White and Black Wing

『ツバサ』の吸血鬼双子と猫LOVE
最近はマイペースに更新中

『X』18.5巻続き10

2017年11月24日 | SS
今日も寒かったですね
もう11月も終わるし
このまま冬に突入しちゃうんですかね
以下ss続き




ここへ向かってくる神威の姿を確認した時、丁は「何故?」といぶかしんでいたが
神威の後ろに昴流と封真の姿を見つけると「皇の当主か。もっと早く始末をつけるべきだった」と歯がみして悔しがった。
前桜塚護との決着の後、もう戦いの行方に一切興味もない状態の昴流を見て油断していた。
まさか神威とお互いの事を気にかけて『神威』と共に行動するとは思ってもみなかったのだ。
最初に見た夢――この東京タワーで神威に殺される夢――を変えようと真神家と塔城製薬の社長に吹き込んだ。
そうして二人の神威という存在にたどりつき……今まで、いや、レインボーブリッジの決戦までは予定通りだった。
星史郎が自ら死を選ぶことで昴流が生き残ってしまう前までは。ナタクが命を賭して火煉の命を助けたのも、やはり予定外のことだった
上書きされたはずの夢が元の夢に近づいている事で丁は焦っていた。

「丁、聞きたい事がある。この状況はお前が仕組んだのか?」

丁は不敵に笑うだけだ。
その時、世界が塗り替えられた。これは夢の世界か。

「か……む…い。妾を殺して」

「お前……どうして出てこれた?」

上で現世の丁が驚いた顔でこちらを見た。

「左の手首に自分で傷をつけた。その分妾たちの力が弱まり……」

「……他に力を割いている妾の隙を突いたのか」

「丁。どういうことだ?」

「あれはもう一人の妾。完全に取り込まれた時に思い出しました。最初に見た『夢』が神威、貴方に妾が殺される夢でした」

そうして丁は語りだした――。
死にたくない気持ちがもう一人の自分を生み出し、『夢』を変えるために真神家と塔城製薬の社長に神剣の事を吹き込んだ事、
そのうち双つの『神剣』・双りの『神威』という存在にたどりつき、実の妹・庚に『地の龍』を集めるように仕向け今に至ると――。

「貴方が選択することで愛する少女を失い、信頼する者の過去を奪った事は全て妾が仕組んだ事です。
これ以上被害が及ぶ前にどうか妾を止めて……妾を殺して、神威」


――――
ここから思いつかなくて困る
丁を殺す展開にすべきか殺さない展開にすべきか
……私自身、何かが違うと感じてるんでしょうか?

どちらにしても天地の龍システムが無くなって
封真は戻ってきて話としては終了。っていうのが着地点かな
小鳥ちゃんからの伝言「未来はまだ決まってない」が正しかった。みたいな

そこの部分が『降りてこない』のでこんな形で書いてしまいました
一応これでssは終了です
終わりまで書けなくてすみません
読んで下さってありがとうございました

『X』18.5巻続き9

2017年11月17日 | SS
今朝は寒かった
週末に来る寒気の事を考えるだけでブルーだ
以下ss続き





「庚さん?」

何かの気配を感じた遊人が目にしたのは庚の普段の夢見状態では決してしない弛緩の姿勢であった。
不吉なものを感じて確かめてみると――呼吸も心拍もない。
何が原因か分からないが突如として心臓が止まってしまったようだ。
AEDを持ってくると庚の体に取り付け電気ショックを開始する。
ふと何者かの気配を感じ振り向くと黒スーツにサングラス姿の男が複数いた。
彼らから発せられる雰囲気が人間のものと異なる為、水鏡をつくり視てみると式神である事が分かった。
目的は何だと考える間もなく襲いかかって来た。

「遊人さんっ」

獣の操縦席でこの事を見ていた颯姫は遊人の援護に回るように命令する。
しかし獣は自分から離れて遊人の近くへ行こうとする颯姫を阻むようにケーブルを身体の奥深く入れていく。

