2001年当時,パリーグの各先発エース級といえば,西武の松坂(西口),ロッテの黒木が抜けていましたが,
ダイエーは田之上か西村,ハムは金村か岩本,オリックスは小林宏か金田,近鉄は前川かバーグマンといったところで,打高投低の真っ盛りでした。
戎が防御率3点台で1位だったのが2000年でしたし。
ほんと,5点リードくらい簡単に返されるのは近鉄だけでなく日常茶飯事なパワー・リーグだったもんです。
それもこれも,ストライクゾーンのクソ狭い津川や中村,栄村といった関東審判員が試合をグダグダにしてくれたりといった影響も大きかったですが。
まさに,そんな試合まで復刻してくれた,今日の試合。
今日は6番DHに辻俊哉を据えた攻撃型オーダーで挑んだ大阪近鉄ユニを纏ったオリックス・バファローズでしたが,
初回2得点もヤクルト先発の新外国人ラルーを攻めあぐね,特に辻がブレーキとなってしまって流れを失い,
さらに近鉄先発の西は二死からの詰めが甘く,徐々に失点を重ねて逆転を許し,
気付けば5回表終了時点で完全にヤクルトに主導権を奪われる展開に。
西もストライクゾーンの狭い球審小林の判定に落ち着かないそぶりも見られましたが,
それが更に自分の感情をコントロールできずに悪循環に陥らせてしまったように思えます。
ヤクルトも3回表には勝手に二死からディレード&ダブルスチームでの走塁死で自爆してくれたましたし,
流れを引き寄せればもっと楽な試合になったのかもしれませんが。
しかし,先発投手陣に対しては球数が多少多かったり,イニングを引っ張る傾向にありますが,
しっかり中6日は確保されているのは,チーム方針としてはっきりしています。
それだけに先発投手への期待度は高いわけですから,この梅雨の時期でもしっかりコンディション維持に専念して
次はピリッとした投球を頼みますよ。
2-2の同点に追いつかれた直後の3回裏,初回はブレーキ役になってしまった辻が3回裏にゲッツー崩れで勝ち越しとするも,
まだまだファンからの信頼を得られたわけではなく(近3-2ヤ)。
ツイッターやヤフーのコメントなどを見てる限り,辻は明日は抹消されるという意見が大勢を占めていたわけで。
その後,バレンティン相手には2回に完璧なホームランを打たれた後は
まともに勝負できずに四球で歩かせると,そこからアウトがとれずにランナーが溜まり,
結局そのランナーを全員返してしまう,悪循環に。
結局西勇輝は5回持たず6失点でKO。
平井にスイッチするも,平井も2イニングス目には西と同じく二死から崩れてしまい,
気付けば5点差のビハインドの展開に(近3-8ヤ)。
ただ,その平井を救援したのは,プロ12年目の未勝利投手,鴨志田だったんですよね。
今日は私は朝6時から姫路で仕事があったため,その後車を飛ばしてドームに駆けつけたにも関わらず
このような展開ともなると,ガッカリ感が強かったわけです。しかも6回表の途中で試合開始から3時間が経過してるし。
それが。まさかの6回裏。熱き炎が解き放たれたわけです。
辻俊哉が四球を選んで出塁すると,ゴッツァンが2塁打で続き・・・
山本が三振に倒れて1死になるも,伊藤がセカンドの頭を超えるライト前タイムリーヒットで2点を返し,
本塁への送球の間に伊藤もセカンドへ進塁(近5-8ヤ)。さらにグッチがレフト前ヒットで続く展開。
駿太が遂に打撃開眼の猛打賞となるヒットで坂口を迎え入れ,3点を返して2点差に。
しかし糸井が三振に倒れ,二死になったわけですが・・
デホが強烈なレフト線を抜くタイムリーヒットで2点を返し,遂に同点に(近8-8ヤ)。
まさに「突撃打者一巡二巡 パンチ効いた打線エグい 確変止まることなくスタンド熱気でパニック状態」
そしてバルもしぶとく三遊間を抜いてレフト前ヒットで続くと,このイニングで打者一巡し,
今日キーマンになっている6番DHの辻俊哉がバッターボックスへ。
今年の4月,北神戸での2軍戦に訪れた際,辻は子供と奥さんを試合に呼んでいたんですよね。
しかし本人は出場機会がなく。ただ,家族サービスということで,試合後に球場前の広場で子供の遊び相手になっていました。
若手選手のサインを求めて多くのファンがうろうろしている中で,辻が隣にいても誰も見向きもしていない。
ただ,翌日の神戸サブの試合では,しっかり長打を打って結果を残していました。
数少ないチャンスの中で,どれだけ集中して挑めるか。残されたチャンスはもう僅かなのは承知の上で。
これが人生最後の打席になるかもしれない,そんな悲壮感さえもこんな展開の中で身に沁みてくる・・・
そんな中,ヤクルト3人目の七條からの3球目,思い切り振りぬいたバットから生まれた打球は・・・
背走するミレッジの頭の先を越えて左中間を破る2点タイムリー2塁打に。
この回で仕留めきれないと,いくら得点しようが,ただの「追いつけない程度の反撃」で終わってしまっていました。
ションベンもちびってしまうような痺れる場面で,彼自身の人生が掛かるワンチャンスで,
彼の度胸と気迫と積み重ねた経験と日々の鍛錬から生まれたパワーが,劇的な逆転をもたらしたのだ!
