その他にもマーケットプレイス間の互換性の問題や、NFTの画像データ管理問題などもあります。
ブロックチェーン上にサイズの大きなデータを保存しようとすると先程も出てきたガス代が高くつきます。
そのことからブロックチェーンの外のストレージサービスにデータは保存して、そのデータのURLのみをブロックチェーン上に記録するということが行われています。
つまりこの外のストレージサービスに問題が起きた際に、データにアクセスできないという事態が起こりうるのです。
NFTを購入した場合、そのデータ管理がどうなっているのかなども知っておく必要がありそうです。
最後は法律的な問題です。
これだけ普及しているインターネットでさえ、いまだ法律がはっきりしていない部分があります。
NFTは出来たばかり。
ルールの構築はこれからです。
特にIP(知的財産)を扱うことが多いので、著作権の問題などは大きく絡んでくることが考えられます。
NFTアートの場合でいうと、著作権はフィジカルアートと同じくアーティストにあります。
ですので購入者であっても、例えば作品を使ってグッズを作り販売することはできません。
また、購入者が取得するものはフィジカルのように〝所有権〟ではなく、ライセンスや契約による〝権利〟になります。
つまり作品へのアクセスも、フィジカルの場合は購入者に限りますが、NFTアートの場合はあえて限定しない限り、アクセス自体はオープンな状態にあります。
所有権がないので、オーナーが独占することはできないのです。
このように少しずつ法律が整備されているとはいえ、まだまだ不透明な部分もたくさんあります。
流通が増えるにつれ、問題も次々に発生することでしょう。
NFT作品を販売した際、その後の扱いがどうなるのか、こんなはずじゃなかった…とならないように考える必要がありそうです。
NFTが抱える課題。
いかがだったでしょうか?
NFTについてのまとめブログは今回で終わりです。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
いろいろと読んでいて感じたのは、世界が大きく動こうとしているということです。
そして人間の〝所有〟に対する価値観が変わりつつあるということ。
これは工芸界にとっても他人事ではいられない事態なのではないかと感じました。
工芸品には、生活に豊かさを与えるものとしての役割が少なからずあります。
そしてその豊かさの中には〝所有〟に対する満足感もあったりするのです。
実際に手に取り、使い、所有することがその人の生活や心の豊かさに繋がっている。
リアルの世界がなくなるわけではないので、そういった意味では生活は変わらないのかもしれません。
ですがバーチャル世界の生活にも、同じ様な豊かさを求める時代が来るかもしれないのです。
そうなった時に「デジタルは別物なんで関係ありません」と言うより、「デジタルでも工芸って楽しめるんですよ!」と率先して言えるようになっていたらきっと楽しい。
この変化の時を生きていることを喜べたら、きっと自分自身も豊かになっていくのではないか、そんな風に思いました。
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参考文献
・美術手帖12 「NFTアート」ってなんなんだ?!
・NFTの教科書 天羽健介/増田雅史
・中田敦彦のYouTube大学 【NFTとメタバース①②】