今日はゆううつな気分なので、シンプルな話をしたい。
内発的動機付けに関するお話の1つに、認知評価理論(CET)というものがある。
CETが言うには、人間は自分で自分の物事を決められる時や、自分のやったことがわかりやすく報われる時に、内発的動機付けが上がる。
で、自分のことを他人に決められたり、どれだけやってもなかなか報われない時は、内発的動機付けが下がるという。
ゲーミフィケーションやゲームベースラーニングという言葉を聞いたことはあるかな?
前者はゲームを楽しくプレイできる要因を特定して、それを別のところで活かそうっていう試みのこと。
後者は教育目的のゲームを作ったり、ゲームに教育的な意義を持たせて使ったりすること。
どっちも発端は「ゲームって人間のやる気めっちゃあげるやんけ、これ利用したいなぁ」って発想から来てるの。
ゲームベースラーニングはほかにも認知心理学的優位性から取り上げられているってのがあるけど、それはいったん置いておこう。
でさ、ゲームが人間のやる気をめっちゃあげる理由って、なんだと思う?
たくさんあると思うけど…私は自分の思い通りにプレイできたり、ゲームでの努力がスコアとか報酬とかですぐに報われるからだと思うの。
さっき言ったCETのお話に則ると、そういうことになる。
クエストこなしたら強化素材たくさん手に入って、強化先どれにしようか迷っちゃうなんて時間、至福じゃない?
ゲーミフィケーションとかゲームベースラーニングの研究って、さっき言った「ゲームが人間のやる気をめっちゃ上げる理由」について言及してないことがあるんだよね。
それはまぁまだいいとして。
プレイヤーがやるべきことをたくさん追加して、ゴリゴリに縛った状態でゲームさせてさ、「やる気向上しませんでした、なんでですかねぇ」って言ってる研究がたまにあるの。
そりゃ、そうでしょ。
強制させたら、やる気は落ちる。
何度も実証されてきたことだけど、たまに忘れてしまう…のだろう。
参考文献
Dichev, C., Dicheva, D. Gamifying education: what is known, what is believed and what remains uncertain: a critical review. Int J Educ Technol High Educ 14, 9 (2017). https://doi.org/10.1186/s41239-017-0042-5
Wouters, P., van Nimwegen, C., van Oostendorp, H., & van der Spek, E. D. (2013). A meta-analysis of the cognitive and motivational effects of serious games. Journal of Educational Psychology, 105(2), 249–265. https://doi.org/10.1037/a0031311
Mansureh Kebritchi, Atsusi Hirumi, Haiyan Bai. The effects of modern mathematics computer games on mathematics achievement and class motivation. Computers & Education, Volume 55, Issue 2, 2010, Pages 427-443, ISSN 0360-1315, https://doi.org/10.1016/j.compedu.2010.02.007.
Dennis Charsky, and William Ressler. “Games are made for fun”: Lessons on the effects of concept maps in the classroom use of computer games. Computers & Education Volume 56, Issue 3, April 2011, Pages 604-615
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