母はあの日原爆に遭い家の下敷きになったのですが辛うじて外庭に
這い出し直ぐに一目散に裸足で逃げたそうです
途中国防軍人の方が燃え盛る火の中を路上で
「元気な者は逃げては駄目だ 怪我人を助け出せ」と
両手を広げて制止されるも皆一目散に逃げまどい協力する人は
いなかったそうです
男の子が暫く母の後を付いて走っていたけど途中で見失い
若い女性の衣服には火が飛び散るので脱ぎ払いながら遂には裸で走っておられたが
その方も途中で見失って
母は知らない道を暫くしばらく走って逃げまどい周囲は空襲の気配のないような
田舎道に辿り着くと
母は見知らぬご婦人に呼び止められたそうです
逃げる途中で「黒い雨」にもあったらしく頭からコールタールを被ったような
凄い形相の母をそのご婦人は自宅に呼び入れてまず風呂に入らせて
その上着替えを提供して空腹でしょうと食事を出して頂き
そして言われたそうです
「いかほどの金銭があれば目的の地に行けますか
多くても失礼に当たりますから」と
母が語ったその時の様子私は度々思い出します
地獄に仏さまに逢うとは当にこのことだと
原爆だとはそのご婦人は未だ何も気付かない筈でいきなり乞食のような形相の母を
よくぞご親切にお助け下さったものと
わたし共は両手を合わして拝みたい気持になります
生涯私もそれに類似した仏様のような行為はできるものだろうかと
いいえ一度でもしなくてはならないものと
戦後の苦しい時代が落ち着いた頃母と話したものです
あのご婦人にお礼を述べたいものと
母は残念に思うけど燃え盛る混乱の中市内のどんな道を走ったものか思い出すのは困難であったようで
結局人生の大切なお礼は述べないままになっています
でも只々感謝の気持でいっぱいです
何十年もお礼も述べないままでお許しくださいませ
ご親切にして頂いたあの時の母も既に他界してもう30年も経ってしまいました
でも私は今でも思い出すと手を合わせたい気持ちで感謝しています
母がお世話になりました
ありがとうございました
大毛蓼が漸く花芽を見せ始めました
やがて大きく色よい花で慰められます
這い出し直ぐに一目散に裸足で逃げたそうです
途中国防軍人の方が燃え盛る火の中を路上で
「元気な者は逃げては駄目だ 怪我人を助け出せ」と
両手を広げて制止されるも皆一目散に逃げまどい協力する人は
いなかったそうです
男の子が暫く母の後を付いて走っていたけど途中で見失い
若い女性の衣服には火が飛び散るので脱ぎ払いながら遂には裸で走っておられたが
その方も途中で見失って
母は知らない道を暫くしばらく走って逃げまどい周囲は空襲の気配のないような
田舎道に辿り着くと
母は見知らぬご婦人に呼び止められたそうです
逃げる途中で「黒い雨」にもあったらしく頭からコールタールを被ったような
凄い形相の母をそのご婦人は自宅に呼び入れてまず風呂に入らせて
その上着替えを提供して空腹でしょうと食事を出して頂き
そして言われたそうです
「いかほどの金銭があれば目的の地に行けますか
多くても失礼に当たりますから」と
母が語ったその時の様子私は度々思い出します
地獄に仏さまに逢うとは当にこのことだと
原爆だとはそのご婦人は未だ何も気付かない筈でいきなり乞食のような形相の母を
よくぞご親切にお助け下さったものと
わたし共は両手を合わして拝みたい気持になります
生涯私もそれに類似した仏様のような行為はできるものだろうかと
いいえ一度でもしなくてはならないものと
戦後の苦しい時代が落ち着いた頃母と話したものです
あのご婦人にお礼を述べたいものと
母は残念に思うけど燃え盛る混乱の中市内のどんな道を走ったものか思い出すのは困難であったようで
結局人生の大切なお礼は述べないままになっています
でも只々感謝の気持でいっぱいです
何十年もお礼も述べないままでお許しくださいませ
ご親切にして頂いたあの時の母も既に他界してもう30年も経ってしまいました
でも私は今でも思い出すと手を合わせたい気持ちで感謝しています
母がお世話になりました
ありがとうございました
大毛蓼が漸く花芽を見せ始めました
やがて大きく色よい花で慰められます