ばりん3g

マイクラ補足 兼 心理学のつぶやき

"人気のある女性"を誹謗中傷する女性の心理とは。

2022-02-11 | 旧記事群

1985年に発表された論文を参考にする限り、思春期の女子は拒絶からの嫌悪感を理由に人気のある女子を妬むことがあるらしい。

 

まず、思春期の女子は達成や成功よりも人気を重視する傾向にあるらしく、彼女たちはテストの成績や部活の成果よりも流行りものや魅力でどれだけ人を引き付けられるかに意識が偏重しているという。

そのため思春期の女子は対人関係のトラブルで比較的自尊心が傷つきやすく悩みの種として挙げってるが、それは別のお話。

 

で、その人気を得るために彼女たちは「流行りものを身にまとう」などの施行のほかに、「人気のある女子と友達になる」という戦略を立てる

どうやら、人気のある女子に集う人々との面識を持つことで自分も人気者になれる、人気のある女子の仲間になることで自分も彼女と同じように振舞える、という考えを彼女たちは持つらしいのだ。虎の威を借る狐に近いイメージである。

 

そのような戦略を立て彼女たちは人気のある女子に話しかけるのだが、人気のある女子からの反応はそのほとんどが「おことわり」のサインか言葉になるだろう。

なぜだろう。

人気のある女子からしても自身を指示する人が増えるのは嫌ではないはずだが。

 

理由はいくつかあるのだが、単純に友達が増えすぎるのを避けているからということもある。

人気者というタグが付いているだけで、その実態は群がる人々と同じような女の子であり、抱えられる友人のキャパシティにそう大差はない。人気を得た理由が成績や業績であればなおさらである。

「友達が増えすぎても困る」ことを理由に人気のある女子は交友関係をお断りする。これ自体はなんら不思議なことではない。ただし、一般的なお断りと違う点は、お断りした人が人気を持っているということである。

 

人気のある女子から交友関係をお断りされた女子は、そのほとんどが人気のある女子を妬み始める。彼女たちが「人気のある女子からお断りされたせいで、自分が人気になるための戦略が潰された!」と認識するからである。

戦略を潰されたと認識した思春期の女子はショックを受け、人気者に対する嫌悪感を形成し、人気のある女子を攻撃し始める。攻撃は主にステレオタイプ(一方的で根拠のない偏見)を用いたもので、彼女たちは人気を削ぎ落すように行動し始めるという。

これが、思春期の女子が人気のある女子を攻撃するに至るプロセスの1つである。

 

それで、なぜ私がこの論文を取り上げたのかというと。

この思春期の女子が人気を妬むプロセスが、SNSで挙がるような「女性の参画機会を女性が潰している」現象の一因として当てはまるのではと推測したからである。

「私を置いてけぼりにして人気になったお前たちが妬ましい……。なんとしてでもお前たちから人気を削ぎ落してやる! 人気がない私と同じように、お前たちの人気も地に落ちるがいい!」

という心うちが、かのVTuberを起用した千葉県警のPR動画にケチをつけたのではないかと、私はこの論文を読みながら思ったのだ。

Gemma Joyce(2016)は女性が女性に向けて発信した侮辱は男性が女性に向けたそれよりも2倍の量があるとしているが、その原因もにたようなものなのだろうか?

 

続きはまた、証拠がそろった時に。

 

 

参考文献

Donna Eder (1985) The Cycle of Popularity: Interpersonal Relations Among Female Adolescents.

Gemma Joyce (2016) React Will Twitter ever be Free of Misogynistic Abuse

Yahooニュース 2021/9/21(火) 1:54 「VTuber起用のPR動画…抗議受け削除」

追記:文献の引用に誤りがありました。修正前はWorst-Online-Dater(2015)とありましたが、正しくはGemma Joyce(2016)でした。現在は修正されています。



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