2003年に発表された論文によると、暴力的な言葉に暴露した人は暴力的・攻撃的になることが分かった。
今回の研究では暴力的な言葉を含んだ曲を被験者に暴露させたが、結果としては曲調やその他の要素は関係なく、暴力的な言葉に暴露された分暴力的・攻撃的になったそうだ。
また暴力的な言葉に暴露されればされるほど、暴力的な言葉への反応が速くなり、効果も上がると記述されている。
暴力的な言葉によって築き上げられた、暴力・攻撃への反応速度の偏重は個人の攻撃性を介し社会に多大な影響を与えるとしている。
ただし、暴力的な言葉に暴露したことで得られる攻撃性は非常に短期的なものであり、長期的な影響や長期間の暴露が何をもたらすかは不明だという。
「特定情報の暴露と攻撃性」を題材とした研究では、特にどれだけの期間被験者を観察したのかによって結果がまるで変ってくる。
そもそも攻撃性は環境と性格が複雑に絡み合い構成されているもので、特定情報の暴露だけが多大な影響を与えるとは考えづらい事柄なのだ。
特定情報の暴露は変数の1つではあるが、それ以上でもそれ以下でもない。
ーーーこういった論文を根拠に「ゲームは危険だ」とおっしゃるのならば、
「何でおなみだ頂戴の良い話だらけなのに、一向に世の中は良くならねえんだよ」
という、北野武さんの言葉で返させてもらう。
参考文献
Anderson Craig A,Carnagey Nicholas L et al. (2003) Exposure to violent media: The effects of songs with violent lyrics on aggressive thoughts and feelings.