『再会』
過日、20数年ぶりで大学時代の親友に会った。彼女の住まい近くで公演があったからだ。これまでも何度かチャンスがあったのだが、その都度上手く時間が合わず、会えないままに月日が経った。
連絡してみると、珍しく「会える」という返事が来たので、ホテルロビーで待ち合わせた。劇場入りまでの2時間、様々互いの近況について語り合い、最後はやはり病の事、そしてお墓の事。「年取った証拠だねえ」と笑い合ったが、久々に顔を合わせた瞬間に、二人に流れた時間の深さを知ったのは事実だ。
韓国ドラマや映画の話にも花が咲き、「やっぱり趣味合うねえ! いずれ一緒に住もうよ」と、学生時代から言い合ってきた同居を、また口にして別れた。二人とも親の介護を終え、独り暮らしの良さも淋しさも知っている。遠慮なく空気のように一緒に居られる二人が、黙々と老老介護するのも一興だが、今度会えるのはいつの日かとも思う。ましてや、これからの年月は重い。元気でいてくれと念じた。
『ひばり映画』
昼公演の舞台を終えて、夕飯の弁当と缶ビールを買い、7分遅れで映画館に。今回は珍しく途中入場しようと決めていた。2本目を見終わってから、また1本目を途中まで見るのだ。昔はこんな見方が普通だったなあと、逆に懐かしい。さて、弁当を食べたが何だか足りない。よし、フランスパンもかじるか、と食べ始めたらあまりに美味しくて完食。気が付くと開演から30分が経っていた。腰を上げたのと、従業員が立て札を客席入り口に立てたのが同時だった。「開演30分経ってからのご入場は出来ません」と書いてあった。
さすが池袋新文芸座である。映画を愛するスタッフたちは、観客が映画に没入し、かつそこから観たのでは内容についていけまいという限界ラインを“開演後30分”に決めたのだ。映画制作者への敬意も込められたこの配慮には感心した。
で、次の開演までの50分間(この時代の映画の上演時間はだいたいい1時間10分平均と短い。そして各回毎に10分の休憩が入る)本を読みながらカップ・コーヒーを飲み、くるみパンを食べた。何という食欲。しかし体重はいまだに50キロをちょいと出た程度。
ふと、目の前を派手な色が行き来したなあと顔を上げてビックリ!なんと“タイガーマスクマン”が目の前の壁チラシに見入っているではないか。色とりどりのパッチワークのマントに白い羽飾り満載の帽子を被り、脚にはピッタリした色タイツ、顔にはタイガー(虎)のマスクを付けたタイガーマスクマンは、確か新宿の名物おじさんだったはず。ラジカセ抱えてチャリに跨(またが)り、大音響で音楽を聞きながら、というより自分自身のBGMとして聞かせながら、新聞を配っていた。さすがに往年の時代劇映画が懐かしくて池袋にやって来たか・・・。
続きは明日。
過日、20数年ぶりで大学時代の親友に会った。彼女の住まい近くで公演があったからだ。これまでも何度かチャンスがあったのだが、その都度上手く時間が合わず、会えないままに月日が経った。
連絡してみると、珍しく「会える」という返事が来たので、ホテルロビーで待ち合わせた。劇場入りまでの2時間、様々互いの近況について語り合い、最後はやはり病の事、そしてお墓の事。「年取った証拠だねえ」と笑い合ったが、久々に顔を合わせた瞬間に、二人に流れた時間の深さを知ったのは事実だ。
韓国ドラマや映画の話にも花が咲き、「やっぱり趣味合うねえ! いずれ一緒に住もうよ」と、学生時代から言い合ってきた同居を、また口にして別れた。二人とも親の介護を終え、独り暮らしの良さも淋しさも知っている。遠慮なく空気のように一緒に居られる二人が、黙々と老老介護するのも一興だが、今度会えるのはいつの日かとも思う。ましてや、これからの年月は重い。元気でいてくれと念じた。
『ひばり映画』
昼公演の舞台を終えて、夕飯の弁当と缶ビールを買い、7分遅れで映画館に。今回は珍しく途中入場しようと決めていた。2本目を見終わってから、また1本目を途中まで見るのだ。昔はこんな見方が普通だったなあと、逆に懐かしい。さて、弁当を食べたが何だか足りない。よし、フランスパンもかじるか、と食べ始めたらあまりに美味しくて完食。気が付くと開演から30分が経っていた。腰を上げたのと、従業員が立て札を客席入り口に立てたのが同時だった。「開演30分経ってからのご入場は出来ません」と書いてあった。
さすが池袋新文芸座である。映画を愛するスタッフたちは、観客が映画に没入し、かつそこから観たのでは内容についていけまいという限界ラインを“開演後30分”に決めたのだ。映画制作者への敬意も込められたこの配慮には感心した。
で、次の開演までの50分間(この時代の映画の上演時間はだいたいい1時間10分平均と短い。そして各回毎に10分の休憩が入る)本を読みながらカップ・コーヒーを飲み、くるみパンを食べた。何という食欲。しかし体重はいまだに50キロをちょいと出た程度。
ふと、目の前を派手な色が行き来したなあと顔を上げてビックリ!なんと“タイガーマスクマン”が目の前の壁チラシに見入っているではないか。色とりどりのパッチワークのマントに白い羽飾り満載の帽子を被り、脚にはピッタリした色タイツ、顔にはタイガー(虎)のマスクを付けたタイガーマスクマンは、確か新宿の名物おじさんだったはず。ラジカセ抱えてチャリに跨(またが)り、大音響で音楽を聞きながら、というより自分自身のBGMとして聞かせながら、新聞を配っていた。さすがに往年の時代劇映画が懐かしくて池袋にやって来たか・・・。
続きは明日。