4月29日(土・祝)、東京国際フォーラム ホールAにて『フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート 2023』が開催された。昨日は、14時から行われた昼公演第1部を紹介。本日は第2部を紹介する。
20分の休憩後、第2部が開幕。2部の最初は、『フレンズ・オブ・ディズニー』恒例の朗読劇が行われた。今年は、1937年に公開された最初の長編アニメーション映画『白雪姫』を大人気声優の山寺宏一さんが一人でナレーションとキャラクターを務めた。
白雪姫、王妃、魔女、そして7人の各小人の声を演じ分ける山ちゃんの演技力は圧巻だった。一人で年齢、性別、性格の異なるキャラクターを演じられる声優は、「七色の声を持つ男」と称される山ちゃんにしか出来ないことだった。
山ちゃんの朗読劇の合間には、『私の願い』(屋比久知奈)、『ハイ・ホー』(中川翔子、佐藤隆紀)、『いつか王子様が』(大原櫻子)の3曲が唄われた。キャラクターは一人の声優が務め、歌は異なるアーティストが唄うという対照的な演出は、このコンサートの見所の1つであった。
朗読劇の後は、往年大ヒットディズニーソングが次々と唄われた。このコーナーが始まる前に、ステージ上のスクリーンには、ディズニー映画が上映される前に流れるシンデレラ城のアニメーションが流れ、それに合わせてオーケストラの方々が『星に願いを』を演奏した。これらが流れると、観ている側は「いよいよディズニー映画が始まる」と気分が高揚する。この演出は、ディズニーソングのコンサートには欠かせないものになっている。
今年公開70周年を迎えた『ピーターパン』の『君もとべるよ』(バックコーラス)から始まり、『君はともだち』(チョコレートプラネット)、『A Whole New World』(Da-iCE)などの名曲が唄われた。その中で一番印象的だったのが、大原櫻子さんと佐藤隆紀さんが唄う『美女と野獣』だった。
当初は大原さんではなく、大人気ミュージカル女優の濱田めぐみさんが歌手を務める予定だったが、当日体調不良になったため、急遽大原さんが唄ったのだ。加えて、本当はこの曲をカットする予定だったのだが、大原さんが濱田さんの想いを繋ぎたいということで、コンサート開演直前で立候補したとのこと。
昨日紹介した第1部のチョコレートプラネットの「TT兄弟」と言い今回のコンサートは、急遽出演キャンセルになった濱田さんのぶんを他の出演者全員でカバーしようという想いがとても伝わってきた。今年のコンサート出演者は、例年以上の結束力とチーム力があると感じ、その姿に感動した。こういった見えない力は、観ている側にも伝わり、それが感動を生み出しているのかもしれない。
しょこたん(中川翔子)、屋比久さん、大原さんによる『ゼロ・トゥ・ヒーロー』が唄われた後、しょこたんから「ここでスペシャルゲストに来てもらっています!」と言われた。なんと登場したのは、歌手のAIさんだった。このサプライズに会場はどよめき、拍手が鳴りやまなかった。AIさんは、『ベイマックス』の日本語版エンディングソング『Story』を歌唱。するとどよめいていた会場は静寂に包まれ、感動的な雰囲気が漂っていた。感動は、その場が熱狂から静寂に変わった際に、より大きくなると感じた。
『Story』に続いて、2部最後の曲『みんなスター!』が出演者全員で唄われて本編が終了した。一旦出演者がステージ袖にはけた後、再び登場し、今コンサートのMCを務めたしょこたんとチョコプラではなく、元おはスタMCの山ちゃんが進行を務めた。各出演者に挨拶を求めた際に、最初に振ったのはコンサート2日前に入籍したしょこたんだった。客席から割れんばかりの拍手が起こり、この日一番の盛り上がりを見せた。「この日を狙っていたのか?」という質問には、偶然だと答えていた。いずれにしても、おめでたい話題に会場の全ての人々がしょこたんを祝福した。
アンコールで『小さな世界』を全員で合唱し、コンサートは終了した。今年は、濱田さんの出演キャンセルがあったが、それをカバーした他の出演者たちの絆と結束力、そして幸せいっぱいなしょこたんをみんなで祝福するという「和」の力を感じたコンサートだった。
来年は、どんな『フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート』になるかが楽しみだ。