震災から50日以上が過ぎましたが、思い返しても、一体何をして過ごしてきたんだか・・・よく覚えていないような気もします。
余震は未だに怖いけど、不安な気持ちばかりで過ごしていても仕方ないですね。
前向きに暮らすには不安を解消するしかない!と、改めて防災グッズを見直して、普段買いだめはしない主義だった私も、今回を教訓に少しは食糧の買い置きをするようになりました。
震災当日は仕事で仙台市内にいたのですが、グラっときた時「またどっかで大きいの?」と思いました。
直後に「ちょっと揺れが大きいかも?」と机の下に入ると、本当に大きな揺れになり・・・
「また震度5ぐらい?」と思った次の瞬間、経験のない激しい横揺れが始まりました。
(ちなみに、携帯などの私物はロッカー部屋にあり、仕事をする部屋には持ち込めない決まりなので「緊急地震速報」が鳴っていることも分かりませんでした。)
私がいた部屋は女性しかいないのですが、大きな揺れに変わった瞬間から悲鳴が飛び交いました。
私は声も出せずに、必死で机の足につかまっていました。
室内の電気が3回ぐらい消えては点いてを繰り返したあと停電し、薄暗くなり、それでもまだまだ揺れはおさまらず・・・
もう終るかな?と思うとまた激しい揺れ。それを何度も繰り返すうちに、周りは悲鳴と泣き声でいっぱいになりました。
私は口の中でブツブツ「大丈夫大丈夫」と自分に言い聞かせていましたが、心臓はバクバクで、本当に大丈夫だなんて思ってませんでしたけどね。
大丈夫って言わないと本当にヤバイ気がしてました。
そのうち、私の背中側にあった固定されている大きな書類棚が、もの凄い音とともに倒れてきました。
机の下にいたおかげで、自分に直接あたったのは中にしまわれていたメディア類のみ。
でも、一番奥の席だった私の視界では、机から出られそうな空間が見当たらなくなり・・・
まだ記憶に新しいニュージーランドの映像が頭に浮かんで、「もうダメかも・・・このままビルも潰れるんだ」と本気で思いました。
揺れがおさまってから、隣の席にいた同僚の後に付いて、書類棚から落ちて散乱しているものを掻き分けながら反対側の端の方へ行くと、揺れによって机ごと動いていた為なのか、人がひとりずつ通れる位の空間があって、無事に脱出できました。
(数日経って気づいたのですが、机の下にいた時、激しい揺れでずっと左の二の腕を机の下にある「荷物置き用の棚」に打ちつけていたようで・・・生まれてから見たこともないような大アザができてました。痛みどころではなかったんですかね~。マヒしてます。)
すぐに外に避難。雪が降り始めました。
着の身着のままだったからか、恐怖からか、手足が止められないくらい小刻みに震えてる自分にちょっと笑いました。
まだまだ警戒が必要だと、そのまま1時間外で待機した後、帰宅。
駅まで徒歩数分、駅前の立体駐車場は出られるの?と心配でしたが、そこは警備員が常駐しているので、停電後に出口のバーを開けてくれていて助かりました。
普通なら駐車場を出てから20分程で家に着くのに、1時間半かかりました。
朝の天気とうって変わってどんどん吹雪いてくるし、ラジオから大津波の情報が流れてくるし、いろんな事が信じられなくて、一体どうなっちゃったのか頭が混乱してました。
ケージの中にいたワグのところへ行くと、シッコチビリながら抱きついてきました。
震度6弱だったらしい我が家の中はこんな感じ・・・
(家に着いたのが5時半頃。かなり暗くなっていたので高感度で撮影してます。ボケてるのはご容赦下さい。)
↓キッチン
キッチンの吊戸棚は、強い地震がくるとロックがかかるので扉はしまったまま。中も大丈夫。
下の引き出しはもともとスムーズに開くタイプの引き出しなので、全開ですね。
キッチンの向かいには冷蔵庫と食器棚。
どちらも壁から15センチほど移動してました。
が、食器棚の扉はやや重いため開かず。
ただ、中段のカウンタースペースにある、オーブンレンジの上に乗せていた小さめのすり鉢やティーポットなどが落下し粉々。
左の方、青い鍋が置いてある木製の突っ張り棚からは、ケメックスのコーヒーメーカーが落ちて粉々。
クイジナートのミニフードプロセッサーも、本体は多分大丈夫ですが、食材を入れるところは割れてしまいました。
など、いくつかの物がダメでした。思い入れがあったものもあるので残念だけど、割れた食器は数えられる程度。
落ちなかったものは皆無事でした。
(↑時計はもともと動いていないものです)
Macやテレビ(固定済み)は無事でした。
↑こういう折戸のクローゼットは皆開いていて、中身が飛び出ました。
下に散乱しているものは、全て中に入れてあったものです。
↑2階のトイレタンクの蓋は?
