京都市伏見区 「石峰寺(せきほうじ)」 (古都探訪 ㊳)
正徳3年(1713年)、黄檗山大本山萬福寺の第6世千呆禅志が開創した禅道場で、寛政年間に此の地に草案を結んだ絵師「伊藤若冲」が、七代密山和尚の協賛を得て、裏山に十数年余の歳月を掛け、五百羅漢を製作した。
羅漢参道唐門の朱が境内に映える。
当初は諸堂を完備していたが、度重なる災火により焼失し、現在の本道は昭和60年に再建されたもの。
参道脇の苔むした石像の悠久の彼方に、暫し想いを馳せる。
石段を上り山門を潜ると、若冲が創った五百羅漢が姿を表す。
2012年写真家を名乗るグループが、石像に帽子を被せたり、ロウソクをつけたりして悪行を働いたため、現在五百羅漢像はスケッチ及び写真撮影が全面禁止されている。
当初は千体以上もの石像が配されていたが、長年の風雨により、現存するのは五百数十体のみ。 またその群像は、お釈迦様の誕生から涅槃に至る生涯を描いている。
冬枯れの庭に彩りを添える木々。
若冲の墓と、幕末の書家、貫名海屋の撰文による筆塚。
石峰寺オリジナルの御朱印帳。 昨今の若冲ブームにより製本が追い付かず、参拝者のみの販売となっている。
豊かで愛らしいその表情からは、若冲の絵画にも共通する繊細な感性が垣間見えた。
photo by OLYMPUS OM-D EM-5Ⅱ
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