京都市中京区寺町通四条上ル大文字300 「キムラすき焼店」
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阪急京都線「河原町駅」を下車し出入口⑨から四条通に出て、直ぐ寺町京極商店街のアーケードへと右折し、その約100㍍先左手に佇む、いかにもレトロチックな蒼のパネルサインが目印の、すき焼専門店です。

京都ですき焼きといえば、仲居さんが全てをこなす高級店が先ず思い浮かびますが、此処はその正反対のリーズナブルな価格でいただける老舗店として、地元は元より観光客にも親しまれています。

暖簾を潜り先ず目を奪われるのが、まるで旅館や銭湯を思わせる下駄箱で、また此処には名物の下足番の方が居り、グループごとに2階の客間へとスムーズに誘導を促してくれます。

その2階には大広間が連なり、更には3階にも宴会場を備え、約250名の収容能力と、団体さんでも余裕で賄える規模を誇ります。

御値段表。
なんとも味のある表記に、懐かしさを覚えるのはおやじだけでしょうか。 尚此処は創業昭和7年ですので、ゆうに85年を経過しています。

オーダーを通すとすき焼きの指南書が、テーブルにそっと差し出されます(横の番号札は下足場で渡されたものです)

「ロースすき焼 3,300円」(写真は2人前)
ちゃぶ台の上にすき焼の具材が並ぶと、まるでお家で「これから始めるぞ~♪」と号令をかけるような衝動に駆られました。

適度にサシが入った黒毛和牛のロース肉は、焼きで食べても間違いなく美味しそうな出で立ちをしています。

それでは指南書に従って作ることにしましょう! 先ずは牛脂を熔かしてから野菜と具を投入します。

その上にお肉をのせて秘伝の割り下を注ぎ、砂糖を適量入れ、最後にさし水をし、塩梅を調整します。

だんだん煮えてきましたよ! この待ち時間が本当に長く感じますね!

さ~て!いただきましょう!♪
牛肉を豪快にかぶりつくと、ソフトな舌触りと共にバランスの取れた旨味が口中に迸り、一言「あ~生きてて良かった!」と思わず唸ってしまいました。 また大好きな麩も全ての旨味を吸収し、別に頼んだご飯(200円)にのせて掻き込むと、「これまたタマラン!」とハッピーな気分になることこの上なし!

1人前では物足りず、2皿目「肉お替・並 2,000円」を追加しましたよ(写真も2人前です) こちらはロースより、ややあっさりした肉質です。
リッチな気分で高級店でいただくのも良いですが、こうした家庭的な雰囲気の方が、幼い頃の一家団欒で味わった記憶が鮮明に蘇り、懐かしさと共に一味も二味も美味しさが増し、心と身体がホッと和むのを覚えます。 戻れるならもう一度あの頃に戻りたいなぁ、、、