満州国建国時の日本国民の中国への態度は、それまでの中国の諸条約への違反やパリ不戦条約違反の日貨排斥運動への怒り、つまり「約束を守らない中国、約束を守ることを要求する日本」という形の怒りと要約してよいものだ。(その怒りが正当であるかは別として。)
中国とのそのときの諸条約には軍事的圧力等があり昨今の日韓関係とはそのまま適用はできないが、「約束を守らない韓国、約束を守ることを要求する日本」という今の日本の態度は、満州国建国時の日本の中国への態度とアナロジーとなっていて興味深い。「約束を守らない国”どこどこ”、約束を守ることを要求する日本」という形で怒りをため込むパターンを見ると、日本人のメンタリティーはずいぶんと時間がたっても変わってないように見える。
日本は自分の思考パターンも考えながら、昨今の日韓関係を考えてゆくのがよい方向と思われる。
(参考:「戦争の日本近現代史」加藤陽子 講談社現代新書)