コロナ危機が持ち上がって以降、世界経済に少しでも関心のある人なら待ち望むはずのない今夜の米国4~6月期のGDP発表。結果は前年比マイナス32.9%の下落。予想はマイナス34.8%だったそうだから、多少は上振れしたとも言えるが、それにしても激しい落ち込みぶり。これをうけてCMEダウ平均先物は日本時間21時40頃には素直に前日終値比で約340ドルのマイナスで反応。市場は正直です。今、米国議会ではコロナ危機対策のための財政措置について与野党が折衝していると報じられている。今夜のGDPを見て財政出動の規模を一層、拡大するか、もしそうなら、アメリカ国債の増発が米国金利の上昇を誘発して米ドル高を招来するということも考えられるが、つい先日、米国の財政赤字拡大が報じられたばかりだから、ここで財政出動の拡大は難しいか。もし、米国政府や議会が今回のGDPの落ち込みを「織り込み済み」として静観するなら、米国経済の落ち込みを市場がはやし立てて米ドルが下落するか、この場合、米国で輸入物価の上昇が発生し「悪いインフレ」を誘発することもあり得る。どちらに転ぶかは今の段階では何も分からないが、とりあえず刺激的な夜にはなりました。