8月15日を前に前の戦争について語る記事が多い。また戦争末期に行われた特攻に関する記事も多い。そしてこの季節に多く語られる「あなたたちの死は無駄ではありません。あなたたちの死が戦後の日本の復興を作ったのです。」との言葉について書きたい。
このブログに多くの読者がいるわけでもなく、また大きな影響力があるわけでもない。しかし上記の問いかけに対してあまりにも率直に書くことはそれなりにはばかられるので奥歯にものの挟まったような言い方になるのをご勘弁いただきたい。
大前提として、近しい人の死があった場合その死に意味を持たせたいとの人の気持ちは非常に理解できることである。それを非難する気は全くない。
前の戦争での日本人の死者は約300万人程度と言われる。その死が日本の戦争の勝利に貢献したかという問いは成立しない。なぜなら日本は前の戦争には勝利しなかったから。つまり日本人の約300万人の死は戦争の勝利には残念ながら結果的に貢献はしていないのだ。
では多く語られる「あなたたちの死が戦後の日本の復興を作ったのです。」という言葉はどうか。
”「あなたたちの死」がなければ日本の復興はなかったのか?”
”「あなたたちの死」がもたらした具体的な戦後の復興への貢献とは何だろうか?”
”死ぬより生きて戻り、労働・生産に励んだ方がもっと早く、大きく復興できていたのでは?”
”日本人が多く死んだことが戦後のアメリカの占領政策に影響を及ぼしただろうか?”
疑問を提示することにてこの文章は終わりとしたい。
(勿論日本人以外に多くの人々が死に、傷つき、その国土が荒廃したことを忘れているわけではない。) (2023/8/15)