日々雑感

旧植民地への謝罪

ネットでは、日本による韓国への植民地支配への謝罪に関連して”日本以外には旧植民地への謝罪を行った国などない。”との話が良く出ているがその真偽について確かめてみた。
結論は”旧植民地へ謝罪した国は、その謝罪が十分とは言えないが全くないわけではない。”とのものである。

①2019/12/21にAFPで"フランス マクロン大統領がコートジボワールにて「植民地主義は重大な過ちだった」との認識を示し、フランスが「覇権主義的な見方や、フランスの重大な過ちであった植民地主義を象徴するものを有している」と見なされることが多いと語った。”との報道がある。植民地支配が合法か非合法かの認識や補償については述べられていない。
②2018/9/13に産経新聞で”フランスのマクロン大統領は、旧植民地アルジェリアの独立戦争(1954~62年)中、仏政府が拷問を容認していたと認め、当時死亡した独立運動家の妻に謝罪した。”との報道がある。マクロンは大統領選挙期間中に”植民地支配は『人道に対する罪』だ。過去の蛮行にわれわれは向き合うべきだ」と発言しているそうだ。ただ、この記事でも植民地支配が合法か非合法かの認識や補償については述べられていない。また謝罪したのはアルジェリアの独立戦争中の独立運動家への拷問に対してであり、植民地支配に直接謝罪したとの報道ではない。
③2008/8/30にAFP報道で”イタリアのベルルスコーニ首相がリビア北東の都市ベンガジで最高指導者ムアマル・カダフィ大佐と会談し、過去の植民地支配による損害について謝罪するとともに、補償としてインフラ整備に合計50億ドル(約5400億円)を投資することを盛り込んだ友好協定を締結した。ベルルスコーニはこの友好協定が、植民地時代にイタリアがリビアに与えた損失についての具体的かつ道徳的な認識だと述べ、40年続いた両国間の不和に終止符を打つとの見方を示した。"との報道がある。この記事でも植民地支配が合法か非合法かの認識は述べられていない。また、50億ドルは補償の支払いではなく”投資”するとなっている。
④2020/3/11に毎日新聞で”オランダのウィレム・アレクサンダー国王がインドネシア独立戦争(1945~49年)時に起きたオランダ軍による虐殺事件について謝罪した。”との報道がある。この虐殺事件に関しては遺族へ賠償金がオランダ政府により支払われたようだ。この記事でも植民地支配が合法か非合法かの認識や補償については述べられていない。また謝罪したのは②と同様に独立戦争中の独立運動家への虐殺に対してであり、植民地支配に直接謝罪したとの報道ではない。

近年になり、いくつか旧植民地への旧宗主国の”謝罪”のようなものは出てきているようだ。日本だけが”自虐史観”にとらわれて謝罪しているわけではない。
私自身としては植民地支配は道徳的には許されないことではあるが、当時の国際法では合法であったと考える。国際法というもの自体が欧米により作られてきたものであるから、植民地支配を国際法上違法とするわけがないとの理由による。だから上記の例をみても植民地支配を非合法であったとする認識は出てないのであろう。

これらの”謝罪”例に比べても、日本による旧植民地への謝罪と補償はそれなりに高いレベルで実施されているように思う。

それにしても、過去に植民地支配や奴隷貿易など全世界で”道徳的には”極悪非道の限りを尽くしたと言っても過言ではないイギリスによる旧植民地への”謝罪”に関しては記事を発見できなかった。イギリスは全く旧植民地への謝罪はしていないという理解で良いのだろうか?
そうだとすればイギリスは過去の自国の行為に対してまったく道徳的な呵責を持っていないのであろうか?

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