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2014年に発表された論文は、親から与えられた虐待やネグレクトが子供の現在と未来に大きく影響することを再確認する内容となっている。
前提として、人間は長期的かつ慢性的なストレスに弱く(というよりかは、そもそも想定していないものだ)、それらを真に受けたばあい免疫機能をはじめとしたありとあらゆる機能に障害が発生する。
もちろんこれは、日々虐待を受けている子供にも言える。彼らと違法企業に勤める成人のそれの違いは、助けを求められる確率がわずかにでも残っているか、残っていないかだ。
自分の意志で受話器を扱うこともままならない子供に襲い掛かるのは、これ以上ないほどの悲劇だ。
わかりやすいのは脳の構造の変化。思考回路と反応の改悪とも言える症状だ。これによりうつ病や精神障害への羅漢率が飛躍的に上がり、また物質や対人関係へ依存する傾向も強くなるという。
また免疫機能の低下により慢性的な炎症が引き起こされ、がんや肥満などのリスクも爆上がりするという。
そしてこれらのストレスが虐待によって生じていたとするならば、本来両親から与えられていたはずの恩恵ーー人はこれを、愛情ということが多いーーを一切享受できなくなる。これによる損失も、もちろん加算される。
絵にかいたような悲劇とはまさにこのこと。だが、然るべき手を尽くせばこれらの症状をきちんと改善できるという。専門家が『きちんとしたリラックス方法』を教えることなどが、治療に有効だとか。
また、虐待を与える側の治療も必須だという。まともであればできるはずのない行為を行えてしまうだけの両親も、治療の対象なのだと。
ーーーそして、両親に与えられた影響が、成人の精神状態のすべてを構築するわけではない。
「毒親のせいで、私はこんな目にあった」のが事実だとしても、
成人になり、権利を得られてもなお、そういい続けるのはなんでだろうね?
参考文献
Hillary A. Franke (2014) Toxic Stress: Effects, Prevention and Treatment
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