昨年に続いて、今年も「紙リサイクルセミナー」に参加した~
中国の固形廃棄物の輸入規制、
日本国内でも「古紙」や「プラスチック」への影響は大きい、
日本のRPF(固形燃料)市場はどのような影響が起きているのか知りたくて参加した~
「廃プラスチックの現状と処理」
一般社団法人日本RPF工業会 総務広報委員長のお話し、
地球環境問題、海洋汚染とプラスチック問題、そして中国の固形廃棄物輸入規制とプラスチック問題、、基本的な問題全般に渡っての盛りだくさんの内容だったのでかなりの駆け足で、、、、
それで、RPFの市場がどのような影響を受けているのかはいまいちよくわからなかったな~
行き場のないプラスチックが国内に溢れているというが、RPF業界が受け皿と成り得ているようでもなかった。もちろん、既存のRPF製造施設も処理能力はあるので、新増設しない限りは生産量が大きく伸びることもないのだろう、、
国内のRPF生産量は、2013年で110万トン、2017年で130万トン(2018年は133.3万トン)そして、RPFの主要用途の70%は製紙業界なので、、、2018年は93万トンは製紙業界での燃料になったようだ、、
あと、気になった部分というか、記憶にとどめているのは、
●今年5月に、バーゼル条約締約国会議で、汚れたプラスチックを規制対象とする等が採択(2021年1月1日から発効)されたが、その中で、RPFは、廃棄物由来ではあるが「規制対象外」となったこと
●しかし、RPFの輸出は日本から送ってもペイしないと言い切っておられた。
●RPFの需要開拓としていろいろあげておられて、休止されるRDF発電施設の有効活用なども、、
●廃プラスチック(1Kg)のリサイクル手法によるCO₂排出量比較
サーマル(発電):2.71Kg ←熱回収、燃料化の有効性を強調されていた?
マテリアル(パレット製造):2.30Kg
ケミカル(アンモニア製造):4.98Kg
●諸々の影響で、廃プラの国内滞留量を60万トンとみられていた、 ←滞留量もいろんな見方があるので、
●RPFの主要用途の項で、環境省は、昨年、セメント業界で30万トン実証試験を行ったと、、、、、
あと、電力会社の石炭火力や外国人技能実習制度のことなども、、
RPFとは(日本RPF工業会HP)
「RPF」とは Refuse derived paper and plastics densified Fuel の略称であり、主に産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙及び廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料です。
「中国が与えた影響~欧米の古紙輸出と東南アジアの古紙輸入の動向~」
公益財団法人古紙再生促進センター 業務部 国際担当部長のお話し
●最初に、日本の古紙回収率は81.6%、利用率は64.3%、今後、国内での古紙使用が大幅に増える見込みはないので、古紙の輸出は円滑なリサイクルを継続していくためには必要であること、
●中国の輸入古紙品質規制で、日本の古紙輸出先国と輸出量の変化はあれど、、それでも、日本は中国への輸出依存度が極めて高いこと。2018年は72.5%が中国向け、そして、「新聞古紙」と「段ボール古紙」のスポット買いが異常に多かったので、そのため、国内メーカーは古紙不足現象も起きたと、、
←「日本の古紙輸出(2018年) 中国の廃棄物輸入制限「未選別古紙 輸入禁止」の影響は?」
●中国以外の国々も、台湾、ベトナム、インドネシアは受け入れ基準を厳格化しつつある。そして、インドも基準設定が予想されると、
●中国の規制で、最大の影響を受けているのは米国であろうこと、、
●中国の紙・板紙の生産量、2017年から2018年にかけての変化をいろいろ考察されて
、
米国を追い越して、ダントツの世界一の紙・板紙生産量の中国
←「世界の世界の紙・板紙統計」
段ボール原紙の大幅な生産減、新聞用紙・スポット需要など、
原料供給:輸入古紙は大幅削減、
代替原料として、
市販木材晒パルプ、未晒パルプの積極購入
古紙パルプの入荷開始
国内パルプの増産?
国内古紙の集荷増?
