残すが、宮城の酒がどうにも手に入らない。
「一ノ蔵」や「浦霞」という名の通った酒ならば、わざわざモグランポのような店でやることもないので、どうしようかと悩んでいたところ、宮城の地酒を多く扱っている酒屋さんを偶然見つけて考えが変わった。
定番化することは難しいかもしれないが、定期的に銘柄を変えながら、引き続きキャンペーンを続けることにした。
そこで本日の1本は、
「日高見 震災復興酒 希望の光」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/4a/a228c0aeffdec829f14077f39a9c13aa.jpg)
以前「本醸造 初しぼり 生酒」というのを仕入れて味見したが、本醸造なのに吟醸酒のようなフルーティで爽やかなのどごしが美味く、一口で「日高見」というお酒を好きになってしまった。
その「日高見」の「平孝酒造」は、大地震のあと津波でふくらはぎまで冠水、機械設備や冷蔵貯蔵庫が壊れ、貯蔵酒が被害にあったが、諦めていたもろみが生き残り、それを使用して生まれたのが「日高見 震災復興酒 希望の光」だ。
このお酒の売上の一部は、義損金として地元石巻に献金されるそうだ。
味わってみて美味しいからといって、ふたたび入荷できるかどうかは微妙で、来年には幻のお酒となっている可能性が高い。
今のうちです。
どうぞお早めにお飲みください。
この「日高見 震災復興酒 希望の光」が空になった後は、「寒梅酒造」の特別純米酒「宮寒梅」、さらに、「墨廼江酒造」の特別純米酒「墨廼江」と続きます。
どうだい「バーバーくん」、地元で手に入ったら飲んでみてごらん。
それから、地元以外の銘柄で飲みたいお酒があったら送るから、「芋 送」でも「泡 欲」でも、「ウ 飲」でもいいから、メールしてください。
絶対負けるな 調子コキ !!