2005年に発表された論文によると、物事の学習には「その場にある情報を処理する知能」のほかに「経験を通じて事前に学んだ知識と記憶」も重要になるという。
難しく言えば、前者を流動性知能、後者を結晶化知能となる。この難しい言葉を使った説明をするならば、知識の習得には流動性知能と結晶化知能の両方が必要になるという。
例えば、学校の授業を受ける前に予習をして事前に把握し、実際の授業では黒板に書かれる内容を要領よく処理できることが、授業内容をよりよく学べることだといえる。
また、流動性知能と結晶化知能は強化される年齢傾向と発揮される分野の傾向に若干の違いがある。流動性知能は加齢とともに能力が減少し、柔軟な発想を求められる問題に対し長けている。結晶化知能は加齢とともに上昇することが多く、基盤通りの行動を求められる問題に長けている。
若干の性質の違いはあれど、どちらも学習というプロセスに必要不可欠であり、特に結晶化知能のちからは『馬鹿にできない』ものであるという。
ちなみに、流動性知能の現象は20歳から始まるという説があり、このことが「老化は20歳から始まる」と巷でうわさされる原因であると筆者は推測する。
ーーー「私はもう年だから、新しいことは学べないわ」
確かに、年老いたあなたは新しいことに対する即答性は劣ったかもしれない。
だが、今まで築き上げてきた知識に目を背けてなければ、これぐらいは楽勝だと思うぜ?
ちょっとだけ、意地張ってやってみようか。
参考文献
Beier, Margaret E. Ackerman, Phillip L. (2005) Age, Ability, and the Role of Prior Knowledge on the Acquisition of New Domain Knowledge: Promising Results in a Real-World Learning Environment.
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