「獣、離しなさい」

「ハナサナイ」

突如として獣が反抗を始めた。驚く颯姫の頭の中へ獣の『声』が響く。

「サツキハ ワタシダケノモノ」

獣が軽い電気ショックを与えると颯姫は小さく悲鳴を上げ気を失った。
その間にも遊人は式神を先が三つ又の金属が付いたロープのような武器で倒していく。

式神を倒しながら遊人は何度も庚の名前を呼ぶが庚が反応する事はなかった。
一体の式神が庚に近づくと首に手を伸ばす。

「お前、庚さんに何をする気だ」

三つ又の武器のついたロープで攻撃しようとしたが周りの式神が邪魔で出来ない。
どうしたらいいか頭をめぐらそうとした時、どこからか入り込んだのか子犬が式神に噛みついた。
そのまま庚の首元に降り立つと庚を護るように険しい顔で式神を見渡す。
何だか知らないが助かったと思っていると

「大丈夫ですか?」

という声と共に犬神使いの少女が走って来た。
少女が指笛を鳴らすと子犬は剣に姿を変えて少女の許へ飛んでいく。
剣を掴み取った少女は「犬鬼、一緒に戦おうね」と言うが早いか庚を護るように立つと式神を倒す。
天の龍がどうしてこちらに来てしかも助けてくれるのだろうと遊人が思っていると

「流石に若い子は早いですね」
「そうね」
「お譲ちゃんみな無事か?」

という声と共に草薙が火煉と風使いの男と入って来て辺りを見渡す。
式神と戦っている様子の少女と遊人が目に入るや否や

「これを倒せばいいのでしょうね」
「少し休憩したいところだけど仕方ないわ」
「なに全員でかかればすぐに倒せるさ」

などと言いながら端から倒していく。
頼もしい助っ人達に感謝しつつ遊人もまた式神を倒しにかかる。

*皆で力を合わせて式神を撃退するが庚は既に事切れており助からなかった。
*颯姫は草薙によって獣から助け出された。

『X』18.5巻続き8

2017年11月10日 | SS
食べ過ぎている気はないんだけど
最近太ってきたような……
動けばいいだけだと分かっちゃいるんだけどね

以下ss続き




嵐が目覚めると心配そうな空汰と神威、昴流の顔が見えた。

「嵐、俺が分かるか?」

「はい空汰さん。皆さんに心配と迷惑をかけてしまったみたいで、すみません」

「元に戻って良かった」

座ったまま倒れこんでいく昴流の身体を神威が抱きとめる。
周囲の気遣わしげな声にちょっと疲れただけだから大丈夫だと答えた。

「昴流さん、ほんまに有難うございました」

「有珠川くん。そんな事より怪我の治療が先です。鬼咒さん、病院へ一緒に行ってあげてください」




「草薙さん」

護刃は都庁の前で思いがけない人と出会った。

「お譲ちゃん? どうしてここに?」

「間に合うかどうか分かんないけど、庚さんって人を護りに行くんです」

草薙は庚がいるところは、おそらく地下だと告げ自分が案内すると申し出た。
護刃が何故そんな事を知っているのか尋ねる。

「お譲ちゃんには今まで言えなかったが俺は『地の龍』の1人だ」

『地の龍』と聞いて火煉と蒼軌が臨戦態勢に入るが――、

「待て待て。俺は事を構える気はない」

両手を上げて降参の意を示しながら言う草薙の姿に矛を収めた。

「とりあえず彼に案内してもらいましょうか?」

「そうね、のんびり話を聞く余裕もなさそうだし」

「じゃあ草薙さんお願いします」

そうして4人は都庁の中に入っていった。




嵐と空汰を見送った後、当初の目的を思い出した神威が辺りを見渡し「丁がいない」と呟く。
ここに来た時いたかどうかも定かではない。

「どこかへ逃げたか? こちらの夢見に聞いてくる」

そう言いながら封真は目を閉じ次に開いた時に「東京タワーだそうだ」と、事もなげに言った。
3人でタワーへ向かっている最中に神威は最初に丁と夢で会った時、
都庁と東京タワーの2か所だけが残っていた事を思い出していた。

『X』18.5巻続き7

2017年11月05日 | SS
今日は紅葉を見に行きました
結構遠くに行ったので疲れたけど
綺麗だったので良かったです

以下ss続き






「もしかして丁姫が?」

「この結界を少し傷つけてみます。苦痛を感じたらすぐに言ってください」

そう言うと昴流は左手で印をつくり呪を唱え始める。嵐には何の変化もないのを確認しつつ込める霊力を上げていく。
しかし、その結界はかなり強固で破れる気配をまるで感じない。
流石は夢見姫、そう簡単に結界を破らせてはもらえない。しかし陰陽術では結界破りに適した力もまた存在するのだ。

