私の趣味はテニスでよくテニスコートへ出かける。あまりテニスをしない人は知らないと思うが、日本の女性アマチュアテニスプレーヤーは日焼けを大変嫌っていて肌を出している人はまずいない。夏でも日焼け防止の長袖と長いタイツを履いて顔には覆面を付けサングラスをするというのが標準的な服装である。比較的若い人も比較的年配の人も同じである。
ここで不思議な現象が起こる。それなりに長い期間一緒にテニスをしているのに、それらの女性テニスプレーヤーの顔を知らないのだ。私の通っているテニスクラブではおそらく50人以上の女性がテニスをしていると思うのだが、顔を知っているのは二人だけだ。その二人はクラブハウスで覆面をはずすことが多いから。その他の人は一日中覆面をはずすことはまずない。
一般的な習慣として人の名前を覚える時は顔とのセットで覚える。だから顔が分からない人の名前を覚えるにはひどく苦労する。テニスをしているので使用しているテニスラケットの種類と体形と声とボールを打つフォームで名前を覚えなければならないのだ。これは一般的には奇妙な体験である。
なぜこんなことを書いているかと言えば、公共の場所で顔を隠すことはベルギーやオランダやスイスでは法律で禁止されていることを思いついたからだ。はっきりとは言われてないがイスラムテロリストへの懸念がこのような法律での禁止という事態をもたらしたのであろう。
上記のテニスコートでの体験より人がずっと顔を隠していることへの違和感は十分に理解できる。(ベルギーやオランダやスイスでテニスコートが顔を隠してはいけない"公共の場"に該当するかどうかはわからないが。) だから顔を隠している人への反感が普段顔を隠すことない社会では簡単に高まりやすいのも理解できる。
おそらくインドネシアから来た福祉関係の仕事をしている人だろう、スカーフをしている女性をちらほら見るようになった。いろんな国から多種多様な人々が日本に来るようになった。日本ではテロが起こらない限りスカーフやブルカが問題になることは無いだろう。テロが起こらないことを祈る。(2024/10/14)