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お好み夜話-Ver2

初めてマグロを食べた女

20081025日のブログ記事「六本木 串揚げ 味の屋」にこう書いた。

 

 

 

かあちゃんは高校を卒業してすぐに、熊本県の東京職員寮「くまもとかいかん」に勤めた。

 

この場所が、今や飛ぶ鳥とお上りさんを撃ち落とす一等地、「六本木ヒルズ」と「メイウシヤマ」の「ハリウッド化粧品」の隣にある。

 

しかし、田舎者まるだしのかあちゃんは、この六本木の街でひと際浮いていた。

 

たまたまバイト先のオーナーが九州の人だったので、かあちゃんは犬っころみたいに「ちび、ちび」と呼ばれ可愛がられていた。

 

映画「三丁目の夕日」の「堀北真希」ちゃんよりも数百倍田舎者丸出しのおぼこ娘だったかあちゃんは、

 

「どうぞ騙してください」

 

といわんばかりの田舎者だった。

 

で、オヤジが騙した

 

 

 

 

ち、ち、ち、ち、違います って !!

 

千住の田舎者と、熊本の田舎者をくっつける、大人の陰謀があったんですって。

 

でも、その話はまたいつか・・・』

 

 

 

この頃の文章ってノリノリな感じだったよなぁ🙄

 

ちょっと補足すると、

 

時はディスコ全盛期で毎晩六本木交差点から「スクエア」ビルへ祭りか巡礼のように着飾った若者たちが練り歩き、芸能人が普通に街を闊歩していて、オヤジのバイト先のお好み焼き屋にも「井上陽水」「西川のりお」「立木義弘」「世良公則」等々錚々たる有名人が来店していて、その方々にお好み焼きを焼いたものだ。

 

 

 

 

そんな東京にかあちゃんが初めて来たのは高校の修学旅行のとき、本郷三丁目の前の路地を入ったところの旅館に泊まったそうな。

 

そこで夕食に出たのがマグロの刺身。

 

その赤身を前にしばらくかあちゃんは箸をつけずにしげしげと見つめ、

 

「何でこんなに赤いんだっ⁉️

 

て驚いたそうな。

 

なぜなら、田舎(天草)にいる時は白身魚しか食べたことがなかく、見たこともなかったからで、外食なんてしたことがなかったというのだ。

 

しかし、生まれて初めて食べたマグロはびっくりするほど美味かったという。

 

それですっかりマグロ好きになった田舎娘は花の東京に憧れて、とうとう東京に出てきてしまったというわけだ。

 

 

 

 

 

 

そんな田舎娘を大都会東京の堕落した美味いもの漬けにしたのは誰であろう??

 

田舎から来た生娘をシャブ漬けにするという某牛丼屋の戦術はすでに40数年前に実現していて、風邪をこじらせてすっかり弱ったかあちゃんに「何が食べたい?」と聞いたら、「野家の牛丼」と弱々しく答えたのだ。

 

そして若き純情なオヤジは六本木の交差点の近くにあった薬局で顔を真っ赤にして生理用品を買い、続いて「野家」の牛丼をテイクアウトしてかあちゃんに食べさせたのであった。


 

 

マグロと牛丼を見るとそのことを思い出してしまう、ポンコツオヤジなのであった。


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