MU(ムー)のブログさんから転載です。
最後のサムライ・小野田少尉
長期に渡る不遇と臥薪嘗胆の中を耐える
あなたは、小野田寛郎氏を覚えているだろうか。「最後の日本兵」と言われ、軍人の鏡と
言われた人物である。彼は30年もフィリピンのジャングルの中でサバイバル生活を続け
てきた、まさに想像を絶する精神力の持ち主であった。
圧倒的な物量で日本軍を叩きつぶすアメリカ軍の猛攻の中をルバング島で生き残り、
ジャングルの中でサバイバルを貫徹した。彼は日本軍が敗れたことは知っていたが、
戦争に送り込まれる前に兵士のひとりとして、このように言われていた。
「この戦争は百年続き、日本が敗戦して占領されてもなおも戦争は遂行されるので、
お前は絶対に玉砕してはならず、反撃の機会を待って生き延びなければならない」
だから、1945年に日本が敗戦しても、彼はジャングルの中でアメリカ軍の掃討やフィリ
ピン軍の掃討をくぐり抜け、投降せず、日本を最後まで守り抜く一兵士として戦い抜いた。
30年、彼は戦った。
小野田寛郎氏は兵隊になる前は一介の商売人に過ぎなかった。
しかし、激戦地帯だったフィリピンに送り込まれ、ルバング島で部隊の4分の3が死に
絶える中を生き延びた。 さらに投降せずにジャングルの奥に潜んで、次々と送り込まれる
掃討兵を、ひとり、そしてひとりと確実に息の根を止め、日本の敗戦後も日本軍の反撃
を待って雨と泥の中を生きた。ジャングルで生存闘争を30年続ける。
自らの母体だった日本軍の援助もなく、救援も来ない、明日を生き残れる保証もない。
何もない中で、生き続けるというのは、もちろん「生き残る決意をする」「絶対に希望を
失わない」「自分を律する」という3つがなければならなかった。
これほどまでに自分を律することができた人はいない。だから、小野田寛郎氏は普通では
なく、今でも彼を熱く思う人たちもいる。この恐るべき精神力を持った人はすでに過去の
人物だと多くの人は思い、記憶から消え去ろうとしている。
しかし、むしろこの人を思い出さなければならないのは、本当はこれからなのかもしれない。
天候不順から経済不況まで、人々の生活を破壊するような事態が起き続けている。
そんな現状の中で、不意に現代文明の生活が立ちゆかなくなった瞬間、私たちは
長期に渡るサバイバルを強いられる。 災害というものは予測できないものだ。
いつ、どこで、何がどのような形で襲いかかって来るのか分からないのである。
予測がついても被害が避けられず、突発的な大災害ともなれば絶望的な被害が生じる。
これだけ大規模災害があちこちで起きているのだから、災害大国に住む日本人なら、
誰もが生涯の中で信じられない災害に巻き込まれる確率が高い。
いったい、どうすればいいのか。泥の中で生き延びる。絶望の中で自分を律する。
変化に対応し、希望を失わず、長期に渡る不遇と臥薪嘗胆の中を耐える。
そんなとき、「生き残る決意をする」「絶対に希望を失わない」「自分を律する」
の3つを兼ね備えていた小野田寛郎氏の存在は、輝くことになるのだろう。
※ 黄字の部分が戦後の日本を予言しているように感じます。
「小野田寛郎の名言」
◎ 世の中には出来そうにないことでも、やらなければならないことがあるし、できること
でもやってはいけないことがある。この判断基準こそがその人の価値を決める。
◎ 豊かさは自分の心で感じるもの。不便さは何とでもなる。
最後は自分の五体で何とかなる。
◎ やってしまったことは「しかたがない」。これからどうするかだ。
くよくよ負け犬になってしまう。負け犬は遠くから吠えるだけで向かってこない。
◎ 計画どおりにいかないことは沢山あるが、思い通りにはいくものだ。
不満などどうってことはない。自分の満足度を少し変えればよいのだから。
◎ 過去は捨てることはできない。現在は止めることができない。
しかし、未来は決めることができる。
◎ 自分では「どうすることもできない」と思っていることでも、本当は
「どうにかしよう」としていないだけではないか。
◎ 戦いは相手次第。生き様は自分次第。
◎ 親の顔が見たいと思う時はまだ救われる。親の顔を見たくなくなったらおしまい。
親を見れば子が分かる。子を見れば親が分かる。親子は鏡。
◎ 日本に帰還した時、やたらと「権利と義務」という言葉が目についた。
私が少年の頃は「まず義務を果たすこと」を教えられた。
権利は義務を果たせば自ずと与えられるもの。
◎ 生きることは夢や希望や目的を持つこと。それらは教えられたり強制されたりしても、
湧くものではない。自分で創り出すしかない。甘えてはいけません。
◎ 強い人ほど優しい。強い人は余力があり、弱い人を助けたくなる。
誰でも「他人のために働きたい」とは思っている。それには強くならなければ。
◎ よく「何でそんなに頑張ったのか」と聞かれるが、頑張ったのではなく、頑張らざる
を得なかったのだ。皆がやっていることを、自分だけくじけたら笑われるから。
※ あなたにとって、お気に入りの名言はあるでしょうか。
転載以上
敗戦後日本人が失った「心」が、垣間見えるような・・・