2018年に発表された論文によると、ダニングクルーガー効果は政治的な場面においても発生するらしい。
具体的には、政治的な問題の見出しだけを読むような人間(つまり、政治的な問題に詳しくない人間)はその知識の浅さから政治的な問題に対し自信過剰になり、その自信を土台にあまりにも視野狭窄な発言をしてしまうという。
また、自信過剰の傾向は党派や思想・主義に偏りができればできるほど強くなるという。これもまた思想・主義などに偏りがあることを知らないために起こる自信だという。
そしていやらしいことに、その主義主張が"万が一"まかり通ってしまった場合、それにより発生する不具合や政治的問題を、彼らは認知できない可能性がある。もしくはその政治的問題に対し「被害を被った! 私は被害者だ!」とトンチンカンな発言をするかだ。
ダニングクルーガー効果に基づき、彼らが自身の間違いに気づくことは"万が一"にあるかどうかだ。
ーーーまた、ダニングクルーガー効果が発生しやすい人。
つまり、無知であることを何とも思わない人は、ステレオタイプ的な発言や判断を下しやすいという。
「女だから」「男だから」と、「イラストレーターだから」「工場働きだから」と。
どちらかしか知らないが故に、あるいはどちらも知らないがために発生する嘲笑いが、多いのだという。
無知であるから出てきた嘲笑なのか。
無知であることを隠し、他人を蹴落とすための軽蔑なのか。
どっちでも構わない。
ただ、あらゆる分野において、嘲笑・軽蔑するものは
自分を嘲笑・軽蔑しているに他ならないと、私は勝手に思っている。
知っている人であれば恐らく、苦笑いで返し、淡々と対処するだろうから。
参考文献
Ian G. Anson (2018) Partisanship, Political Knowledge, and the Dunning-Kruger Effect.