2014年に発表された論文によると、仲間からの拒絶、または社会的関係の断絶は物質主義への移行と強く相関したという。
物質主義(ものを持っていることそのものが幸福でありステータスであるという思想)が自尊心の低さと不安定さから引き起こされるものであると仮定した場合、人間は仲間との関係を断たれることで自尊心に非常に大きなダメージを受けることとなる。
拒絶により自尊心に深い傷を負った場合、人間はその傷を何とかして埋めようと、例えばブランド志向に陥り身に着けた装飾品で人を引き付けようとしたり、SNSに没頭し沸き上がった羨望のままに他者と比較し続けたりする。
それらは外部からの修正がない限りサイクルとして回り続け、より傷を深くする傾向にあるという。モノを買うことで一時的には自尊心を満たすことはできるので、よりモノに依存する形になるという。
依存の先にあるのは、新しい友達を受け入れることすら困難になったやつれ様だ。
補足だが、物質主義は顕在的な自尊心と潜在的な自尊心の差分の大きさとも比例するが、潜在的な自尊心が直接影響を与えている可能性も考えられるという。
ーーー私の知人に、やたら外見にこだわる人がいる。
その人のクローゼットは服でぎちぎち。ヘアスタイルにも拘り、眼鏡を捨てコンタクトにも変えている。
著名な漫画家のサインも持っているその人が書いた、自画像のタイトルは「孤独」だった。
そういえば彼、短命な恋愛経験がそれなりにあったような。
参考文献
Jiang Jiang,Yan Zhang et al. (2014) Can't buy me friendship? Peer rejection and adolescent materialism: Implicit self-esteem as a mediator.
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