白魚

昔　母が白魚を買ってくると私はお茶碗に水を入れて白魚を泳がせた
ものです　幼い頃のことですが
白魚が細くて透明な身体を素早く動かせて茶碗のなかを泳ぐ様子は
見ていても飽きないまのでした
冷たい風のなかに早春を感じさせるものと思います

これまで毎年この頃には少し離れた町の八百屋さんのご主人が川に大きな
網を仕掛けて白魚漁をされていました
その様子をいつかテレビで放映されたことがあります
明るい感じの親切なご主人がハッスルして番組に協力しておられる様子を
テレビで観ました
小さな町のことです　そんな様子は直ぐに話題になります

まだ母が元気だった頃にそのご親切な八百屋のご主人は
「お母さんに食べて貰って下さい」と白魚を水に泳がせて持ってきて
下さったものです
そんな時はいち早く春を感じて一家で幸せな気分になれたものです
1月末にお客様があるとその八百屋さんにお願いして白魚を届けていただき
お客様には殊の外季節感を歓んで頂いたものです

そのご親切な八百屋のご主人ももうかなりのご年配の筈
今年も川に白魚漁の大きな網を仕掛けておられるかしら



がんびが可愛い春の芽をだしています