私が高校生の時「東京国際音楽祭」と言うテレビ番組があってそのときのスペシャルゲストがバリー・マニロウでした。(その時のグランプリはライオネル・リッチーでした。)ラジオでその頃流行っていた

"Some Kind Of Friend"(邦題:君は恋フレンド)や

"You're Lookin' Hot Tonight"(邦題:君はルッキンホット)などを聞いたことはあったものの、実物が歌う姿を見たことがなく、何となく見たのです。それで

"Even Now"などのバラッドを生真面目にそして一生懸命に歌う姿を見て、アメリカのエンターテイナーって凄い!と感動したのが私がバリーに嵌ったきっかけでした。
それで初めて買ったのが
ヒア・カムズ・ザ・ナイト
↓です。当時古いステレオはあったのですが、カセットで買ったんですよ。
ポインター・シスターズも歌おうと思っていたと言うモータウン系の

"I Wanna Do It(With You)"(邦題:恋はドゥ・イット)や

君は恋フレンドなどのキャッチーなポップスは勿論のこと、

"Gettin' Over Losing' You"(邦題:想い出はてしなく)や

"Stay"、世界的なヒット

"Memory"など聞き易いバラッドが心地よく、ここから私のバリー・ライフが始まっていきます。バリーの音楽性は全方位だとよく言われますが、このアルバムにも

"I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter"(邦題:手紙でも書こう)のようなスタンダード曲もあり、ポップスの玉手箱のようでした。だから後にジャジーなアルバムを数枚出していますが、当然の流れのように感じられます。
恐らく、古くからのファンにとっては若干ロック色が強く、戸惑った方も多かったのかも知れませんが、日本での知名度を一気に広めたアルバムでもあります。恋はドゥ・イットは
堤大二郎
さん(「君とDo It」と言うタイトルで)に、メモリーは
石川ひとみ
さんに、素敵なサム・ガールは
堀ちえみ
さんにカバーされていました。私にとっては、「始まり」の記念すべきアルバムです。
このアルバムから(当時はお金もなかったので)、デビュー盤などに遡ってLPを当時出来たてのレンタルレコード屋さんから借り漁るようになり、ますますバリーの音楽性に嵌ってしまうようになりました。それでようやくバリーが
ベット・ミドラー
の音楽監督兼ピアニストとして共演していたときに、現Jレコーズ社長で今
ロッド・スチュアート
にアメリカン・スタンダードを歌わせて改めてプロデュースの才能が見直されている、クライブ・デイヴィスに見出され、
ホイットニー・ヒューストン
が出現するまで70年代~80年代初期のアリスタレコードを引っ張っていた大スターであることを知ることになります。
最近、
ジャネット・ジャクソン
がティーンエイジャーの頃、バリー・マニロウが彼女のアイドルだったと語っています。