一人ディズニー見聞録

ディズニーを切り口に世の中の出来事を紹介しています。ディズニーソングのコンサートレポートも書いています。

ディズニー・オン・クラシック 2023 5/13公演 第2部

2023-05-14 11:06:00 | コンサート




5月13日(土)、「ディズニー・オン・クラシック ~夢とまほうの贈り物 2023」の全国ツアーが始まった。ディズニー創立100周年という記念すべき年の最初の公演は、J:COMホール八王子にて行われた。本日は第2部の様子を紹介。

20分の休憩後、オーケストラのメンバーが登場。音合わせの後、指揮者の辻博之さんが登場し、第二部が始まった。

最初のコーナーは、「Bittersweet Selection」と題した甘く切ないディズニーソングが3曲演奏された。『魔法にかけられて』より「そばにいて」を鹿野浩史さん、『トイ・ストーリー2』より「ホエン・シー・ラヴド・ミー」を牧野元美さん、実写版『美女と野獣』より「ひそかな夢」を菅原洋平さんがソロを務めた。

甘く切ないメロディと歌詞に合わせて唄うシンガーたちは、歌の世界観と同じく切ない表情で唄っていたため、観ている側もどこか切ない気持ちになった。私の隣に座っていた女性は、「ホエン・シー・ラヴド・ミー」が流れると涙を堪えているように見えた。シンガーの表情も音楽の世界観を伝える重要な役割になっていると、改めて気づかされた。

第2部最後は、『ライオンキング』より「サークル・オブ・ライフ」、「ハクナ・マタタ」などの8曲が演奏された。このコーナーでは、シンガーたちが各キャラクターになって歌を唄うだけではなく、実際のキャラクターになりきってステージ上でパフォーマンスを披露した。

「王様になるのが待ちきれない」では、今回初参加の重田栞さんと田谷野望さんが、子どものシンバ(重田さん)と子どものナラ(田谷野さん)になりきって、笑顔で元気いっぱいに楽しく唄い上げていた。また「準備をしておけ」では、後藤数馬さんが『ライオンキング』のヴィラン(悪役)、スカーのような悪い表情(ごめんなさい!)に重低音の声で、悪事を企む姿を唄い、会場に緊張感を漂わせた。

そして「ハクナ・マタタ」では、「Bittersweet Selection」で甘く切ない歌を唄った菅原さんとなった鹿野さんが、陽気にティモン(菅原さん)とプンバァ(鹿野さん)になりきり、子どもシンバの重田さんと大人になったシンバ役の新堂由暁さんと一緒に楽しく唄っていた。

そして「ハクナ・マタタ」を唄い終わった後、新堂さんたちがお客さんに観客席から立つように促し、オンクラ(ディズニー・オン・クラシックの略称)恒例のダンスタイムが始まった。お客さんが全員立ち上がるとこの曲のリプライズが演奏され、また歌詞の「ハクナ!」と「マタタ!」のところでは、コールアンドレスポンスの演出が施され、シンガーたちはもちろんお客さんたちも楽しそうに行っていた。この時の会場には、盛り上がりと一体感が生まれていて、「ハクナ・マタタ」は第2部のハイライトとなった。

シンバ役の新堂さんと大人のナラを演じた松原典子さんが「愛を感じて」を唄うと、会場の雰囲気は一変し優しくて甘いムードに包まれた。その後「時が来た」、「サークル・オブ・ライフ」のリプライズが演奏され、第2部は幕を閉じた。

シンガーたちと指揮者がお辞儀をして一旦ステージから去るも、その後ナビゲーターのささきフランチェスコさんと一緒に登場し、アンコール曲の『星に願いを』が演奏された。5月8日(月)に新型コロナウイルスが5類に移行したことで、声出しもマスクなしで行えることになったため、今回の『星に願いを』は、お客さんがシンガーと一緒に唄えるようになった。

コンサートマスターの青木高志さんのヴァイオリンソロから『星に願いを』が始まると、客席からは歌声が聞こえてきた。『星に願いを』は、コンサートのフィナーレであると同時に、日常がようやく戻ってきたという合図にも聞こえた。

アンコールが終わると、フランチェスコさんからサプライズとして、シンガーたちとオーケストラメンバーへの撮影許可を出してくれた。つい数分前までは楽器と歌声が響いていたホールは、カメラのシャッター音だらけになっていた。このシャッター音は、楽器や歌声に加えてオンクラに欠かせない音になっている気がした。

