
2002年に発表された論文によると、自身が抱えるストレスを無視し続けることで保てるようなキャラクターは、対象をよりストレスに過敏にさせ、そのストレスによって健康被害が発症するようになるという。
今回の研究では特に『威圧的で寡黙な一面』という、一見弱みがなさそうな性格に焦点があてられた。『威圧的で寡黙な一面』が板についてしまった人は、職場において過剰なまでの自律性や明確な目的を求めたという。
自律性の欠如と曖昧な目標下での行動はどちらも職場におけるストレスの要因としてあり得るが、彼らの場合は「一挙手一投足に至るまでの強くて明確な権利を求める」側面が強く出ていた。自律性の要求としては、あまりに過剰で非現実的なレベルである。
彼らが『威圧的で寡黙な一面』を保つ理由は様々だが、彼らが『威圧的で寡黙な一面』を保つために、自分が抱えるストレスから目をそらすために、極端なまでの自律性を職場で求めているのは確からしい。
で、そういったキャラクターによって封じ込められたストレスは心身にあらゆる支障をきたす。特に循環器系へのダメージが大きいことは、あまり直観に反しない事実だ。
ーーー要は、自分のストレスに目を向けられないような性格や事情は、
『蓄積されたストレスの暴走』という純粋な悲劇を巻き起こすということ。
しかもストレスに目を向けられないような性格や事情は、
何割増しかでストレスの影響を受けやすくなるのだから、たまったものではない。
『疲れた』と言えない職場も、『疲れた』と口に出すことに嫌悪感を感じることも、
『疲れた』を表に出さないように強がることも、ぜんぶ異常だ。
参考文献
Frances E.Cheek,Marie Di StefanoMiller. (2002) The experience of stress for correction officers: A double-bind theory of correctional stress.
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