送りバントもできない日々が続き,打順の固定どころか守備要員から抜け出せなかった駿太が
ここに来てバットでの力強さを見せられたのは大きいですね。
直後の7回表は岸田がマウンドへ。先頭打者の中村にヒットを打たれ嫌な予感に苛まれるも,
田中浩康をファーストゴロゲッツーに仕留めて,主導権をヤクルトへ渡さず。
今日も真っ赤に染まった大阪ドーム。
8回表は佐藤達也がマウンドへ。この2試合てこずっていたバレンティン相手にも
堂々のストレート勝負で内野ゴロに仕留め,これで90%勝利を確信しました。
9回表は守護神平野佳寿がマウンドに立ち,ヒット1本許すもしっかり締めて長かった試合も幕切れ。
この瞬間,プロ12年目の鴨志田がプロ入り初勝利を挙げました。
彼こそ,去年は8月での3軍でのアマチュアクラブチームとの対戦で結果が残せず,
生き残りが選別される9月の2軍戦でも四球連発と滅多打ちに遭い,
さすがに試合後は目の前が見えてないのではないかというほど放心状態で車に向かっていた姿を見て,もうダメだと思ったものです。
私でさえも昨年の秋に戦力外にならなかったのが不思議に思ってしまったほど。
今年もオープン戦で結果が残せず,この試合も不得意とするランナーいる場面からの救援で,本人としたら不利な状況で試されていたとも言えます。
それが。どんな状況に追い込まれても変わらず辛抱して野球を続けてきた結果,報われましたね。
たった1勝しかしてないのはプロの中では三流なのかもしれませんが,
2007年からわずか7年ほどしか見ていない1ファンからしても重みを感じます。
近鉄の応援歌の中では,星野修の歌詞もメロディーも秀逸で好みなのですが,
まさに今日の辻俊哉と鴨志田貴司へ贈る曲として相応しいような気がします。
「積み重ねたものは 弛まぬ努力の極み ひたむきな精神で しぶとく喰らいつけ」
辻の打球にしろ,鴨志田の登板にしろ,ラッキーな部分もありました。
でも敗戦処理していても勝利投手になる人はたくさんいた中で,鴨志田はなかなか手にできなかった。
それがプロの厳しさともいえるわけですが,それでも長く投げ続けてきた証としての勝利だと思います。
そして,辻の打球はランナー1,2塁での外野前進守備体系を見抜いてのしっかりしたスイングが生きた結果で,
その打球が捕られる可能性が5割としても,すでに打率で満足する3割を超える可能性を出しているわけですから,
打者としての成果を挙げているのです。
そして今日の主役がヒーローインタビューへ。
鴨志田もそうですが,二軍での登板が当たり前で,もはやその辺にいても声もかけられない存在だった彼が
この大阪ドームの大観衆の前でヒーローインタビューを受けているのを見て,
失礼ながら,ようやく同じチームの選手だったんだという実感が。
こんな大技も披露してくれました。
やっぱプロの選手だったんだ。
Bu 10 - 8 Swallows
とにかく大阪近鉄バファローズ「豪打いてまえ猛牛打線」の再来を身に沁みました。
こりゃ,現場で見てたら癖になるわ。10点差で負けてても,最後まで応援したろという気持ちになります。
さらに,今は終盤に逆転すればしっかりしたストッパーが試合を締めてくれる。
今日のような勢いと最後まで諦めない気迫・意地,そして苦労人たちの努力と経験の積み重ねがチーム全体に融合されると,
リーグ戦再開後も心強く思います。
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お時間とお気持ちに余裕がありましたら・・。
ダイエーは田之上か西村,ハムは金村か岩本,オリックスは小林宏か金田,近鉄は前川かバーグマンといったところで,打高投低の真っ盛りでした。
戎が防御率3点台で1位だったのが2000年でしたし。
ほんと,5点リードくらい簡単に返されるのは近鉄だけでなく日常茶飯事なパワー・リーグだったもんです。
それもこれも,ストライクゾーンのクソ狭い津川や中村,栄村といった関東審判員が試合をグダグダにしてくれたりといった影響も大きかったですが。
まさに,そんな試合まで復刻してくれた,今日の試合。
今日は6番DHに辻俊哉を据えた攻撃型オーダーで挑んだ大阪近鉄ユニを纏ったオリックス・バファローズでしたが,
