凛九(女性9人の伝統工芸グループ)の活動をするようになって、ありがたいことにこんな私でも取材をしていただく機会ができました。
客観的に見ていただけるので、質問を受けることで自分でも新たな発見があるのが面白いなと思っています。
中でも〝色と模様〟に関して、いまは自分でもこれらが特徴ですと言ったりしていますが、取材時に「特徴的ですね」と言ってもらうまでそんな風に考えたこともありませんでした。
それどころか自分らしさって何だろうとちょうど悩んでいた時期だったので、そのひとことはまるで隕石のごとく激しい衝撃を私に与えました。
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「色のイメージは何からきているんですか?」という質問もよくいただきます。
基本的には植物とか星といったデザインの元となっているモチーフに合わせて考えますが、モチーフがない場合の色合わせは絵画やテキスタイルの本を眺めながら決めたりしています。
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この時に意識していることがひとつだけあって、それは黒に合わせた時にきれいに見えるかどうかという点です。
現在では意識して積極的に色を使うようにしています。
より特徴づけていきたいのもありますし、もともとカラフルなものが好きだからというのも理由です。
とはいえ漆の最大の特徴はやはり〝漆黒〟という言葉にもあるように〝黒〟だと思っています。
漆の黒は透明感がありながら深みがあって最高に美しいです。
この黒と共存するための〝色〟であるべきだと考えています。
黒が主役になってもいいし、脇役になってもいい。
ただ意味のないものにはしたくない。
そう思っています。
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黒に関しては元々影絵や切り絵など、黒の美しい作品が好きでした。
光も影もどちらも何ものにも代え難い魅力があるように感じます。
もちろん私の作品にも黒の無いものや色の無いものもありますが、基本的には「黒があるから色が活きるし、色があるから黒が活きる」という考えでいます。
先日、取材時に香りの話にもなりました。
「作業の息抜きに何をしていますか?」という質問です。
私は香りのあるものが好きなので、アロマオイルを垂らしたり、お香を焚いたり、集めているいい香りのボディークリームを気分に合わせて塗ることで癒されていますとお話しました。
そうしたら「香りを色で表現しないのですか?」と返ってきて、これまた目から鱗が落ちたような思いでした。
「それ、やります!」と即答したのは言うまでもありません。
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好きなもの、興味のあるものを作品に昇華させたくて、サブカルチャーの世界を漆でも表現できないか考え始めました。
同じように香りだって漆と掛け合わせられるんだということに気付けたことはとても大きな収穫です。
漆の可能性も私の中でさらに広がりました。
好きを合体させていくことはとてもわくわくします。
取材に限らず人との会話で得る気づきはたくさんあります。
友人、知人、仲間、家族、
中には違うよと反発したくなる時もありますが、それも含めて発見に繋がっているのです。
だからこそ自分に向けて発してくれた言葉や想いは大事にしたいなと、ふとそんなことを思った年の瀬でした。
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