2010年に発表された論文によると、思春期における親や同級生からの社会的支援の弱さは、ストレスを介して抑うつ症状を強めるという。
また、社会的支援の弱さは対人関係への依存を引き起こし、対人関係への依存はその後の社会的支援を弱める傾向にあったという。
だが、親や同級生からの社会的支援の強さや親密度は抑うつ症状と関係がなく、社会的支援の強さはストレスと抑うつ症状の相関に介入しなかった。
このことから「周囲からどれだけ愛されているか」ではなく「周囲からどれだけ拒絶されているか」が思春期における抑うつ症状の重要なファクターではないかと推測された。自尊心がより不安定になり、被害者意識が加速しやすい思春期だからこそ、この傾向が強く表れるのではという推測も立った。
思春期の対人関係では「盃を交わした友」よりかは「放屁しても笑って許してくれる教室」の方が望まれるのかもしれない。もちろん、どちらもあるに越したことはないが。
ーーーまた、今回の研究では同級生からの支援がない状態が非常に強いストレスを引き起こす、ともある。
こういった状態は主に学校内でいじめという形で現れるが、
ごくまれに「崇高な理由を掲げ自主的に学校との関係を断つ」こともあるのだそう。
その崇高な理由をいつまで掲げられるかは、少し気になるところである。
参考文献
Randy Patrick Auerbach, Joseph S. Bigda-Peyton et al. (2010) Conceptualizing the Prospective Relationship Between Social Support, Stress, and Depressive Symptoms Among Adolescents.