初回2得点もヤクルト先発の新外国人ラルーを攻めあぐね,特に辻がブレーキとなってしまって流れを失い,
さらに近鉄先発の西は二死からの詰めが甘く,徐々に失点を重ねて逆転を許し,
気付けば5回表終了時点で完全にヤクルトに主導権を奪われる展開に。
それが更に自分の感情をコントロールできずに悪循環に陥らせてしまったように思えます。
ヤクルトも3回表には勝手に二死からディレード&ダブルスチームでの走塁死で自爆してくれたましたし,
流れを引き寄せればもっと楽な試合になったのかもしれませんが。
しかし,先発投手陣に対しては球数が多少多かったり,イニングを引っ張る傾向にありますが,
しっかり中6日は確保されているのは,チーム方針としてはっきりしています。
それだけに先発投手への期待度は高いわけですから,この梅雨の時期でもしっかりコンディション維持に専念して
次はピリッとした投球を頼みますよ。
2-2の同点に追いつかれた直後の3回裏,初回はブレーキ役になってしまった辻が3回裏にゲッツー崩れで勝ち越しとするも,
まだまだファンからの信頼を得られたわけではなく(近3-2ヤ)。
ツイッターやヤフーのコメントなどを見てる限り,辻は明日は抹消されるという意見が大勢を占めていたわけで。
その後,バレンティン相手には2回に完璧なホームランを打たれた後は
まともに勝負できずに四球で歩かせると,そこからアウトがとれずにランナーが溜まり,
結局そのランナーを全員返してしまう,悪循環に。
結局西勇輝は5回持たず6失点でKO。
平井にスイッチするも,平井も2イニングス目には西と同じく二死から崩れてしまい,
気付けば5点差のビハインドの展開に(近3-8ヤ)。
ただ,その平井を救援したのは,プロ12年目の未勝利投手,鴨志田だったんですよね。
今日は私は朝6時から姫路で仕事があったため,その後車を飛ばしてドームに駆けつけたにも関わらず
このような展開ともなると,ガッカリ感が強かったわけです。しかも6回表の途中で試合開始から3時間が経過してるし。
それが。まさかの6回裏。熱き炎が解き放たれたわけです。
辻俊哉が四球を選んで出塁すると,ゴッツァンが2塁打で続き・・・
山本が三振に倒れて1死になるも,伊藤がセカンドの頭を超えるライト前タイムリーヒットで2点を返し,
本塁への送球の間に伊藤もセカンドへ進塁(近5-8ヤ)。さらにグッチがレフト前ヒットで続く展開。
駿太が遂に打撃開眼の猛打賞となるヒットで坂口を迎え入れ,3点を返して2点差に。
しかし糸井が三振に倒れ,二死になったわけですが・・
デホが強烈なレフト線を抜くタイムリーヒットで2点を返し,遂に同点に(近8-8ヤ)。
まさに「突撃打者一巡二巡 パンチ効いた打線エグい 確変止まることなくスタンド熱気でパニック状態」
そしてバルもしぶとく三遊間を抜いてレフト前ヒットで続くと,このイニングで打者一巡し,
今日キーマンになっている6番DHの辻俊哉がバッターボックスへ。
今年の4月,北神戸での2軍戦に訪れた際,辻は子供と奥さんを試合に呼んでいたんですよね。
しかし本人は出場機会がなく。ただ,家族サービスということで,試合後に球場前の広場で子供の遊び相手になっていました。
若手選手のサインを求めて多くのファンがうろうろしている中で,辻が隣にいても誰も見向きもしていない。
ただ,翌日の神戸サブの試合では,しっかり長打を打って結果を残していました。
数少ないチャンスの中で,どれだけ集中して挑めるか。残されたチャンスはもう僅かなのは承知の上で。
これが人生最後の打席になるかもしれない,そんな悲壮感さえもこんな展開の中で身に沁みてくる・・・
そんな中,ヤクルト3人目の七條からの3球目,思い切り振りぬいたバットから生まれた打球は・・・
背走するミレッジの頭の先を越えて左中間を破る2点タイムリー2塁打に。
この回で仕留めきれないと,いくら得点しようが,ただの「追いつけない程度の反撃」で終わってしまっていました。
ションベンもちびってしまうような痺れる場面で,彼自身の人生が掛かるワンチャンスで,
彼の度胸と気迫と積み重ねた経験と日々の鍛錬から生まれたパワーが,劇的な逆転をもたらしたのだ!
