2017年に発表された論文によると、選り好みにはASDと健常者との間で有意な差はなく、性差で判別できる選り好みの偏りは確認できたとのこと。
ただし、特定の分野『有名人』に分類されるものには、ASDはそこまで興味を示さなかったよう。
ASDとは『自閉スペクトラム症』とも言われ、主に他の人とのやり取りが上手ではなく興味が偏重しやすい特徴を持っているとされている。原因は脳の特定領域での異常とのこと。
で、ASDの興味の偏重の様子は『極端な男性脳』と比ゆされるほどに、特定の分野に対しての関心が異様に高いとされてきた。例えばガジェット系や電車など、ステレオタイプな男性の好みが、ASDにも当てはまるとされてきた。
ただ、今回取り上げた論文のように、最近はその論調に待ったをかける論文も多い。その論調に待ったをかける証拠もそろい始めている。
そして知的障害を伴わないASDは男性の比率がかなり多いため、そもそも『極端な男性脳』が計られやすい土台があり、数値に偏りがあるとの指摘も。
ASDを『極端な男性脳』かどうかで判断するのは、する側の思考が極端である、というオチ。
今後は興味の偏重度合いではなく、対人関係での反応に焦点を置いたほうがわかりやすいかもしれない。
参考文献
Ivy Y K Cho et al. (2017) Circumscribed interests in adolescents with Autism Spectrum Disorder: A look beyond trains, planes, and clocks.
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