午後7時30分過ぎに全内容が終了。3年間制限があるなかで実施されたオンクラが、ようやく何の制限もない状態で行われた。3年間制限された中で生活していると、当たり前に感じていたことが、実は特別なことだったと分かった。全部で18公演行われる今年の春ツアーだが、1公演1公演が特別な贈り物であることは間違いない。

〈演目〉
1.『魔法にかけられて』より「そばにいて」
2.『トイ・ストーリー2』より「ホエン・シー・ラヴド・ミー」
3.実写版『美女と野獣』より「ひそかな夢」
4.『ライオンキング』より「サークル・オブ・ライフ」
5.「王様になるのが待ちきれない」
6.「準備をしておけ」
7.「ヌーの暴走」
8.「ムファサの最期」
9.「ハクナ・マタタ」
10.「愛を感じて」
11.「時は来た」

アンコール 「星に願いを」

ディズニー・オン・クラシック 2023 5/13公演 第一部

2023-05-14 07:31:00 | コンサート




5月13日(土)、「ディズニー・オン・クラシック ~夢とまほうの贈り物 2023」の全国ツアーが始まった。ディズニー創立100周年という記念すべき年の最初の公演は、J:COMホール八王子にて行われた。本日は第1部の様子を紹介。

17時。今年のオンクラ(ディズニー・オン・クラシックの略称)のツアー初日の公演が開演した。オーケストラのメンバーと日本人シンガー全員が登場すると客席からは割れんばかりの拍手が起こった。続いて、コンサートマスターの青木高志さん(ヴァイオリン)が登場して音合わせを行った。その後、今ツアーで指揮者を務める辻博之さんが登場。ディズニーランドやシーのキャストさんと同じ、いやそれ以上の素敵な笑顔で登場した。この笑顔に会場の空気は、どこか和やかな雰囲気に包まれた。

1曲目は、『ズートピア』の「オリジナル組曲」。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのクリエイターたちが自ら編集・編曲を手掛けた同曲は、聞いているだけで劇中のどの場面の様子なのかを丁寧に伝えてくれた。

作品の世界観を音だけで作ったクリエイター陣はもちろん、それを演奏したオーケストラジャパンには脱帽した。

1曲目終了後、ナビゲーターのささきフランチェスコさんが登場。1曲目の説明をした後、2曲目の『ベイマックス』の「オリジナル組曲」を紹介。こちらも『ズートピア』同様に、ディズニーのクリエイターたちが編集・編曲を手掛けた。組曲に続き、作品の日本版エンディングソング『Story』(英語バージョン)を牧野元美さんのソロで歌われた。

曲の途中で他のシンガー全員が、ペンライトをゆっくりと降りながら登場。すると観客席からもペンライトが次々と光り、会場はきらびやかな雰囲気になった。このペンライトの演出は、演者と観客との間に一体感を生み出すものであり、シンガーと私たち観客との距離感は一気に縮まった。

続いて1942年に公開された『バンビ』から『4月の雨』など5曲が演奏された。この5曲は、普段からオペラを唄っている日本人シンガーたちの良さが存分に発揮させてくれた。『バンビ』は、第1部の歌唱部門のハイライトと言っても良いだろう。
第一部最後の曲は『ファンタジア/2000』より「火の鳥」(1919年版)だ。イーゴリ・ストラヴィンスキー作曲のバレエ音楽は、繊細さと壮大さを兼ね備えたメロディの曲であり、その世界観はステージ上のスクリーンに映し出されるアニメーションからも伝わってきた。また、笑顔が素敵な指揮者の辻さんが、鬼気迫る表情で指揮棒を降る様子から分かるように、『火の鳥』は、第1部の中では最も迫力と緊張感がある演奏となっていた。

壮大さと緊張感に包まれたまま第1部が終わった。演奏がメインだった第1部に対して、第2部はその真逆の内容となっていた。

(第2部に続く)

〈第一部演目〉
1.『ズートピア』より「オリジナル組曲」
2.『ベイマックス』より「オリジナル組曲」
3.『Story』
4.『バンビ』より「メイン・タイトル(愛のうたごえ)」
5.「4月の雨」
6.「春のしらべ」
7.「ルッキング・フォー・ロマンス(あなたに歌を)」
8.「山火事/再会/フィナーレ」
9.『ファンタジア/2000』より「火の鳥」(1919年版)