2006年に発表された論文によると、吹奏楽部での活動の有無と成績・能力にはある程度の相関があったという。
具体的には、吹奏楽部で活動している学生はそうでない学生に比べて数学・科学・読書に関する成績が良好である傾向にあったという。この傾向は社会的地位に関係なく発生し、さらに数学と科学の領域では社会的地位が低い吹奏楽部員が社会的地位が平均的な学生を上回ったという。
また、この現象は吹奏楽部入りたてのころから確認されていることから、吹奏楽部は高知能の学生に好まれる場所であることが推測された。別の研究では「高知能の学生は楽器にまつわる活動に魅力を感じる傾向にある」と述べており、さらなる掘り下げが求められている。
注意としては、今回の研究は吹奏楽部での活動の有無と成績・能力の相関を計ったものであり、因果関係を求めたものではない。バグパイプ買って『勇敢なるスコットランド』を練習すれば頭がよくなるわけではないので、ご注意を。
なお、この研究では吹奏楽部ではない学生を基準とした吹奏楽部員の成績・能力の時間経過に伴う変動が確認された(吹奏楽部入りたての頃は優位に高かったが、しばらくすると基準より低いものとなり、再度高くなる)が、証拠不十分ということで今回は省略させてもらう。
ーーー「アインシュタインは趣味でバイオリンを弾いていたから、
趣味で楽器をすれば頭がよくなる!」という論調をどこかで聞いた。
数学の問題集に頭を悩ましたほうが早いんじゃねぇのと思う私は、
この論調を信じる人から馬鹿者扱いされるのだろうか。
参考文献
Kate R. Fitzpatrick (2006) The Effect of Instrumental Music Participation and Socioeconomic Status on Ohio Fourth-, Sixth-, and Ninth-Grade Proficiency Test Performance.