↑落ちてた・・・
帰宅直後、水道は出ていました。
(これに安心しちゃった私、バカでしたねぇ。
翌朝起きると、断水してました。
シャワー派の我が家はバスタブにも水はありません。
幸運にも、夕方にはまた出始めたので、ドキドキしたのは半日で済みました。)
こんな状況だったのですが、停電により掃除機も使えないし・・・
ワグを自由にしてやりたくても、割れ物があるのでキケンです。
かと言って暗闇では掃除もできず・・・
それに「家は潰れない」って思っていても、余震がたくさん続いてる中、暗闇にいるのも怖くて。
旦那っちが帰ってくるまで、毛布と少しの食糧と水を持って、ワグと車の中で過ごしました。
徒歩ですぐの会館は町内会が自主的に開放していて、ご近所さんからも「おいで」と言ってもらったんですが、人も多いしワグを自由にしてあげたいので、やっぱり車が一番でした。
いつの間にか、すんごい星空。月明かりに助けられました。
ラジオを聞きながら、これからどうなるんだろ?と、明日からの暮らしが心配になってきて・・・
この日はたまたま旦那っちが飲み会の予定だったので、車を置いて仕事に行ったんです。
なので私が車で出勤し、「金曜日だし夕飯作らなくて良いし、帰りにゆっくり買い物しよう♪」と思っていて・・・
既になくなっていたワグのフード、米・その他食糧いろいろ。そして一番「シマッタ!」と思ったのがガソリン。
朝乗った時、既にエンプティランプがついてました。
残りの走行可能距離、67キロ・・・
これじゃ旦那っちは、職場の往復もできません。
21時頃には旦那っちも何とか帰宅。
職場は片道50キロ弱。とても歩いて帰れる距離ではないので、「しばらく会えないかも?あれ?生きてる?」と思っていたのでビックリ。
同僚の方が車で送ってくれたそうです。
とりあえず家に入り、玄関脇の部屋を軽く片付けて、菓子パンを半分コ。就寝。
翌朝近所を偵察に行くと、すでにスーパーに列が出来ていて「買い物できるんだ!」と、私達もお隣さんと一緒に並びました。
個数制限はあったけど、買い置きしてない我が家には、涙が出るほどありがたいものでした。
我が家から徒歩圏内、チャリ圏内には大小たくさんのスーパー・ドラッグストア・ホームセンターがあるので、ガソリンがない中で本当に助かりました。
そしてその多くが、震災翌日、翌々日から店頭販売という形で開けてくれた事に、本当に感謝しました。
どこのお店も、店員さん達が本当に一所懸命で、明るく親切でしたよ。
一部、販売価格を相当吊り上げていたお店があったようですが、私が利用したお店ではそんな事はなかったです。
(ちなみにコンビニは締め切ったまま、かなりの期間、開きませんでした。)
それに、ご近所さんが皆あたたかくって・・・
我が家はIHクッキングヒーター使用なんですが、家そのものが高気密住宅の為、室内でカセットコンロやファンヒーターの使用は出来ません。
鍋嫌いの旦那っちだし、必要ないと思って、我が家には卓上カセットコンロがありません。
アウトドア用品もほとんど持ってないし、調理ができない!!!
そんな時に、ご近所さん達がカップ麺やカップスープの為にお湯を分けてくれ、停電3日目の夜に、温かいカレーライスを届けてくれた時には泣きそうでした。
会館に発電機があるので、携帯の充電もできました。
町内会の役員さん達が炊き出しもしてくれたので、我が家は家にあった野菜やお菓子を少し持って行きました。
周辺の情報も、会館の外でホワイトボードに書いてくれていたのでいろいろ助かりました。
震災後数日はこんな感じで、食材やトイレットペーパー等の日用品を並んで買っていました。最長で6時間弱。
それでも不思議なことに、全然疲れないんです。
さらに、お腹もたいして空かないんです。
体が危機的状況を察知してるのか?不思議ですね~。
一番びっくりしたのが、周囲を見渡しても、寒い中長時間並んでいる人たちの中で、苦情を言ってる人は見当たらないこと。
行列が長くなりすぎると、開店時間途中でも並ぶことは締め切られるのですが、「せっかく来たのに」等と言う人はなく、皆残念そうに帰るだけ。
きちんと並んで、知らない人同士も皆穏やかに会話していました。
店員さんの頑張りも素晴らしければ、お客さんもきちんとしていて、こんな状況で協力し合えるのは凄いことですね。
停電したたまま4日目、さすがにお湯も沸かせないのは困る!と、カセットコンロ本体とガスボンベを買うために並んで、米10キロと、日用品を少し買って原付で家に戻ると、電気復旧・・・
相当嬉しかったけど、複雑
これで暮らしもひと段落。お風呂も入れる!
でも、電気と灯油が我が家のライフライン。外の灯油タンクにはまだ4分の3ほど入っていたけど、ガソリンが流通していない状況で今まで通りの使い方は出来ません。
復旧後も、シャワーは週1~2回で使ってました。
お風呂に入らない生活も、そうなってしまえば全然苦じゃないですね。(笑)
近いうちに、またこんな暮らしになるかもしれません。
いろんな教訓を生かさなくちゃですね。
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