1957年に発表された論文によると、個人の特定の行動を達成したいと湧きあがる動機の強さは『達成動機の強さ×主観的な成功率×達成時の期待値』という式で表すことができるらしい。
達成動機の強さは、達成を成し遂げたいとする成功接近動機と失敗を回避したいとする失敗回避動機の差分によって決定し、達成時の期待値は『1-主観的成功率』によって求まるという。
この式を愚直に解いたとき、成功接近動機が十分に強い場合は主観的成功率が50%だと求まったときに達成動機は強くなり、失敗回避動機が十分に強い場合は極端に成功率が高い(もしくは低い)達成目標を保持するようになるという。
なお失敗回避動機が高いときに極端な成功率を求めるようになるのは不安の解消を第一にした行動だからであり、近いものとしてはセルフ・ハンディキャッピングがあげられる。
ーーー主観的成功率が高すぎるとき、人間は失敗した時の屈辱感を回避したく達成時の期待値は低いものとなる。
主観的達成率が低すぎるとき、人間は失敗は当たり前で当たった時の快感はでかいと考え達成時の期待値は高いものとなる。
だがどちらも、達成動機として人間を揺さぶることはない。
主観だが、今回の論文のような『失敗するか・しないか』を軸に置いた場合、
人間は「できないからやりたい、できるからやりたくない」と思う生物であると言えそうで、言えなさそうで。
参考文献
Atkinson, J. W. (1957). Motivational determinants of risk-taking behavior.