2021/12/9付けの朝日新聞デジタルで米国主催の「民主主義サミット」の開催が報じられている。
中国が念頭にあるようなので、中国政府の反発もまた報じられている。確かに中国の言うように米国の昌道する「民主主義」が普遍的なものと言えるとは思わないし、中国には中国式の「民主主義」があるというのはそれはそれで正しいとは思う。日本には日本式の「民主主義」というものもあるだろう。その日本式の「民主主義」が欧米のそれと全く同じであると思っている日本人はいないと思う。
ただし、中国が「中華人民共和国」として建国してからの歴史を見てみれば、そこに中国式の「民主主義」が示されているのだろうが、少なくとも日本人にとってはそれが望ましい「民主主義」のようには見えない。大躍進運動・文化大革命・近ごろの香港での「民主派」弾圧・新疆ウイグルで行われている弾圧を正当化するのが中国式の「民主主義」の一部であると考えれば。
欧米式の人権は中国の「民主主義」には無いように見える。
米国での白人警官が無抵抗の黒人の首を押さえつけて窒息死させた事件や丸腰のBLM運動のデモ隊の参加者を射殺した白人が無罪の評決を受けたことなどを考えれば、米国の昌道する「民主主義」では有色人種にほんとうに人権があるかどうか実は怪しいのだが、少なくとも建前上は有色人種にも人権はあることになっている。
多少胡散臭い「民主主義サミット」に今時点では日本も賛同するしかあるまい。建前でも一応”人権と言われているもの”のある欧米の「民主主義」の方が”まし”だからだ。