そして、中国の輸入古紙品質規制(1)固体廃棄物削減方針の中で、
「2020年12月:古紙輸入禁止の方向が表明」などという話しも~
中国の固体廃棄物輸入規制問題、古紙に関しては、未選別古紙の輸入制限がいつの間にか、「2020年12月古紙輸入禁止の方向性」となっているので驚いたが、、しかし、中国、これからどのように原料調達していくのか、とても興味深い、、、「日中古紙セミナー」に参加したとき、中国国内の回収古紙だけではとても調達できないという話しだったので、東南アジアでの古紙パルプ生産に拍車がかかるのか、それとも、、
中国メーカーによる東南アジア各地での古紙パルプ工場の建設も注目、
・ラオスで中国メーカーの新規投資による古紙パルプ工場が稼働開始
・ミャンマーでも別の中国メーカーによる工場建設中 2019年中に稼働予定
・米国 中国メーカーが買収した工場から出荷、米国メーカー余剰設備での生産
米国など海外の古紙回収方法のことなども、、
そして、最後に、日本の古紙の最大のメリットともいえる、
分別回収、品質管理の徹底を、、、、ということでお話しは終わった、、
そうですね!!
ごみ減量の徹底などで、古紙の行政回収も増えてきて、古紙価格の変動もあろうが、輸出が増えることで、品質管理がおろそかになって、さすがの中国も、固形廃棄物の輸入規制となった、今一度、古紙の品質管理を徹底して、間違っても国内古紙が滞留することなどのないようにしなければ、かつての古紙の大余剰による逆有償などとならないように、、、資源化できなくなれば、市町村での焼却処理、ごみ処理費用は増大する、、
「国内古紙の品質改善について」
全国製紙原料商工組合連合会 経営革新委員会 委員長のお話し
日本品と米国品の新聞古紙の違い、
各国の新聞古紙ベールの組成調査結果、
アメリカ品、オーストラリア品、イギリス品、、いずれも混合回収ということがわかる、、,
(アメリカ品の#9は残紙)
興味深い結果、「新聞古紙」不足とはいえ、とても輸入品は使えない、、
製品のライフサイクルと廃棄物ということで、
新聞販売店による宅配システム、新聞販売店回収の取り組みをとても評価されていた。もちろん、販売から廃棄までの受け皿・拡大生産者責任で回収できて、品質のいい「新聞古紙」が確実に集まるので古紙問屋(全原連)さんには喜ばしいことだろう。しかし、なんとなく「古紙ネット」のメンバーとしては、いいとこ取りされて、日資連さんや東資協さんのことを考えてしまって、、、、
製紙段階では、高機能化する紙製品と禁忌品による製品トラブルのお話しもあった~
参考:公益財団法人古紙再生促進センター「禁忌品等の啓発資料」
「古紙に出してはいけない!! リサイクルできない紙類」
「昇華転写紙」「「感熱性発泡紙」、ストーンペーカー等、また、輸入の増大で、「ロウ引き段ボール」
日本の古紙回収システムも、分別回収はしっかりされているが、集団回収、行政回収、店頭回収、拠点回収と多様な回収システムとなってきて、また、従来からの「新聞」「雑誌」「段ボール」に加えて、「雑がみ」や「ミックスペーパー」回収も増えてきて、その上、紙と間違えやすいストーンペーパーや、ライメックスなどの禁忌品も増えてきているので、さらなる品質管理を心がけねばといまさらながらに、、、
日本の「古紙」は品質の良さが誇りなのだから!!
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本日のテキストは古紙再生促進センターHPで公開されるはず、
昨年の古紙再生促進センター「日中古紙セミナー」はよかったな~
今年もあるのだろうか?
セミナー開始前、後ろの席で、マスコミ関係者か廃棄物処理の関係者かわからないが、今回の台風や大雨による災害廃棄物の話をしている人たちがいて、その焼却施設がダイオキシン排出問題などがあったので、、とか話してた。振り向いて話しに混じりたかったな~
開催日時 令和元年10月30日(水)13時30分から16時00分
開催会場 星陵会館ホール (案内図参照)東京都千代田区永田町2丁目16-2 TEL.03-3581-5650
主 催 公益財団法人古紙再生促進センター
後 援 経済産業省
参 加 料 無料
開会挨拶
公益財団法人古紙再生促進センター代表理事渡良司
講 演
「廃プラスチックの現状と処理」
一般社団法人日本RPF工業会 総務広報委員長
株式会社タズミ 常務取締役 田 墨 啓 治 氏
「中国が与えた影響~欧米の古紙輸出と東南アジアの古紙輸入の動向~」
公益財団法人古紙再生促進センター 業務部 国際担当部長 金 谷 信 章
「国内古紙の品質改善について」
全国製紙原料商工組合連合会 経営革新委員会 委員長
株式会社梶谷商事 代表取締役社長梶 野 隆 史 氏
閉会挨拶
公益財団法人古紙再生促進センター 副理事長 栗 原 正 雄