「余り『こちらの力』には頼りたくないんだけどな」

と独りごちると結界に触れる手を左手に変えた。そして目を閉じ、

「星史郎さん。力を貸してください」

と他人には聞こえない声で呟くと右手で自分の右瞼に触れ結界を突き破るように霊力をぶつける。
しばらくしていると右眼の奥に熱を感じ始めたものの構わず続けた。
右眼の熱は更に高くなり『何か』がそこから出たがっている気配を感じた。
能力者としての勘なのか、これは解き放った方がよいと判断して右手を離すと瞼をゆっくり開ける。
鳥型の式神が出てきて一気に結界に突っ込み、ヒビを入れた。
そのまま旋回すると昴流の肩へと舞い降りる。
この式神――種類はおそらく鷹だ――昴流には見覚えがあった。

「この式神は……あの時手伝ってくれたのは貴方だったんですね。星史郎さん」

式神が入れたヒビに右手を当てると普段使っている呪文を唱える。すると今度はあっさりと破れた。

「結界は消えました。行きましょう鬼咒さん」

「昴流さん。今の力は?」

力を失っていても流石は伊勢の巫女。式神が纏う霊力がいつもの昴流の力ではないと感じたようだ。

「色々落ち着いたら話します。今は貴方を『戻す』ことが最優先ですから」

昴流は再び嵐の手を取ると『道』を使って夢から引き上げる。


『X』18.5巻続き6

2017年10月27日 | SS
『スキップ・ビート!』41巻が
出てたのでお買い上げしてきました
感想は今度書きますね
以下ss続き





議事堂の丁の部屋へ到着した神威たちが見たものは、空汰と嵐が戦っている姿だった。

「空汰っ……嵐、一体何があったんだ?」

空汰が神威の声に気付いたものの視線は嵐に向いたまま名を呼ぶ。
一方、嵐の方は何の反応もなく空汰へと斬りかかっていく。

「神威、鬼咒さんの様子がおかしい」

昴流は懐から呪符を複数枚取り出すと空汰と嵐の方へ投げる。
呪符は白い鳥型の式神になって空汰を守るように飛び、嵐の剣先を狂わせていく。
「陰陽術!? 昴流さんもおるんか?」と驚きの声を上げる空汰のもとへ駆け寄る。
見ると空汰は両腕に数ヶ所、そして右の脇腹に切り傷を負っていた。

「神威、昴流さんも、何でここへ? あぁ、勝ったんやな」

「丁に聞きたい事があって来た」

「今のお姫さんは別人や。それより嵐を戻せんやろうか」

「どうやら伊勢の巫女は『天の龍』の夢見に操られているようだな」

嵐が繰り出してくる切っ先を神剣でなぎ払いながら封真が唐突に話し出す。

「何で『地の龍』の『神威』がここにおるねん。最終決戦終わってないんか?」

「詳しい事は後で話す。それより嵐の事が最優先だ」

「鬼咒さんの意識を目覚めさせればいいんだよね」

それまで嵐の方を見ながら何か思案していた昴流が口を開く。
神威と空汰に名前を呼ばれた昴流は2人の方へ顔を向ける。

「僕が鬼咒さんの中に入ってみます。ただ、動きを止めてもらう必要があるんだけど」

昴流の言葉を受けた封真が手を動かすと几帳が飛んできて嵐を床に押さえつけた。

「これでいいか?」

「ありがとう『神威』」

呪文を唱えながら昴流は嵐の額に手をやり、彼女の意識へと入っていく――が、
普通ならあるはずの拒否反応が一切ない。
不思議に思いながらも奥まで進んでいくと嵐の意識は檻の中に閉じ込められていた。
もう何も見たくないと言わんばかりに蹲り顔を伏せている嵐へと近づいた昴流が名を呼ぶと弾かれたように顔を上げ立ち上がった。

「昴流さん。私、空汰さんを……。私を止めてください」

檻に手をかけ必死に言いつのる嵐の姿に昴流は落ち着かせるように笑顔を見せる。

「有珠川くんは大丈夫。僕は鬼咒さんの意識を戻す為に来ました」

そう言いながら印を結んで檻を破ると左手で嵐の右手を取った。
後は戻るだけ。

「一緒に戻りましょう――え?」

「どうしたんですか?」

昴流は見えない壁に右手で触れた。

「『道』が閉ざされている……いや、これは結界」

拒否反応が全くなかったのは最初からここに閉じ込めるためか。