今までの圭司は、堕落して何にもかも人のせいにしてきた。
それを思い直させたのは、彼女との再会だった。
恵子との苦い思い出も彼女との再会のため男としての成長の過程だったもかも知れない。
本当に愛するとは、どういうことなのかを教えられた気がした。
彼女は、圭司のために華やかな世界であるモデルも女優も引退していた。
そして、モデルから比べれば地味とも思えるキャスターへと転身していた。
これまでの道のりは、彼女に翻弄されていたのも事実だった。
あのレストランで初めて衝撃的な出会いをして、そして別れた。
それも圭司の身勝手な行動に他ならない。
なのに彼女は、派手な生活を捨ててまでも圭司を待っていた。
いつ来るかも知れない圭司を毎日あの丘で待ち続けていた。
それを知った時に圭司の胸の奥は熱いものが湧きたった。
どん底に墜ちたのも、こんなに穏やかになれたのも彼女の存在を抜きに語れない。
全て彼女に振り回されてきたと第三者的な被害者とばかり思い込んでいた。
バカだった。
彼女も恵子も雅夫も圭司を思っての行為を逆恨みして勝手に自暴自棄になっていただけだと気付かせてくれたのも彼女たちだった。
恵子と雅夫の幸せな姿を見た時、ショックを受けた自分自身が情けなくて恥ずかしい。
カメラマンとしての自信も消え失せていたのを助けてくれたのも色褪せたアルバムの中で微笑む彼女の写真だった。
そして、あの思い出の場所で彼女と運命的な再会を果たし、めぐり逢えた。
運命のイタズラなのか、神様のおぼし召しなのか、それは解らない。
しかし、圭司にとって間違いなく彼女は女神そのもだと信じずにはいられなかった。
それまでの過ぎゆく日々が走馬灯のように駆け巡る。
この胸にたぎる熱い思いは、もう誰にも邪魔はさせない。
振る返る一コマも全て幸せの色に塗り替えられる。
もう迷うことは何もない。
これが、最後の恋と言えるためには、これから同じ時間を重ねていくことだと圭司は今のこの気持ちを大切にしていく、ただそれだけのことだと気付いていた。
彼女との時間は穏やかな陽に包まれるかどうかも圭司にかかっている。
それなのに操られていたと思っていた時期が確かにあった。
しかし今の圭司は、カメラマンとして再びファインダーを覗く目に力強い光が宿っていた。
この揺らぐことのない彼女への愛を圭司は、シャッターにかける指先に集中していた。
「まだだぁ~」
彼女は、圭司のたっての希望で雑誌のモデルを特別に引き受けてくれたのだ。
圭司にとって、再出発をかけた大きな仕事に相応しいのは彼女しかいない。
編集長もかつて、人気を独占していた女優が突然に引退してモデルも一切引き受けなかったのだから雑誌の表紙を飾る最後の写真だと興奮気味だ。
ファインダーを覗く圭司が、シャッターを押せないんじゃない。
躊躇っている訳でもない。
涙で霞んでピントが合わないだけだった。
『待たせたねぇ。』
圭司はシャッターを切った。
ダビデの紋章「六芒星」が胸元から光って見えている。
「つづく・・・。」
※これは、フィクションで、「熱い想い♪」とは無関係の内容になっていますので、ご了承ください。
それを思い直させたのは、彼女との再会だった。
恵子との苦い思い出も彼女との再会のため男としての成長の過程だったもかも知れない。
本当に愛するとは、どういうことなのかを教えられた気がした。
彼女は、圭司のために華やかな世界であるモデルも女優も引退していた。
そして、モデルから比べれば地味とも思えるキャスターへと転身していた。
これまでの道のりは、彼女に翻弄されていたのも事実だった。
あのレストランで初めて衝撃的な出会いをして、そして別れた。
それも圭司の身勝手な行動に他ならない。
なのに彼女は、派手な生活を捨ててまでも圭司を待っていた。
いつ来るかも知れない圭司を毎日あの丘で待ち続けていた。
それを知った時に圭司の胸の奥は熱いものが湧きたった。
どん底に墜ちたのも、こんなに穏やかになれたのも彼女の存在を抜きに語れない。
全て彼女に振り回されてきたと第三者的な被害者とばかり思い込んでいた。
バカだった。
彼女も恵子も雅夫も圭司を思っての行為を逆恨みして勝手に自暴自棄になっていただけだと気付かせてくれたのも彼女たちだった。
恵子と雅夫の幸せな姿を見た時、ショックを受けた自分自身が情けなくて恥ずかしい。
カメラマンとしての自信も消え失せていたのを助けてくれたのも色褪せたアルバムの中で微笑む彼女の写真だった。
そして、あの思い出の場所で彼女と運命的な再会を果たし、めぐり逢えた。
運命のイタズラなのか、神様のおぼし召しなのか、それは解らない。
しかし、圭司にとって間違いなく彼女は女神そのもだと信じずにはいられなかった。
それまでの過ぎゆく日々が走馬灯のように駆け巡る。
この胸にたぎる熱い思いは、もう誰にも邪魔はさせない。
振る返る一コマも全て幸せの色に塗り替えられる。
もう迷うことは何もない。
これが、最後の恋と言えるためには、これから同じ時間を重ねていくことだと圭司は今のこの気持ちを大切にしていく、ただそれだけのことだと気付いていた。
彼女との時間は穏やかな陽に包まれるかどうかも圭司にかかっている。
それなのに操られていたと思っていた時期が確かにあった。
しかし今の圭司は、カメラマンとして再びファインダーを覗く目に力強い光が宿っていた。
この揺らぐことのない彼女への愛を圭司は、シャッターにかける指先に集中していた。
「まだだぁ~」
彼女は、圭司のたっての希望で雑誌のモデルを特別に引き受けてくれたのだ。
圭司にとって、再出発をかけた大きな仕事に相応しいのは彼女しかいない。
編集長もかつて、人気を独占していた女優が突然に引退してモデルも一切引き受けなかったのだから雑誌の表紙を飾る最後の写真だと興奮気味だ。
ファインダーを覗く圭司が、シャッターを押せないんじゃない。
躊躇っている訳でもない。
涙で霞んでピントが合わないだけだった。
『待たせたねぇ。』
圭司はシャッターを切った。
ダビデの紋章「六芒星」が胸元から光って見えている。
「つづく・・・。」
※これは、フィクションで、「熱い想い♪」とは無関係の内容になっていますので、ご了承ください。