送りバントもできない日々が続き,打順の固定どころか守備要員から抜け出せなかった駿太が
ここに来てバットでの力強さを見せられたのは大きいですね。
直後の7回表は岸田がマウンドへ。先頭打者の中村にヒットを打たれ嫌な予感に苛まれるも,
田中浩康をファーストゴロゲッツーに仕留めて,主導権をヤクルトへ渡さず。
今日も真っ赤に染まった大阪ドーム。
8回表は佐藤達也がマウンドへ。この2試合てこずっていたバレンティン相手にも
堂々のストレート勝負で内野ゴロに仕留め,これで90%勝利を確信しました。
9回表は守護神平野佳寿がマウンドに立ち,ヒット1本許すもしっかり締めて長かった試合も幕切れ。
この瞬間,プロ12年目の鴨志田がプロ入り初勝利を挙げました。
彼こそ,去年は8月での3軍でのアマチュアクラブチームとの対戦で結果が残せず,
生き残りが選別される9月の2軍戦でも四球連発と滅多打ちに遭い,
さすがに試合後は目の前が見えてないのではないかというほど放心状態で車に向かっていた姿を見て,もうダメだと思ったものです。
私でさえも昨年の秋に戦力外にならなかったのが不思議に思ってしまったほど。
今年もオープン戦で結果が残せず,この試合も不得意とするランナーいる場面からの救援で,本人としたら不利な状況で試されていたとも言えます。
それが。どんな状況に追い込まれても変わらず辛抱して野球を続けてきた結果,報われましたね。
たった1勝しかしてないのはプロの中では三流なのかもしれませんが,
2007年からわずか7年ほどしか見ていない1ファンからしても重みを感じます。
近鉄の応援歌の中では,星野修の歌詞もメロディーも秀逸で好みなのですが,
まさに今日の辻俊哉と鴨志田貴司へ贈る曲として相応しいような気がします。
「積み重ねたものは 弛まぬ努力の極み ひたむきな精神で しぶとく喰らいつけ」
辻の打球にしろ,鴨志田の登板にしろ,ラッキーな部分もありました。
でも敗戦処理していても勝利投手になる人はたくさんいた中で,鴨志田はなかなか手にできなかった。
それがプロの厳しさともいえるわけですが,それでも長く投げ続けてきた証としての勝利だと思います。
そして,辻の打球はランナー1,2塁での外野前進守備体系を見抜いてのしっかりしたスイングが生きた結果で,
その打球が捕られる可能性が5割としても,すでに打率で満足する3割を超える可能性を出しているわけですから,
打者としての成果を挙げているのです。
そして今日の主役がヒーローインタビューへ。
鴨志田もそうですが,二軍での登板が当たり前で,もはやその辺にいても声もかけられない存在だった彼が
この大阪ドームの大観衆の前でヒーローインタビューを受けているのを見て,
失礼ながら,ようやく同じチームの選手だったんだという実感が。
こんな大技も披露してくれました。
やっぱプロの選手だったんだ。
Bu 10 - 8 Swallows
とにかく大阪近鉄バファローズ「豪打いてまえ猛牛打線」の再来を身に沁みました。
こりゃ,現場で見てたら癖になるわ。10点差で負けてても,最後まで応援したろという気持ちになります。
さらに,今は終盤に逆転すればしっかりしたストッパーが試合を締めてくれる。
今日のような勢いと最後まで諦めない気迫・意地,そして苦労人たちの努力と経験の積み重ねがチーム全体に融合されると,
リーグ戦再開後も心強く思います。
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お時間とお気持ちに余裕がありましたら・・。
1回の駿太の走塁でイヤな予感がして、案の定逆転されて、ワンサイドになりかけて・・・
このまま負けてリーグ戦に突入かあ?と思った矢先に大逆転!そのまま負けても受け止めるつもりでしたが、嬉しい大誤算でした。
鴨志田投手、辻選手といった選手が注目されることも嬉しいことですね。順調ではないことが多かったかもしれませんが、役目を果たせば報われる、そんな事を改めて感じることが出来ました。
厳しいリーグ戦が再開しますが、順位が上がるよう応援します!レポートありがとうございました。