佐渡金山が世界遺産に登録された。韓国と”強制労働”の件でもめていたようだが、それはある程度の妥協がなったようだ。朝鮮半島の人の”強制労働”があったなかったの件はさておき、佐護金山とはそんなに世界に誇れるところなのか?と疑問に思う。
江戸時代には”佐渡の金山この世の地獄”と言われたのはよく知られたことだ。江戸の無宿人や犯罪者が佐渡金山へ送り込まれていたようだが、彼らは3年は生きられないと言われていたようだ。その時代のことを書いた小説にも、連れてこられて金山で働かされた人足は皆”2年もすれば黒い固まりを吐いて死ぬ。”という描写がある。(司馬遼太郎だったか?)
そんな過酷な労働条件の金山が世界に誇れるところなのか?
おそらくは世界遺産登録の運動は観光のためとは思う。3年も働けば死ぬというようなところへ佐渡の人々が常時駆り出されていたなら、佐渡金山は佐渡の人々の怨嗟の対象になっていたはずで、死んでいったのは江戸から連れてこられた人足だったから佐渡の人々の怨嗟の対象とはならず、だから佐渡の観光振興に金山を使おうとの発想が出るのではないのか?
これと同じことが知覧でも起こっている。ご存じのごとく知覧は特攻隊の出撃基地があったところ。今はあるかは知らないが、一時期特攻隊がが出陣していくのを女子高校生が見送るという観光用のショーが知覧で行われていた。それに対して”そんな観光用のショーができるのは結局特攻で死んだのは知覧の人間ではなく知覧以外の全国から集まってきた少年であったからではないのか?”という批判があった。
今回の件はこの知覧の件と同じ構図であるように見える。(2024/8/2)