2011年に発表された論文によると、特定の白昼夢と幸福感にはある程度の相関がみられたとのこと。
白昼夢とは一般に非現実的な出来事を空想すること、またはその空想を指す。俗的に言えば、妄想だな。
で、その妄想の中でも『親しい人(との関係)を想像する』妄想や、もっと広範囲な『社会に役に立つことを想像する』妄想は幸福感や満足度と相関があったそう。
逆に、『親しくない人(との関係)を想像する』妄想は孤独感をひきおこしたと。
こうなる原因は、人間の幸福を決定づける大きな要素に『社会貢献』があるからだろう。
「アナタのためを思って!」なんて妄言を吐くぐらいには、人間は社会貢献という快感に酔いやすい生物だ。もしくは、親しい人にご飯を奢るだけでも快感を得られるぐらいには、人間は社会に向いている生物だ。
親しい人や社会への貢献を想像しただけで快感を得るのは、訳無いのだろうか。
が、これがすべてではない。
白昼夢という、非現実的な出来事を思い起こせるだけの意思が絡むこの現象は、幸福感や満足感と非常に複雑な関係にある。
意思や認知の仕様が千差万別なら、思い描く白昼夢もこれまた多種多様。
性格特性、白昼夢の方向性など、決定づける変数はいくらでもある。
今回はあくまでも『親しい人(との関係)を想像する』ことへの考察だけだ。万事には通用しない、事実とも言い難い。
真の意味で「白昼夢をすることで幸福感を得られる」とはまだ言えないし、おそらくいえる日はこないだろう。それぐらい複雑なのだ。
参考文献
Raymond A.Mar et al (2011) How daydreaming relates to life satisfaction, loneliness, and social support: The importance of gender and daydream content
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます